3.0
旦那がヘタレ!どヘタレ!!!
貧しいながらも妹と弟とあたたかい家庭をいとなんでいたヒロイン。が、非情にも2人を事故で失い、生きる気力を奪われてしまう。
そんな彼女の前に、不思議な人物が現れてこう告げる。
妹さんと弟さんに会いたいですか?と。
異世界憑依ものの導入としてはまずまずなんですけど、この話、めちゃくちゃ鬱になります。
小説の中のキャラクター、メルヘンとして目覚めたヒロインを待っていたのは、過去に惚れてた相手の遺児2人を引き連れて現れたポンコツ夫、アインズでした。
この男、流産したてのメルヘンを慰めるわけでもなく、何をしてくれるわけでもありません。それどころか、片想いしていた相手が亡くなったので、残された双子をいきなり連れてくるわけです。
しかも、一言の相談もなく、ですよ?信じられます?オマエの辞書には報連相という言葉はないんか?!と襟首をガクガクしたくなる。
ただ、このアインズもかなり酷い環境で成長しており、本来育てるべき社交性とか情緒とか、思いやりとかをまったく身につけずに生きてきてしまったため、同情すべき点はあります。子を亡くして泣き叫ぶメルヘンに、胸を痛める最低限の優しさ(嫌味)は持っているのです。持ってるだけですけど。
ただ、この物語のすごいところは、割と初っ端で連れてこられた子ども達が、過去失ったヒロインの妹と弟の憑依相手?生まれ変わり?だと明かされるところです。何という力技。てか、もうこれで終わっても良いんじゃね?ぐらいの勢いw
この漫画、どうしようもないヘタレポンコツな男主人公が、子どもたちやメルヘンとの関わりを通じて、ゆっくりとですが人としての思いやりや優しさ、愛を知っていくというのが見どころです。悲惨な生育歴のせいで対人スキルは壊滅的ではあるものの、もともと根は優しい人ではあるので、徐々に頼り甲斐のある、妻子をしっかり守れる一人前の男になっていきます。
ただねー、これホント、序盤はイライラするんですよ、もう…まさに、メルヘンにとってアインズは産んだ覚えのない長男状態なんですよね。私は無理ですわこんなタオパンパ以前のポンコツ亭主……お子たちがめちゃカワなので読み進められてたけど、それがなければキツすぎた。
でも、山場である51話を超えると、だいぶ、アインズも良い旦那さんになってます。気長に、ヘタレでも頑張る旦那さんを応援したい方にお勧めです。
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夫の好きな人の子供を育てることになりました