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これが王になって大丈夫?
ヒロインのヴェラは表に立つことが苦手なものの皇太子カロルの妻として懸命に尽くしていたが、ある日カロルに「君に興味が無くなったから離婚してくれ」と言い渡される。この国には精霊の加護を持つ者が稀に現れ、特に王家に入ると国中に加護が広がり飢饉等を恐れる必要がなくなるのだが、大臣の娘が加護を受けたため彼女と再婚したいからだった。実家にも追い出されたヴェラは雪のやまない街にある祖父母が住んでいた家で一人暮らしをすることに。その街には皇太子の異母兄アランがいたのだが、彼は高位精霊の加護を受けたために周囲を凍りつかせる存在となってしまい、却って国の災いになるので王位継承権を失った不遇の王子だった。けれどなぜかヴェラの周囲は凍り付かず、アランに出された紅茶も熱いままで……?
まあよくある「別れた妻の方が強力なチカラを持っていました」というパターンですが、ヴェラの持つ加護がわかりにくかったのはともかくとして、目立たないけどしっかり夫の陰で内助の功を発揮していた妻を「何もできない役立たず」と思い込んで笑顔で離婚を言い渡すカロルがひどすぎます。いなくなって彼女が何をしていたのか知らされて後悔して、って全く妻を見ようとしてなかっただけのこと。夫婦生活も皆無だったのはなんだったんでしょう。
最終的に兄とどっちが国王になるのかわかりませんが、(チョイ役はカロルの努力を褒めて今後について激励していましたが)こんなに身近な人のこともわからない王では先行きも不安ですね。心優しいヴェラにはアランと幸せになってほしいものです。
絵は地味ですがデッサンがしっかりしていて見やすいです。
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もう興味がないと離婚された令嬢の意外と楽しい新生活