5.0
息をもつかせぬ展開
以前読んだ時から相当経っていたので新鮮に楽しく読めました。
キレイな絵で読みやすく、意識世界の描写は圧巻。スピード感ある展開で、長めのストーリーですが、一気に読んでしまいました。
超能力者同士の戦いと言ってしまえばそれまでですが、人間が扱いきれない異能の者を人間が作り出したというところにヒューマンSF不変の「人間とは」というテーマがあると思います。
ただ、ラスト付近の主人公のトラウマについては、一応ヒトである敵を倒すために必要な理由付けだったのかもしれませんが、それまでそんなトラウマに関する描写は一切なかったのでかなり取って付けたように感じました。
人間を自らの手であやめるのを躊躇するのに理由付けなんて不要なのでは?と思います。
いろいろ書きましたが、とても面白いダークSF。多少グロい描写はありますが、同系統の男性作家のものに比べると、エログロくないのもオススメです。
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ES