追い詰められたヴィヴィアンの罪が露呈した回。と同時に、これまでにも時折覗かせていたバスティアンの苛烈な一面が表に出た回でもあったと思う。
オーリの自白で逃げ場が無くなって尚、無駄な足掻きを続けるヴィヴィアンの姿は余りに醜悪だった。そして保身の為に場を濁そうとするパメラも。いよいよ登場したバスティアンの前でさえ、その茶番を続けようとする姿は憐れささえ感じさせる。
隠し子疑惑での最大の被害者はバスティアンだろう。29話で自分は陥れられた今日で母を諦めたと言いながらも、結局彼は母であるパメラの為にこの状況に耐えていたのだと思う。けれどパメラはディアンが彼の実子でないと分かって尚、事実を隠そうとした。息子の名誉の為に真実を明かすのではなく、保身の為に誤魔化す事を選んだ。多分これが、今回の彼の怒りの一因だった。その根底にあるのは、王女達と同じ親に見捨てられた哀しみなんだろう。
ルウェリンの前では穏やかで優しい異母兄。と同時に母である王太后の暴挙を止められない弱気な国王。けれど彼からはずっと仄昏い一面が垣間見えていた。追い詰められた末に爆発する感情の危うさ。ルウェリンの前では隠してきた不安定さと激情が、ヴィヴィアンと幼いディアンにまで向けられていたのを、読者は目にして来ている。54話で見せた怒りや憎しみをぶつける姿も確かにバスティアンの一面だった。
穏やかで優しく少し気弱な青年の、追い詰められて烈火の様な感情をぶつけるもう一面。この不安定な二面性がバスティアンの本当の姿なんだろう。彼には、ストレスを蓄積させた末に何をするか分からない危うさがある。今やルウェリンに呪いをかけた黒幕の本命はバスティアンだろう。この不安定さが、ルウェリンを自分の傍に引き留める為に、呪いをかけると云う暴挙に繋がったのは想像に難くない。
ヴィヴィアンの断罪。国王と王太后の対立。虚偽の罪を着せられても毅然として躱し、逆にこの場を作り出したルウェリン。そのルウェリンは依然ヴィセルク公爵の後援を受け、ブリオン公爵は窮地のパメラを突き放した。しかも新しい教皇をパメラは侮辱し、教皇当人はルウェリンに庇護を与えている。貴族達の目に映るこの対比は、かなり強烈だったと思う。
バスティアンが怒りと共に振り下ろした剣は止められるだろう。けれどここまで追い詰められた彼が可哀想で仕方ない。
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捨てられた王女の秘密の寝室【タテヨミ】
151話
血縁スキャンダル