rokaさんの投稿一覧

レビュアーランキング 1位

作品レビュー
投稿 724件 / いいね獲得 19,329件
話コメント
投稿 0件 / いいね獲得 0件
  • お役立ち順
  • 全ての内容
  • 全ての評価
並び順
ネタバレ
その他条件
評価
検索条件変更変更しないで閉じる

311 - 320件目/全498件

  1. 評価:3.000 3.0

    悲劇の顕示、みたいなもの

    同性愛の問題はいったん置くにしても、ある種の時代においては、誰かを失うということが、文字どおり、世界の終わりになり得る。
    それはしばしば、大人になってから振り返れば「何であんなことで傷ついていたんだろう」と首を傾げるような類の傷であったりするのだが、これはもう、完全に大人が間違っている。
    痛みや不幸なんて、その瞬間には絶対的なものだ。
    「何であんなことで」というその些細な傷こそが、その時代には、全てだったのだ。
    本作は、その部分をなかなかリアルに、またクリアに描いていて、そういう意味では、普遍的なものを表現し得ている作品だとは思った。

    ただ、ここは本当に難しいところなのだけれど、私は、ちょっと「悲劇の顕示」みたいなものを感じてしまって、それが鼻についたというか、イマイチ入り込めなかった。
    わかりやすく言えば、「ほら、こういうのって悲惨だよね、汚れた大人になってしまう前ならではの時代の悲劇だよね」というようなうるささを、どこかに感じてしまったのだ。
    この点は、正直どうにも作品に非があるようには感じられず、ただただ、申し訳なかった。
    作品と読者の相性というのは、とても微妙で、難しい。

    • 4
  2. 評価:3.000 3.0

    埋もれる

    ある日突然、ゾンビ化的なサムシングによって日常が崩壊する、という話で、当然、そんな話は全世界で掃いて捨てられるほど作られているので、作品としてどこで勝負するのか、という問題になってくる。

    本作のアイデンティティーは、主人公の女子高生が筋金入りのサバイバルオタクで、反則級のサバイバルスキルを持っている、という点と、終末観を敢えて漂わせない微妙に緩い雰囲気かと思ったが、いかんせんそれだけでは、あまりに手垢にまみれたこのジャンルの作品としては、弱い、という印象は拭えなかった。

    • 4
  3. 評価:4.000 4.0

    絶品シチュエーションコメディ

    同じ作者の「てっぺんぐらりん」を先に読んで、それがあまりに素晴らしくて、こっちに飛んできた。

    江戸の花魁が現代にタイムスリップする、という非常にわかりやすいシチュエーションコメディなのだが、これがまあ、滅法面白い。

    設定としてはとりわけ新しいものではないが、時代のギャップをどう笑いに落としこむか、というセンスが光るのと、一方で、江戸時代の人々が妙に現代に馴染んでしまっている可笑しみもあって、とても楽しく読めた。

    また、主人公の花魁が現代の中で「浮いている」様子が、話の筋としてだけではなく、絵柄としても表現されている、という巧みさには、思わず唸った。
    背景となる周囲の人々と異なり、花魁の姿だけは、浮世絵風の絵柄で描かれる。
    これは非常に漫画的な表現で、映画にも、小説にも、真似が出来ない。

    星をひとつ引いたのは、「てっぺんぐらりん」が超越的に凄すぎたのと、もうひとつは、本作のすぐ後で「女の園の星」を読んでしまったせいである。
    こういう評価はあまりフェアではないと思いつつ、「女の園の星」を通じて、私は、シチュエーションを作りこむタイプのギャグ漫画より、日常の中から笑いを拾う、という種類のギャグ漫画の方が明確に好きなのだ、ということに気づいてしまったのだった。
    そのあたりは当然、本作に責任はない。
    全ての作品の評価には、タイミングという運が関わっており、何もかもを客観的に判断し続ける能力は、私にはない。

    • 3
  4. 評価:3.000 3.0

    ライト版「犬神家の一族」

    昔懐かしいホラー漫画だと思って何となく読み始めたら、完全に「犬神家の一族」の少女版で驚いた。
    外部から連れ戻された村の名家の子、それとは別の三人の娘を巡る跡継ぎ問題と連続殺_人、血縁の秘密と因習。
    完全に横溝正史である。

    これをパクりと呼ぶかはまあ、微妙なところだが、ギリギリオマージュの範囲として、それなりに楽しめた。
    ただ、ここまでやるなら、もっと徹底して忌まわしい、おどろおどろしい雰囲気にしてほしかった気もする。

    • 4
  5. 評価:4.000 4.0

    メタファーとしての怪病

    マヨネーズの涙が出たり爪が唐辛子になったり、という「怪病」を主人公が解決する、というストーリー。

    基本は一話が短く、サクサクとテンポよく読んでいける。
    私はこういう形式の漫画がわりに好きである。

    「怪病」の設定自体は前述したように荒唐無稽だが、病の原因は、作品の文脈の中ではきっちり筋が通っていて、それが妙な納得感を与えてくれる。
    「病は気から」などと言うが、そのファンタジー版みたいな作品の着想は、なかなか面白かった。

    また、「設定だけは新しいけれど…」という作品が山のようにある中で、本作は、「設定以外」もパリッとしている。
    それを支えているのは、作品としての温かさだと思う。

    怪病に苦しむ人々の描き方に、とても愛情を感じる。
    考えてみれば、この漫画で描かれる怪病を患う原因なんて、私たちの多くが抱えているのではなかろうか。
    それでも、「そんなこと」で病気だなんて言っていられない、というような日々を、私たちの多くは送っているのではなかろうか。
    本作の怪病というのは多分に、我々が持ち得る様々な悩みや迷いや苦しみのメタファーなのだろうし、その患者たちへの優しさというのは、何とか日々を生きている人間そのものへの優しさのように感じられて、私は好感を持った。

    • 3
  6. 評価:4.000 4.0

    懐かしさと物足りなさ

    オリジナルの十年後、という設定。

    郷子が童守小学校の教師になっていたり、広がセリエAの看板選手になっていたり、あの「A」の再来もあったりと、オリジナルを読んでいた世代には、懐かしい。
    その中で、ぬ~べ~だけは何ひとつ変わっていない、というのも、またいい。

    ただ、ちょっと物足りなさを感じたのも事実だ。

    ひとつは、私が「いずな」を読んだせいである。
    あちらは青年誌なので、「大人向け」の恐怖がなかなか大胆に描かれており、ぬ~べ~とは違ってすっかり歳をとった私としては、「いずな」の後でこの少年向けのホラーに戻るのは、ちょっとしんどかった。

    もうひとつは、設定の懐かしさの割には、あまりノスタルジックな手触りがなかったことだ。
    まあ、これは私のないものねだりもいいところで、あくまで少年誌の連載である以上、オリジナルを知らない読者をターゲットにするわけだから、ノスタルジーなんて場違いなものになる。
    それはよくわかっているが、うーん、もう一歩かなあ。

    • 3
  7. 評価:4.000 4.0

    何て嫌なことを考えるんだ

    大切な人と死別した人間の前に、悪魔だか天使だかわからない少女が現れ、「24時間以内に人を3人殺せば、あなたの大切な人を生き返らせる」という契約を持ちかける、というストーリー。
    連作短編タイプの漫画である。

    「走馬灯株式会社」の作者が原作で、作画は別の人。
    この作画にちょっと癖があり、好みは別れるところかと思う。
    ただ、作品の雰囲気には、なかなか合っているのではなかろうか。

    話としては、スティーブン・キングの「ペット・セメタリー」的というか、ある意味で究極の選択、という感じのサスペンス。
    まあ、人間性を疑われるかもしれないが、私なんかは大して究極でもなく、そんなのサックリやっちゃうだろうな、と思う。
    ただ、この漫画の本質的な魅力はその設定ではなく、そこからの展開である。
    設定ネタ一本からすごいところまで広げる、というのは、おそらくこの原作者の得意とするところであって、「走馬灯株式会社」のときにも思ったが、この人は、本当に怖いことというか、嫌なことを考えるなあ、というのが率直な感想である。

    何もネタバレしたくない。
    気になる人は、是非読んでほしい。

    ただまあ、打ち切りっぽい終わり方はちょっと残念。
    もっと色々なエピソードを読みたかった。

    • 3
  8. 評価:2.000 2.0

    どうしても駄目だ

    モンスターパニック漫画。

    モンスターの造形は結構、迫力があって、なかなか魅せる。

    ところで、どういうわけか、見ているだけでムカついてくる顔の人って、いませんか?
    特に人相が悪いとか、あり得ないくらい不細工だとか、そういうわけではないのに、なぜか、なぜかですよ、もう、前世からの因縁か何かだとしか思えないくらい、見ているだけで殴りたくなってくるような顔の人。

    私にとっては、この漫画の絵が、そういう感じである。
    本当に申し訳ないのだが、どうしても駄目だった。
    モンスターの造形はいいのだけれど、人間の顔が、どうしても駄目だった。

    • 5
  9. 評価:4.000 4.0

    ギリギリの勝負

    小泉ジュンイチローや麻生タローが、国家の命運を左右するレベルの諸々を賭けて、ブッシュやプーチンや北の金将軍らと麻雀で対決する、という、何かもう色々な意味でギリギリの漫画。

    一応、麻雀を扱ってはいるものの、盲牌の際に指の力で表面を削り取って「白」に変える、という次元の技が炸裂する、麻雀漫画の皮をかぶったギャグ漫画なので、麻雀を知らない読者でも、ほとんど問題ないかと思う。

    各方面から苦情や圧力がなかったのか、ただただそれが気にかかる、実に下らなくて、楽しい漫画であった。

    • 3
  10. 評価:3.000 3.0

    入り込めず

    警察の扱わない事例を調査する、民間の科捜研の調査員を主人公にしたミステリ漫画。
    例えば痴_漢の冤罪とか、父親の死の真相とか、ストーカー被害とか、調査対象は多岐に渡る。

    民間の科捜研、という設定は新鮮だったし、ちょっとふざけたハードボイルド、という感じで面白そうだったのだが、イマイチ入り込めなかったのはなぜだろう。
    個々の事件の過程にも顛末にも、あまり感情を動かされることがなかった。
    合う、合わない、という言い方を安直にするのも気が引けるが、私は、どうにも駄目だった。

    • 4
全ての内容:全ての評価 311 - 320件目/全498件

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています