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作品レビュー
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371 - 380件目/全498件

  1. 評価:2.000 2.0

    中立のようで、違う

    死_刑囚との面会を基にして描かれた漫画。

    メディアで報道される凶悪犯たちのイメージと、実際に会って話してみた彼らの実像のズレ、みたいなものが、テーマのひとつになっていると思う。
    ある部分、報道によって勝手に犯罪者のイメージを作り上げてしまうマスコミや、それを鵜呑みにする社会に対する警鐘にもなっていて(正解にはなろうとしていて)、自分の目で確かめるまでは、中立であろう、という意志は、評価されるべきかもしれない。

    しかし、実際、この漫画が中立であるかと言えば、違う。

    淡々としたタッチだが、このスタンスの作品ならば、もっと淡々とすべきだと私は思う。
    もっと冷徹に事実を見つめようとすべきだと思う。
    少なくとも、「出会った死_刑囚の中に悪人はいなかった」という作者の弁には、私は拭えない違和感を持った。
    何をもって悪とするか、という難しい話は抜きにしても、それはかなりの部分、作者の「印象」と、「本当の悪人などいないのだ」というような信条に裏打ちされたものではないか、と疑ったからだ。

    確かに、彼らは別に、人間の域を逸脱したモンスターではないのだろう。
    マスコミの報道が煽るのより、ずっと「普通の」人間なのだろう。
    しかし、その「普通の」人間が、どこでどう一線を越えるのか。
    それを、感情も印象も抜きにして、正確さと緻密さだけをもって語るのが、こういう作品の役目ではなかろうか。

    私はそう思うから、この作品も、おそらく作者が嫌悪するであろう上滑りのマスコミとそう変わらない、たちの悪いプロパガンダ程度にしか感じられなかった。

    • 4
  2. 評価:3.000 3.0

    松原タニシの生き方

    私は、松原タニシという芸人が全く好きではないし、申し訳ないが、面白いと思ったこともない。
    怪談の語り手としても、例えば同じ芸人の中山功太なんかと比べると、というか、比べる気にもならない。

    しかし、「事故物件住みます芸人」というポジションは、すごいと思う。
    そんなこと、なかなか出来るものではない。
    繰り返し、こういう言い方は申し訳ないけれど、自分が芸人として、大して面白くもなく、売りもないことを自覚して、それでも、「売れない芸人」から何とか抜け出すための必死の試みとして今のポジションを築いたのかと思うと、ちょっと胸が熱くなる。

    だから私は、松原タニシが語る怪談が本当だろうが嘘だろうが、どうでもいい。
    事故物件に住み続けている時点で、どんなほら話だって吹いていいくらいの権利はあると思うのだ。

    ただまあ、これが漫画として面白いかとなると、それはまた、別の話である。

    • 3
  3. 評価:3.000 3.0

    都市伝説の賞味期限

    漫画を単独で見れば、なかなかスリリングなサスペンスだとは思った。
    しかし、どうにも乗り切れなかったのは、やはり、本作が実際の都市伝説「This Man」をモチーフにしている、ということに尽きる。

    もともとの都市伝説「This Man」は、ざっくり言うと、ニューヨークの精神科医のところに「知らない男が何度も夢に出る」ということを相談した患者がいて、その人相を絵に描いたのだが、精神科医が同業者などから情報を得て調査すると、何と世界中にその男を夢に見ている人がいた、という話だ。
    それだけの話だ。
    この「それだけ」というのが、「This Man」という都市伝説の肝だったんじゃないかと思う。
    見ず知らずのはずの同じ男を世界中の人が夢に見ている、「それだけ」だからこそ、微妙に可能性がありそうというか、まさしく「信じるか信じないかはあなた次第」的なポジションとなって、都市伝説たり得たのだと思う。

    それが、この漫画のように「見た者に死を」とかなってくると、いやいや、そんなもんあるかいな、という話になってきてしまう。
    つまりこの漫画は、実際の都市伝説を題材にしながら、そこから話を広げたことによって、都市伝説が本来持っていた魅力を台無しにしてしまった、というふうにしか、私には思えなかった。

    おまけに、都市伝説「This Man」は、実はイタリアのマーケティングの専門家による一種のゲリラ・マーケティングだった、という「種明かし」がされており、正直、ネタとしても賞味期限切れである、という感は否めない。

    • 3
  4. 評価:2.000 2.0

    図鑑のほうが遥かに楽しい

    深海水族館なる施設で働く清掃員が主人公の生き物漫画。

    私自身、生き物は好きで、深海の生物とて例外ではないのだが、あまり楽しめなかった。

    まず、私は深海生物に特別詳しくもないが、この漫画で紹介されている知識は、知っていることばかりだった。
    つまり、作品の含蓄レベルが浅い。

    また、現実の生物を扱っていながら、明らかな「嘘」があるのも考えもので、例えば、ダイオウグソクムシを餌の匂いで釣ってタイミングよく「飛ばす」なんて芸当はまず不可能だ。
    何年も絶食するような生物だっつーの。
    こういうエセ科学みたいなものが私は嫌いで、それならまだ、超能力で深海生物を操る、という設定のほうがマシである。

    決定的なのは、生き物に対する愛着の深さを、作品からあまり感じられなかった点だ。
    別のアプリの漫画との比較で恐縮だが、例えば「秘密のレプタイルズ」という漫画からは、爬虫類に対する偏執に近いほどの愛情を感じた。

    新鮮な情報もない、正確な知識もない、生物への愛情もない、それなら、図鑑を眺めているほうがよほど楽しい。
    だいたい、本物の図鑑には、情報と知識と愛情が詰まっているかんな。

    • 4
  5. 評価:3.000 3.0

    前世という名の超能力

    異能、というか、ほぼ超能力系バトル漫画。

    新しいのは、能力が「前世」に依拠している、というところか。
    要するに、過去に実在した人間の才能を受け継いでいる、ということ。
    宮本武蔵が前世なら、剣術の才能がすげえ、とかそういうことである。

    設定自体はなかなか面白いのだが、いかんせん「才能」の内容がぶっ飛びすぎていて、序盤からちょっと冷めてしまった。

    宮本武蔵ならまだいいが、アルバート・フィッシュの才能を受け継ぐと食人によって超人的な肉体にパワーアップするとか、それはもう前世だとか才能だとかいうレベルの話ではない。
    単に実在の人物のイメージから飛躍した超能力に過ぎず、何だかなあ、と思ってしまった。

    まあ、「バトル向き」の才能に限定してしまうと、人選に難が出てしまうのだろうが、肝心のバトル自体にも、イマイチ魅力を感じなかった。

    • 3
  6. 評価:4.000 4.0

    両親を殺されて以来、雨の日限定で、人の背後に「殺_人の履歴」が見える能力を身につけてしまった主人公の少年と、殺_人者の肉を食べて生きている謎の少女の、変則バディー漫画。

    展開はスピーディーでスリリング、没入感はなかなか高い。

    面白いのは、二人の価値観や利害が、必ずしも一致してはいないところ。
    少年には、両親を殺した犯人に復讐するという大義があり、ノーマルな倫理観も持ち合わせているが、少女の方は人でなしもいいところで(多分、人じゃないんだろうけど)、例えば、たくさん人を殺した人間の肉のほうが美味しいからという理由で、平気で目の前の殺_人を看過しようとする。

    この二人の関係性がどう変化していくのか、弱々しい主人公がどう成長していくのかも、見どころだろう。

    • 2
  7. 評価:4.000 4.0

    異様な絵

    いわゆる「世にも奇妙な物語」的な作品。

    基本的に救いのないストーリーが特徴だが、何といっても凄いのは、その異様な絵である。
    漫☆画太郎から技術と滑稽さを取り払ったような絵だ。
    こう書くと「それじゃ何も残らないじゃん」と思われるかもしれないが。

    ホラー漫画以外では成立しない類の絵であり、こういう作品を読むと、特にホラー漫画では、上手い・下手以上に、「合う・合わない」が大事であることがよくわかる。

    • 2
  8. 評価:4.000 4.0

    二度の打ち切り

    少年ジャンプ史上、二度の打ち切り、というか、そもそも一度打ち切られて再開した漫画というのは、本作だけらしい。

    一人一人のキャラクターがよく立っていて、学生時代、大好きだった。
    「動」のガウェインと「静」のランスロット、激情の東堂院と執念の黒峰のカップル、謎の王煉、カッコよすぎる無敵のトリスタンなど、今でも鮮明に思い出す。

    後半はもう、小学生がドライバーで450ヤードかっ飛ばすとか、中学生が70ヤードをワンパットとか、120ヤード以内ならほぼ確実にチップインとか、バトル漫画のインフレに陥ってしまったが、「本格ゴルフ漫画」ではなく「ゴルフバトル漫画」としては、抜群に面白かった。

    多くの登場人物たちの背景にドラマがあり、作者が、一人一人のキャラクターに愛情を持って描いているのが伝わる漫画だった。
    彼らのバックグラウンドの描き方は、切なくて、でも重すぎない、少年漫画としては理想的なバランスだったと思う。
    特に、トリスタンの過去の物語は出色であり、大会後、ガウェインの飛行機を見送るトリスタンの表情には、心の底から感動した。

    星をひとつ引いたのは、やはり、二度の打ち切り、特に二度目の打ち切りによって放り出された多数の「描かれなかった」部分が、あまりに残念だったためである。

    • 2
  9. 評価:2.000 2.0

    いくらB級ホラーでも

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    オカルトホラーと人間ホラーのミックス版。
    最後まで読んだが、実に虚しい気分になった。

    私は、オカルトホラーならば、通常の意味でのリアリティーはまあ、そんなに要らないと思っている。
    そりゃそうだ、オバケのいる世界なら、ある意味、何でもありだ。
    しかし、オバケと対峙する人間の側の行動原理には、「それなりの」リアリティーはないと、冷めてしまう。
    「何でそこでそんなことするねん」という突っ込みどころは、ある程度まではホラーの「お約束」として看過できるけれど、この漫画のそれはいくら何でも度が過ぎていて、ほとんど苛立ちを感じるレベルである。

    さらに言えば、「通常の意味でのリアリティーは要らない」と前述したが、それは、オカルトならば、の話だ。
    恐怖の正体が人間となれば、話は別だ。
    住人が、大家を含めて、子どもから警官まで軒並み快楽殺_人者のアパート。
    そんなのあるわけねえのである。

    私は、人間の狂気に非常に魅力を感じるし、ある意味リスペクトしているとさえ思うが、こういう種類の、人間の狂気をナメているとしか思えない描写は、いくらB級ホラーといえど、はっきり言ってムカつく。

    • 4
  10. 評価:2.000 2.0

    ホラーに向かない

    非常勤の教師が、周りから疎まれている女子生徒の相談に乗ったら、その子がとんでもない地雷だった、という話。

    主人公の教師は、本気で生徒を救おうとしたわけではなく、彼女の問題を解決できれば本採用の可能性がある、という打算から行動しており、そのあたりのリアリティーは買えた。
    また、主人公が理想に燃える教育者ではないゆえに、彼が酷い目に遭わされても、読者としてはあまり心が痛まない。
    その点も、気軽に読める、という意味ではよかった。

    ただ、こういう言い方は本当に申し訳ないのだが、ホラーとしては、絵が致命的ではないかと思う。
    ホラー小説、ホラー映画、ホラー漫画、もちろん、それぞれによさがあるが、ホラー漫画の強みというのは、やはり「絵」がもたらす一撃の破壊力ではなかろうか。
    (その点、押切蓮介なんかは、基本は軽い印象の絵なのに、本当に凄いと思う。)
    この漫画には、ホラーとしての強さを感じさせる絵が、全くない。
    というか、この絵柄で、それはちょっと無理だと思う。
    この作者は、「恨まれ屋」という別の漫画でも、絵柄が「恨み」というドロドロしたテーマに合っていない、と感じたが、今回もまた然りだった。

    絵の上手い、下手、以前の問題として、合っていない、というのは、私はどうしても受け入れられない。
    ホラー漫画は、特に、である。

    • 4
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