抑えなくてもいいんだよ。
それは椿だけの大切な気持ちだから。
人にしゃべる事でもないし、
そう、絶対圭織ちゃんには内緒ね。
相談なんかしなくていいんだよ。
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抑えなくてもいいんだよ。
それは椿だけの大切な気持ちだから。
人にしゃべる事でもないし、
そう、絶対圭織ちゃんには内緒ね。
相談なんかしなくていいんだよ。
恋をすると楽しいことばかりじゃない。
胸が苦しくなったり、些細なことに涙が出てきてしまったり
好きな人の一挙手一投足が心を揺らめかす。
それでもなかなか好きは消えてくれない。
自分で消そうとしても。
だからね、好きは無理に消そうとしなくてもいいよ。
そのままそっと心に灯しておけば。
時が来て消えてしまったらそれまで。
でも、綺麗に花が咲くこともあるって事
覚えておいてね。
もうフラットでなんかいられないよね。
それが普通だと思うけど。
椿はそう思ってないのかな。
本当に心の底から嫌な奴!
どこかに消えて!
なにこれ。
余りに自己中なって言うより、あなたは日下部さんじゃないよね。
人の仕事や将来に口出してるのはどんな料簡?
好きだって言われてその返事もしないまま放って置ける人が
なにを意見してるんだか。
せなが全く理解できない。
まだ無料分残ってるけどどうしようかな。
病院まで来て僕が紗季さんを守りますって
竹ノ内さん、あなたも怖い人ですか。
今のままだと陸や愛実に近い人ですよ。
確かに愛実は紗季に危害を加えるかも知れないけど、
それを止めるのがあなたの仕事で、自分の時間を潰してまで、
現在は赤の他人である紗季を守る事があなたの使命ではないよ。
紗季とちゃんと付き合いたいなら、愛実とキチンとした形で別れてからだと私は思うけど。
そうでなければ、いつまでも愛実の様な人は紗季を狙ってくる。
そんなの火を見るより明らか。
圭織ちゃんのいろいろアピール、今に始まったことじゃない。
それでも確かに出来るのにこれは嫌だよね。
いつも思うけど、椿を巻き込まないで。
圭織ちゃんのこういうところ読んでてイラっと来る。
此処にいてもいいことないって思いながら、それこそ足が竦んで立ち去れない。
男の子に慣れていたり、関係ないやって思える子は
態とバタバタって走り直して忘れ物したってドアを開けるとかできるんだろうけど
椿にはそんなことムリだもんなぁ。
せめて誰も気づかないうちにここから居なくなりたいよね。
早起きは三文の徳があったね。
今頃何言っちゃってんの、この子は。
いい奴なんてずっと前から知ってたじゃん。
こういう奴だって。
青木の事を一生懸命考えてくれる。
井田くんにとっても青木は大事な人なんだよ。
だから大事にしたいんだよ。
隣の席の、五十嵐くん。
036話
第12話 好き…、…だけどダメです。(3)