2.0
ホラーに向かない
非常勤の教師が、周りから疎まれている女子生徒の相談に乗ったら、その子がとんでもない地雷だった、という話。
主人公の教師は、本気で生徒を救おうとしたわけではなく、彼女の問題を解決できれば本採用の可能性がある、という打算から行動しており、そのあたりのリアリティーは買えた。
また、主人公が理想に燃える教育者ではないゆえに、彼が酷い目に遭わされても、読者としてはあまり心が痛まない。
その点も、気軽に読める、という意味ではよかった。
ただ、こういう言い方は本当に申し訳ないのだが、ホラーとしては、絵が致命的ではないかと思う。
ホラー小説、ホラー映画、ホラー漫画、もちろん、それぞれによさがあるが、ホラー漫画の強みというのは、やはり「絵」がもたらす一撃の破壊力ではなかろうか。
(その点、押切蓮介なんかは、基本は軽い印象の絵なのに、本当に凄いと思う。)
この漫画には、ホラーとしての強さを感じさせる絵が、全くない。
というか、この絵柄で、それはちょっと無理だと思う。
この作者は、「恨まれ屋」という別の漫画でも、絵柄が「恨み」というドロドロしたテーマに合っていない、と感じたが、今回もまた然りだった。
絵の上手い、下手、以前の問題として、合っていない、というのは、私はどうしても受け入れられない。
ホラー漫画は、特に、である。
-
5
エリカ