4.0
もどかしい・・・
無料だから読みはじめたけど、キイラの不器用さにハラハラします。
お父様に愛されたい、認められたい一心で、ひたむきに努力しているのに、
父・大公にはまったく理解されず、振り向いてももらえない。
幼い頃に母をなくし、本来は優しく賢い娘なのに、同じ年ごろの友達もなく、
召使いたちにかしずかれてはいても、心を通わせる相手にも恵まれなかったせいで、
人との関わり方も学ばずに成長してしまった不幸。
貴族としての誇りは誰よりも強いため、召使いたちの扱いも厳格で、反感を
かってしまいます。
一方、大公の実の娘を名乗って突然現れたコゼットは平民の育ちで
処世術も心得ていて、人あしらいもうまく、巧みに使用人たちを味方につけ、
見た目の可愛らしさと大公に似た容貌で、自分が本物と信じさせてしまいます。
大公は、もともと愛情深い人間ではないようで、人の心を見抜く目も持たず、
いかにも純粋な少女を装うコゼットにまんまと欺かれて、そちらを娘と
認めてしまうのです。
そうはいっても、いくら疎遠だったとはいえ、長年同じ屋敷で暮らしていて、
キイラの美点も自分に向けられる愛情にも、まるっきり気づかないなんて
ことはあるのかしら?
しかも、よく確かめもせず、偽物と断じたキイラにひとかけらの憐れみも
かけずに、さっさと処刑を命じてしまうなんて信じられないAHO~!
キイラが無礼な侍女を罰した時には、キイラの話も聞かず、ひどい仕打ちだと
なじったくせにね!
コゼットの、一見可愛げな態度で同情をひき、キイラを悪者に見せて陥れる卑劣な
やり方は、一番嫌いなタイプ。
次の世では、キイラも前世で学習した甲斐あって、もう少し世渡りがうまくなる
らしいので、頑張ってほしいな。
そして、こんどは幸せな生を送ってほしい。
というわけで、続きが楽しみです。
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実は私が本物だった