なんとまあ、殿下は玲琳の本質が全くわかってないのだな。
あれだけ目の当たりにしながら、病弱だが周りを気遣う健気さに引っ張られて、守ってやらねばならない胡蝶だと思ってる。
いやいやとんでもない、手の内に収まるような彼女ではないことは、既にその片鱗はあの時見えていたではないですか。
特殊な生まれと育ちは気の毒なんだけど、それ故に自分に媚びないというだけでもう評価は高いのだろう。玲琳の聡明さには当然気がついたけど、恐らく自分にとって好ましいところしか印象に残ってない。そしてそれを判断材料にするから胡蝶になってしまう。
これでは二人の入れ替わりに違和感は感じても、見抜くことはできるはずがない。そもそも慧月の身体の玲琳のことは見ようともしていないし、慧月が入った玲琳は、皇太子にとっては自分の思い描く胡蝶なのだろう。
玲琳は子供の頃からなかなか危なっかしい子だったのね。
聡明なのはもちろんだけど、従兄弟とはいえ皇太子に対して、いささか失礼な発言でハラハラする(笑)
ほんとはこうでしょ?って言ってしまうのは、子供の純粋さでギリギリ許されるかどうかというところ。大人ならただのディスりだし。
まあ、皇太子は不快に思わなかったし、玲琳が相手が誰であれ忖度しないのは子供の頃からなんだね。
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ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~
022話
玲琳、弓引く・後(1)