皇帝の冠をいただいたその時、彼が望むのはシャーリーだけのような気がする。
あの歌は、シャーリーには復讐を揶揄に、王太子にとっては、シャーリーへの想いに感じる。
歌が聴きたいのリクエストだけで、そのあまり知られてない曲をセレクトしたシャーリーの意図を、彼は良いように解釈した事だろう。
彼女は産まれとしても、妃に遜色はない。
しかも、彼より強く、気高く、賢く、彼は彼女を見ているからこそ、己が安定しているのだと、既に、理解しているのだから。
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暴君を手懐けて逃げてしまった
026話
第26話