5.0
胸が苦しい…涙無くして読めなかった
11話なので比較的すぐ読み切れる。そして定期的に読み返してしまう作品。
物語の中では、誰が正しくて、何が正解かは描かれていない。モヤモヤした読後感を抱く人も少なくないかもしれない。
画風はゆるやかでシンプルだけど、とにかくストーリーと、そこから伝えられるメッセージが、私にはずっしりと感じられる。
シンプルな描写だからこそ、想像力が掻き立てられ、より感情移入してしまう。
揺るぎなくそこにあった、父が娘を思う愛情と、深い深い悲しみを痛いほど感じて、涙無くして読めない。
さくらが、封印し続けてきた自分の気持ちや記憶と向き合い、気づくくだりではさらに涙腺爆発。
必死だった母の事情も理解できる。
父と母と娘が、三者三様の心の傷を抱えながら、それぞれの日々をこれからどう歩むのかは描かれていない。
後日談を知りたいような、知りたくないような。
どうか、3人の心の傷が癒える日が来ますようにと願ってやまない。
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