4.0
法医学と哲学
法医学、という分野に何の知識もなかったので、新鮮に楽しめた。
いや、むしろ、法医学に何の知識もなかった「けれど」楽しめた、ということに価値があるのかもしれない。
一話のエピソードは短めで、比較的ライトなミステリ調であり、いい意味であまり頭を悩ませずに、サクサク読める。
スーパー法医学者の桐山ユキは、冷たいようだが一本筋は通っていて、強い価値観というか、確固とした職業観念に基づいて生きていることを感じさせるキャラクターであり、なかなか魅力的だった。
「死んだら一人だよ。一人ずつ冷たい解剖台の上に寝かされる」
という台詞には、彼女の哲学が垣間見えたような気がして、結構グッときた。
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屍活師 女王の法医学