2.0
図鑑のほうが遥かに楽しい
深海水族館なる施設で働く清掃員が主人公の生き物漫画。
私自身、生き物は好きで、深海の生物とて例外ではないのだが、あまり楽しめなかった。
まず、私は深海生物に特別詳しくもないが、この漫画で紹介されている知識は、知っていることばかりだった。
つまり、作品の含蓄レベルが浅い。
また、現実の生物を扱っていながら、明らかな「嘘」があるのも考えもので、例えば、ダイオウグソクムシを餌の匂いで釣ってタイミングよく「飛ばす」なんて芸当はまず不可能だ。
何年も絶食するような生物だっつーの。
こういうエセ科学みたいなものが私は嫌いで、それならまだ、超能力で深海生物を操る、という設定のほうがマシである。
決定的なのは、生き物に対する愛着の深さを、作品からあまり感じられなかった点だ。
別のアプリの漫画との比較で恐縮だが、例えば「秘密のレプタイルズ」という漫画からは、爬虫類に対する偏執に近いほどの愛情を感じた。
新鮮な情報もない、正確な知識もない、生物への愛情もない、それなら、図鑑を眺めているほうがよほど楽しい。
だいたい、本物の図鑑には、情報と知識と愛情が詰まっているかんな。
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マグメル深海水族館