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杉浦日向子並
誰かを思い出すと言われて嬉しい作家さんはいらっしゃらないでしょうが、この作品は杉浦日向子の名作、[百日紅]を思わせます。その圧倒的な知識に基づくディテールがです。町の様子、川の造り、長屋の構造、井戸端、調度、道具、矢立や紙、着物や人の仕ぐさ、言葉づかいまで、江戸です。
江戸ものマンガには、[大奥]みたいに畳の縁を踏んで歩く武士?を平気で書いてしまうような物が多い中、これだけ丁寧なものは杉浦以来で、嬉しくなりました。メチャコミのなかでは、[あおのたつき]も絵は良かったけど、お化けばかりなので、此方のほうがこのみです。
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猫絵十兵衛 御伽草紙