5.0
大好きな作品!
転生モノで、1回目の人生を後悔しながら終えて、2回目の人生を生きるビアンカ。1回目の人生では孤独に死んでいったビアンカなので、関係性が築けなかった夫のザカリーや、アルノーの人たちと、ぶつかり合いながら関係を築いていきます。
この物語の素敵な点は、主人公ビアンカが転生後も性格をガラッと変えないところ。人は誰しも嫌なところはあるし、もって生まれたものは変えられないところが往々にしてあります。ビアンカも2回目の人生だからと性格が大きく変わるわけではなく、広告で出ていたように主人に悪態をついた使用人を自らの手で罰します。やりすぎに見えるところはありますが、それはビアンカが元々はブランシュフォールの家柄に生まれた貴族であり、使用人と主人、貴族と平民という差を認識させる、その当時でいうところの「教育」を行うべき立場であったから。その後、鞭をうった側の痛みを自分でも感じていますし、2回目の人生を生きるビアンカにとって、必要な出来事であったなと読み進めても思います。
それから、ビアンカは得意のレース作りを産業化させたり、蝋彫刻が得意な子どもを重用したりと、1回目でしなかった行動をしながら、ザカリーはもちろん、アルノー家臣や領地民とも積極的に関わっていきます。
ザカリーと心が通じあった時は、ホントに良かったと読んでいて感じましたし、戦争などシリアスな場面もありますが、変わらず強気で気高いビアンカや、そのビアンカに尻にしかれたり、逆に引っ張ったり…と緩急ある男前ザカリーが最高です!!
タイトルこそ取っつきにくいですが、ぜひ最後まで読むことを強くおすすめします!!
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