5.0
とにかく!!美しい!!ネタバレ有!
血の繋がりはなくても、自分を我が子のように育ててくれた家族達とつつましくも平和に暮らしていたステラは、命じられて怪物の花嫁として王宮に召し上げられ、そこで「怪物」ラビと運命的な出会いを果たします。
ラビは800年前に、当時の国王であった実の父親によって乙女の生き血をむさぼる吸血鬼にされ、以来、誰とも心を通わせる事なく、孤独と絶望に苛まれて生きてきました。
そんな彼の前に現れたステラという少女は、とにかく、破天荒なまでに明るく前向きで、生きることに倦み疲れていたラビの心を、ゆっくりと溶かしていきます。
やがて、彼の心の中には、恋情という名のステラへの執着が生まれ始めていくのでした……
もう、この作品は序盤から美しいわ色っぽいわ、風景からドレス、小物の細部まで繊細やらで、私の心をズキューン!と撃ち抜いてくれました。これは名作の匂いがするでぇ…!
主人公のラビ様もとんでもなく素敵なんですけど、当て馬候補(言い方よ…)のエリオス王太子殿下ももう、とてつもなくカッコいいのです!タラシだけど!笑
ステラを連れ出そうとするエリオスから彼女を取り戻したラビ様の目つきが、読んでるだけでもゾワッとくるくらい迫力と色気があり、悶絶必至です。
それに何と言っても、ヒロインのステラちゃんがもう…もう、良い子で…!健気で!可愛くて!オバちゃん飴ちゃんあげたるわ、って言いたくなるくらいの天使な女の子なのです。
ラビに吸血されても命を落とす事なく、ちょっとムラッとくるだけで済んでいるのは、ステラ自身も知らない秘密がありそう。
ラビはなぜ父親からそんな酷い仕打ちを受けねばならなかったのか。ステラはなぜ血を吸われても無事なのか。
王室はなぜ、そんな危険なラビを始末もせずに800年も隠し続けるのか。
その謎解きもですが、ラビ、ステラ、そしてエリオスの三角関係も非常に気になる。
美しくて危険で、繊細でなまめかしい恋のお話。
最後まで、じっくりと堪能したいと思います。
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花秘める君のメテオール