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作品レビュー
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21 - 30件目/全147件

  1. 評価:3.000 3.0

    余命○○アレルギー

    最初に謝罪しておく。
    以下に述べる内容は全て、私の性格が捻じ曲がっていることに由来するものであり、漫画に責任はない。
    申し訳ない。

    私は、「余命○○」という設定が、根本的に好きではない。
    だったら読むなよ、という意見はごもっともなのだが、死神、というトリッキーな主人公に惹かれて、思わず読んでしまった。
    結論としては、まずまず楽しめたのだけれど、「余命○○アレルギー」の私はやはり、イマイチ入り込めなかった。

    やはり、「余命○○」という設定だけでもう、私は駄目だ。
    繰り返し、素直な心をどこかに置き忘れて大人になってしまった私は、「そんなの感動するに決まってんじゃん」と思ってしまうからだ。
    他の作品名を明示するのは避けるが、例えば「○日後に死ぬワニ」とか、タイトルを聞いただけで、「ハイ反則ー」と思う。

    いや、感動はするよ。
    私とて人の子であるから、余命○○の人やワニが死に向かいながら生きているのを見て、感動はする。

    ただ、そういう感動が、私は嫌いだ。

    ひとつは、感動の押し売りをされているような気分になるからだ。

    二つ目は、そんな、どういったって感動するしかないような設定に頼って、恥ずかしくねえのかよ、と天邪鬼なことを思うからだ。

    三つ目は、余命を知って日々を慈しむ、という構図自体が、そもそも嫌いだからだ。
    これは、図式としては、恋人を失ってから「失って初めて気づいたよ」系のことを言う男に似ている。
    私はそれが、大嫌いである。
    そんなもん、先に気づいとけや、とほとんど憤怒すら感じる。
    そういう人間にだけは絶対にならないと決めて長い間生きてきたから、これは、変えられない。

    別に余命を宣告されようとされまいと、私たちは皆、緩やかに死に向かっている。
    それを、いついつがリミットですよ、なんてわかりやすく示してもらえないとクリアに生きられないなんて、ちょっと残念すぎないか。
    大切なのは、残り少ない命を知ってどう生きるか、ではなくて、どれだけ残りがあるかわからない命をどう生きるか、ということなんじゃないの、と、私なんかは思うのだけれど。

    • 9
  2. 評価:3.000 3.0

    ホラーとミステリの難しさ

    冥婚、という(現代日本の通常の感覚で言うと)奇妙な風習をモチーフにしたホラー漫画。

    実質、ホラー・ミステリ、というような感じで、初期の「リング」的というか、恐怖の正体を探る展開は、なかなか面白かった。

    イマイチ高く評価できなかったのは、ホラー漫画としての「画」のインパクトが薄かったのと、ホラーとしてはちょっと因果関係みたいなものがカッチリし過ぎているように感じたからだ。

    ミステリは大いに結構なのだが、そのアプローチは、意外と、ホラーとの相性は難しい。
    原因があって、結果があって、つじつまが合う。
    それは、ホラーとしては、微妙なのだ。
    わけがわからないことほど恐ろしいことは、ないからである。

    • 9
  3. 評価:3.000 3.0

    二つでひとつ

    ポケットモンスターじゃあるまいし、「白・黒同時発売」ってなあ…とも思ったが、まあ、それはいい。

    「黒」が「リング」系のホラー(あくまでオカルトありきのホラー)だったのに対して、「白」はそのオカルトの起源を描いた「エピソードゼロ」的な内容。
    こちらはオカルト的なホラーではなく、「現実」枠内のサスペンス。
    突っ込みどころに溢れているのは、「黒」に勝るとも劣らない。

    個人的には、「白」「黒」どっちから読んでも問題ないと思った。
    時系列を一本道にしてすんなり読みたいならば「白」を先に読むのがいいし、ちょっとモヤモヤを抱えつつ「この呪いの裏にはいったい何が!?」みたいな流れで読みたいならば「黒」を先に、という感じかな。
    まあ、もっともらしく書いたけど、どっちから読んでもそんなに変わらない。
    ただ、あくまで「白」「黒」二つでひとつの漫画、という気はする。

    • 9
  4. 評価:3.000 3.0

    設定に乗れない

    話としては楽しめた部分もあった。
    しかし、根本的な問題として、「高校生」という設定に、どうしても乗っかれなかった。

    金か友情か、というのがテーマとして成立しないとは言わないが、高校生にその葛藤、あるか?
    「カイジ」の世界ならわかる。
    他人の生命を踏みにじって自分をひどく汚して尊厳も見栄もかなぐり捨ててまで金を追求する人間がいくらでもいることは、別に理解できる。
    けれど、そういう人間としての烙印みたいなものって、高校生に押しつける必要があるものなのか?
    大人が子どもに負ける部分は色々あるが、そのひとつは、金の束縛から自由である、ということではないのだろうか?

    倫理的な話をしたいわけではなく、私はただ単に、その設定の違和感に馴染めなかった。
    まあ、現役の高校生が楽しく読んでいるなら、別にいいんだけど。

    • 9
  5. 評価:3.000 3.0

    キャラクターの完成度

    ストーリーはなかなか面白いのだが、漫画としての表現力(画力を含めて)が、それに追いついていない気がする。
    そこは、残念。

    ただ、朱鷺子というキャラクターは非常に独特で、今まで読んだどんな漫画の登場人物とも違っていた。
    他者への共感が欠如した、ある種のサイコパス的な人間だが、実のところ、異常なほど一本筋が通っている。
    読み進めれば読み進めるほど、彼女の哲学みたいなものが明確になる仕掛けになっていて、感心した。
    身近にいたらどう考えても関わりたくないが、漫画のキャラクターとしては綿密に計算し尽くされており、完成度は高いと思う。

    • 9
  6. 評価:3.000 3.0

    途上で

    本当に申し訳ないが、評価は半ば保留みたいなもので、私は途中20話くらいでドロップアウトした。

    もっと先まで読めば面白くなるのかもしれない、という感じもしないではなかったが、そこまで耐えられないくらい、私にとっては道中があまりに退屈だった。

    昔からそうなのだが、「長いこと辛いのを我慢すれば達成感がある」みたいなことが、私は苦手だ。
    だから山登りとか大嫌いだ。
    (山登りは別にそういうものじゃない、という意見もあるのは認めるけれど、私にとってはそういうものでしかない。)

    「途中はともかく」じゃなくて、途中が楽しくなきゃ駄目だろ、と思ってしまう。
    だって人生なんて、ほとんど「途中」なんじゃないの。
    知らんけど。

    この道中を退屈せずに進める人には良作なのだろうが、そこにほとんど何の魅力も見出だせなかった私には、頂上の見えない山登りのようで、苦痛でしかなかった。

    • 8
  7. 評価:3.000 3.0

    引っ張れる限界

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    壮絶ないじめを受けていた主人公が、ある日、一人の同級生によって救われ、彼と親友になるのだが、どうやらその親友がだいぶイカれているっぽい、という話。

    話としては嘘っぽいことこの上ないのだが、なかなか読ませる。
    親友の造形は、滅茶苦茶ながらも妙な迫力があって、よかったと思う。

    ただ、物語の吸引力の核の部分は、「親友がなぜ、そこまで主人公に執着するのか」という部分だと思うのだが、これだけで引っ張り続けるのはちょっと無理がある。
    主人公たちの出自の秘密とか、新キャラ登場とか、色々やってはいるものの、無理して広げようとしている感が強く、正直、私は途中で飽きてしまった。

    • 8
  8. 評価:3.000 3.0

    ライフ・アフター・夫の浮気

    夫に浮気された妻たちの体験談を漫画化したオムニバス。

    テンポよく、サクサク読める。
    漫画的な演出は少なく、特別にドラマチックではないのだけれど、よくも悪くも現実とは「そんなもの」なのかもしれず、そういう意味では、一定のリアリティーはあった。

    人生だから、嫌なこともある。
    パートナーに浮気されるなんて経験は、誰だってしたくはない。
    けれど、人生の全ての嫌な経験について大切なことは、そこから何を学ぶか、ということなのだろう(もちろん、それは簡単ではないのだけれど)。

    この漫画の登場人物たちは皆、夫の浮気から、何かを学んでゆく。
    それは例えば、新しい夫婦の関係性であったり、自分がどういう人間であるか(あるいはどういう人間になれるか)という発見であったり、相手がそもそも自分にとって本当に価値のある人間ではなかったのだという認識であったり。

    それを「学んだ」ことが、はたして幸せだったのかは、わからない。
    しかし、夫に浮気されようがされまいが、人生は続くのだ。
    その点、本作は、浮気をただスキャンダラスに描いた漫画ではなく、浮気された「後」の人生をどう生き抜くか、というテーマを一貫して綴っている。
    そういう意味で、「処方せん」というタイトルは、結構、的を射ているのかもしれない。

    • 8
  9. 評価:3.000 3.0

    浅いけれど

    凶悪犯の実録漫画。
    ひとつひとつのエピソードの掘り下げは浅く、ダイジェスト的な印象で、「核心に迫る」というような迫力はない。
    「アンビリバボー」の方が情報量は多いくらいだと思う。

    ただ、なかなか中立的な視点で「人間」としての凶悪犯を描こうとしているように思えて、そこはちょっと好感を持った。
    凶悪犯を、「異常な怪物」として排除したり、単純な悪役と設定したり、グロテスクな興味を煽ったり、そういうアプローチの方が漫画としてはやりやすいだろうが、それをしていない。
    「こんなひどい奴がいたんだよ、許せないよね!異常だよね!」という感じではない。
    「やったことは許しがたいが、彼らもまた、人間。いったいどこで歯車が狂ったのだろうか?」という語り口。
    そして、その答えは、わからない。
    その、わからない、ということをきちんと描いている気がして、そこは評価したいと思った。

    • 8
  10. 評価:3.000 3.0

    幼さを描くこと、稚拙であること

    タイトルから思いっきり「スタンド・バイ・ミー」なわけだが、パクリでは全くなく、オマージュというか、この作者なりの「スタンド・バイ・ミー」をやろうとした、という意図はわかる。
    それ自体は、嫌いではなかった。

    ただ、そうであるならば、どんな形であれ、ある種のノスタルジーを感じさせる作風にしてほしかったが、そこは成功しているとは言い難いと思う。
    これは絵柄のせいもある気がするし、「現代っ子」を全面に押し出し過ぎたせいもある気がする。
    が、決定的なのは、表現の稚拙さだ。
    当たり前だが、「幼い子どもを描く」ということと、「子どもを稚拙に描く」ということは、まるで別の話だ。

    私は映画「スタンド・バイ・ミー」が好きだし、スティーブン・キングの原作も読んだ。
    思えば、スティーブン・キングほど「子どもを描く」ことに秀でた作家をほとんど知らない。
    子どもの世界は確かに狭く小さいかもしれないけれど、決して浅くはないし、子どもは子どもとして地獄を抱えているのだ。
    何より、作品の中で子どもを描くことにおいて、子どもをなめない、ということ以上に大切なことはほとんどないと思う。
    そういう全て、キングは徹底しているし、この作品には明確に欠落している。

    まあ、スティーブン・キングと比べるのは酷だと言われればそうなのだが、言わせてもらえば、「スタンド・バイ・ミー」をやろうとした以上、そのくらいの覚悟はしとけ、と思う。

    • 7
全ての内容:★★★☆☆ 21 - 30件目/全147件

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