マンガ苦手な方さんの投稿一覧

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作品レビュー
投稿 93件 / いいね獲得 11件
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投稿 11件 / いいね獲得 8件
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11 - 20件目/全76件

  1. 評価:4.000 4.0

    作者読み

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    今年、作者買いをした作家の一人。大奥でびっくりした後、この短編集で腑に落ちました。とても人間というものを知ったストーリーテラーです。大奥は途中でお涙時代劇になってしまい、初めのオリジナルな歴史解釈が普通の歴史物になってしまって、かえってがっかりしたけれど、この短編は良かった。よしながふみさんは短編の作家だと思います。一つのキャラクターにこだわって長引かせるより、すごく練った心理劇で人間を駒のように扱う方が向いていると思う。

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  2. 評価:4.000 4.0

    この源氏観が蔓延したことの功罪

    紫式部の源氏物語は社会小説、政治小説の堂々たるスケールを持っていた。現代では少し拗らせた中年の夢見る女子が作り出した、ひねくれたハーレクインロマンスとなった。ただ、「あはれ」とか、自然、とか、和歌、とか、山桜の大和魂、とか、そういう漠然としたパラダイムの広報力のおかげで何か深い思想があるみたいな印象を与えている。作者はこの1000年の物語を10代の少女が夢中になる読み物にした点で、その辺の学者よりも勲章もの。一方で、漫画の魅力が原典に接近するそれ以上の努力を妨げてしまったことは、源氏から深い文化思想や、グローバル世界における、西洋的ヒューマニズムを超える物語の可能性を探る、限りない展望を奪ってしまった。

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  3. 評価:4.000 4.0

    フィールグッド

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    LGBTQが普通という環境で学生時代を送った身としては(ヨーロッパ)、この二人の生活は普通の普通で、何も起こらない。ストレスフリーの「自分らしい」生活を追い求めたミレニアル世代のテンプレ的ライフスタイルなんだと思う。それにレシピを組み合わせて実用本にもする。全体にフィールグッド、延々と流していられるテレビドラマ。アイデアの勝利。好きなものを追求して作り出したスマッシュヒット。

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  4. 評価:3.000 3.0

    マッチョな業平

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    伊勢物語の時代(清和〜宇多町)は好きでよく調べていました。唐の文物と初期国風文化の混淆など、源氏物語時代まで降りれば絵物語があってヒントになるのですが、この時代はそうはいかず、大変難しいと思います。道真が見つけた麻雀荘(?)のエキゾチックな唐人女たちなど、19世紀マカオか、というくらいの現代性ですが、それでも歴史考証の結果と評価します。

    一方で、筋肉隆々の業平はいただけません。道真も可愛くない。お目目くりくりの一休さんみたいな神童ではダメだったのでしょうか?

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  5. 評価:3.000 3.0

    面白いけども

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    法医学漫画からこちらに。面白いけど、面白いと思っている自分が嫌になる。勧善懲悪、と言うよりも歯には歯を。超能力レベルの異才を駆使して、警視庁エリートが悪い人を成敗していくんですが、仕置人という日本特有のストーリーはもう古い。すでに書いておられる方もいますが、日本にまだ極刑が残っている事実を世界がどう見ているか、漫画のレベルでももっと気をつけた方がいいと思います。裁くのは人間でしょうか。ギロチン廃止になった国の戦いを漫画にできないものでしょうか。

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  6. 評価:3.000 3.0

    小説を書く人は読んでください

    これは、必読!

    萩尾望都さんも相当なエピックドラマの作家ですよね。個人的には、大島弓子にまさる独創性・作家性の女性作家はいないと決めてしまっていますが、萩尾さんや竹宮さんのドラマ性は稀有なものと思います。池田理代子さんのドラマトゥルギーはまだ大河ドラマとか、バリー・リンドンとか、昔のコスチューム演劇に近いものがあって、漫画としての利点は感じないのだけれど、萩尾さんは漫画そのもの、多分他の媒体ではこのドラマチックは出ないね。小説を書く人は読んだ方がいい。

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  7. 評価:2.000 2.0

    あさきゆめみしに劣らぬ外国人顔

    こんな高い額とギリシャ彫刻の目鼻、特にノルマン特有の四角い顎、これで封建時代の日本と言われても誰も信じないし、作者自身、自分の作っている世界を信じていないとしか思えません。

    池田理代子のフェミニズムは70年代に特徴的なもので、民主主義的な知性の加熱が生んだ高学歴で急激な教養主義的再教育を受けた女性が描いたバイポーラーな理想の自分。半分男で半分女、女王であり愛のスレイヴ。それだけを女と信じる人がどうやって女性の歴史を紐解けるだろうか。

    力と愛、政治と愛の弁証法について、池田理代子はどこまで考えたんだろう。愛は政治で、権力のみが感情を生み出す、しかし、権力以上の権力がある、それは信仰だ。。。その意識が紫式部を導いていたけれど、池田理代子にはそんなものはない。いつまでも、高度経済成長日本のサブカルチャー的教養に裏打ちされた「女の生きにくさ」を唱えているよう。

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  8. 評価:3.000 3.0

    正編を20年前に読みました

    外伝、スピンオフ。。。そんなものがいっぱい出ていてびっくりしました。池田理代子さんが作画をしていないというのは、指でも痛められたのでしょうか。元々のオル窓はとても情熱的な話で、実際にヨーロッパに住むと、池田さんの教養がいかに図書館的かということはわかります。ただ一つ、日本の戦後の民主教育は少女漫画で花開いた、ということは確か。オルフェウスの窓は大きな業績でした。スピンオフは必要なかったと思うけれど、ここから源泉に戻る人もいるかもしれない。

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  9. 評価:3.000 3.0

    昔の漫画らしい

    吉野朔美に似てますね。羞じらいを含んだ斜に構え方。少年まんがで育って、かつ知的な環境にいる人なんでしょう。日本の都会と郷里の田舎の狭間で、自分の女を重荷にしてしまった。傷つきやすさ全開で、いつまでも若いな、と感心する反面、若い間にフィクションではなく、本物の異国に行って、住んで、自我を鍛えて欲しい、と思う。

    吉野さんが早く逝きすぎたからね。

    こんなガラスのハートから、どんな本当のストーリーテラーが生まれるか、見せてくださいよ。

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  10. 評価:3.000 3.0

    さすが人気作品、良くも悪くも

    かがみくんのキャラがいい。作家の観察眼と才能が遺憾なく発揮されている。

    おそらく、連載するうちに主役カップルに人気が集まって、読者の気持ちを汲んだ作画・展開になったのだと思います。連載のいいところと悪いところですね。でも、読者の意見を反映しつつシナリオが作り変えられる「連載」は、日本の漫画産業で完成して、アメリカのミニシリーズドラマの形式に輸出されたフィクション形式。作家を責めてはいけません。ここには何の個人的価値観も、理想も、メッセージもありません。全て、大多数の読者の自己イメージです。

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