5.0
少女漫画を超えた濃厚な小説的作品
この漫画、色んな意味で衝撃的でした。
紙媒体で随分前に読んだのですが、あの「りぼん」で掲載されたいた事にショック。
小学生の頃、「なかよし」か「りぼん」か悩んで、当時「キャンディ…」が掲載されていて
その魅力に負けて「なかよし」をよく買っていたのですが、たまに「りぼん」も買っていたので
掲載されていた作品は、高校生ぐらいの学園恋愛物が主流でした。
最近の漫画は題名がやたら長くて読めばストーリーが想像できてしまうのに比べると
「砂の城」は凄い意味深な題名で、もちろん内容は少女漫画とは思えない程重たくて
これが1970年代後半、作者様が20代の終わりに描いた事にも驚いてしまいました。
ヒロインは聡明で美しく才能もあり、世間一般から見れば何でも持っている人なのに
本当に欲しかった物を若い頃に失ってしまった。
それでも生きていかなくてはならない。そんな彼女はある日生きがいを見つけ歩き出す。
読み終わった時、想像を超えた愛の形に涙しました。
漫画なんだけど、小説とも思える程濃厚で、繊細な先生の絵が映える作品です。
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砂の城