3.0
読み物として
都市伝説や心霊現象などの怪異を、編集部が調査する、という設定の漫画。
レポート形式で、実際の怪異の題材となった(真偽はともかく)写真が作中に添付されていたりする。
漫画として面白かったかと言われれば、正直、そうではないのだが、読み物の表現の形としては、アリかな、とは思った。
まあ、眉唾ものの話が多く、胡散臭いことこの上ないけれど。
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1位 ?
都市伝説や心霊現象などの怪異を、編集部が調査する、という設定の漫画。
レポート形式で、実際の怪異の題材となった(真偽はともかく)写真が作中に添付されていたりする。
漫画として面白かったかと言われれば、正直、そうではないのだが、読み物の表現の形としては、アリかな、とは思った。
まあ、眉唾ものの話が多く、胡散臭いことこの上ないけれど。
私は、松原タニシという芸人が全く好きではないし、申し訳ないが、面白いと思ったこともない。
怪談の語り手としても、例えば同じ芸人の中山功太なんかと比べると、というか、比べる気にもならない。
しかし、「事故物件住みます芸人」というポジションは、すごいと思う。
そんなこと、なかなか出来るものではない。
繰り返し、こういう言い方は申し訳ないけれど、自分が芸人として、大して面白くもなく、売りもないことを自覚して、それでも、「売れない芸人」から何とか抜け出すための必死の試みとして今のポジションを築いたのかと思うと、ちょっと胸が熱くなる。
だから私は、松原タニシが語る怪談が本当だろうが嘘だろうが、どうでもいい。
事故物件に住み続けている時点で、どんなほら話だって吹いていいくらいの権利はあると思うのだ。
ただまあ、これが漫画として面白いかとなると、それはまた、別の話である。
輪廻転生モノの異世界ファンタジー。
決して魅力のない漫画だとは思わなかったけれど、絵も、ストーリーも、信じられないくらい頭に入ってこなかった。
ちょっと申し訳なくなるくらいに。
例えば三島由紀夫を読んで脱落する中学生のような感じで、私は早々にリタイアしてしまった。
二十年前なら、違っていたかもしれない。
残念ながら、この漫画を楽しむには、私は歳をとりすぎたのかもしれない。
最近の個人的な「ぬ~べ~」ブームにより、オリジナル、「いずな」、「NEO」、そして本作、と読んできたけれど、この「S」は、ちょっときつかった。
オリジナルへの思い入れがあるせいか、「NEO」まではともかく、本作は正直、「これってぬ~べ~である必要あるのか?」と感じてしまった。
そろそろネタ切れの感もある。
まあ、私が「ぬ~べ~」を連続して読みすぎたせいかもしれない。
社会的に裁かれない悪人に、残忍な方法で私刑を加えるサイコ警察官を主人公にしたサスペンス。
グロテスクな表現が多いが、作画は綺麗で、安定感がある。
ただ、悪人を始末するサイコキラーという設定は、どうにも都合がよすぎる気がして、イマイチ入り込めなかった。
あとは、スピンオフと知らずに、元の作品を読む前に読んでしまったので、主人公のキャラクターが余計にわかりにくかったことはあるかもしれない。
漫画を単独で見れば、なかなかスリリングなサスペンスだとは思った。
しかし、どうにも乗り切れなかったのは、やはり、本作が実際の都市伝説「This Man」をモチーフにしている、ということに尽きる。
もともとの都市伝説「This Man」は、ざっくり言うと、ニューヨークの精神科医のところに「知らない男が何度も夢に出る」ということを相談した患者がいて、その人相を絵に描いたのだが、精神科医が同業者などから情報を得て調査すると、何と世界中にその男を夢に見ている人がいた、という話だ。
それだけの話だ。
この「それだけ」というのが、「This Man」という都市伝説の肝だったんじゃないかと思う。
見ず知らずのはずの同じ男を世界中の人が夢に見ている、「それだけ」だからこそ、微妙に可能性がありそうというか、まさしく「信じるか信じないかはあなた次第」的なポジションとなって、都市伝説たり得たのだと思う。
それが、この漫画のように「見た者に死を」とかなってくると、いやいや、そんなもんあるかいな、という話になってきてしまう。
つまりこの漫画は、実際の都市伝説を題材にしながら、そこから話を広げたことによって、都市伝説が本来持っていた魅力を台無しにしてしまった、というふうにしか、私には思えなかった。
おまけに、都市伝説「This Man」は、実はイタリアのマーケティングの専門家による一種のゲリラ・マーケティングだった、という「種明かし」がされており、正直、ネタとしても賞味期限切れである、という感は否めない。
同じ作者の「蔵のある家」という漫画を読んだときは、「情緒がある」という感想を持った。
特別にひねりがあるわけではないが、独特の雰囲気があって、しみじみとした味わいがあった。
ただ、本作については、いささか首をひねった。
この作者独特の空気感みたいなものが、十九世紀末イギリスのブルジョワ家庭、という舞台設定に、イマイチ合致していないような気がしたのだ。
そういう意味では、ちょっともったいない、という印象を抱いた。
異能、というか、ほぼ超能力系バトル漫画。
新しいのは、能力が「前世」に依拠している、というところか。
要するに、過去に実在した人間の才能を受け継いでいる、ということ。
宮本武蔵が前世なら、剣術の才能がすげえ、とかそういうことである。
設定自体はなかなか面白いのだが、いかんせん「才能」の内容がぶっ飛びすぎていて、序盤からちょっと冷めてしまった。
宮本武蔵ならまだいいが、アルバート・フィッシュの才能を受け継ぐと食人によって超人的な肉体にパワーアップするとか、それはもう前世だとか才能だとかいうレベルの話ではない。
単に実在の人物のイメージから飛躍した超能力に過ぎず、何だかなあ、と思ってしまった。
まあ、「バトル向き」の才能に限定してしまうと、人選に難が出てしまうのだろうが、肝心のバトル自体にも、イマイチ魅力を感じなかった。
前半は、かなり興味深く読んだ。
夫の浮気に悩む妻の心の微妙な動きが、なかなか繊細に、リアルに、表現されていると思ったからだ。
(ここからネタバレ)
しかし、夫の浮気相手が実は妻の友人で、こいつがとんでもない女で、しかも夫は浮気をしてすらいなかった、という展開には、私は冷めてしまった。
そりゃ、サプライズはあった。
あったけれど、この女があまりに圧倒的な悪役すぎて、主人公の夫婦は単なる「被害者」みたいな位置になり、漫画の文脈が、変質してしまったように感じた。
私は、何となく、主人公の夫婦が、お互いの悪を抱えて、それをいかに許し、乗り越えるのか、ということに注目していたのだと思う。
もちろん、それは勝手な期待なのだが、この展開になってしまうと、もう別の漫画じゃん、というか、何やらそこまで積み上げてきたものが崩れて台無しになってしまったように感じた。
要するに、裏切られたみたいな気分になったのだろう。
だってもう、夫婦が乗り越えなくてはならない問題なんて、ハナからなかったってことじゃん。
悪いのはこの女だけじゃん。
それがわかった後でも主人公はまた悩むけど、それは、何だかなあ。
冥婚、という(現代日本の通常の感覚で言うと)奇妙な風習をモチーフにしたホラー漫画。
実質、ホラー・ミステリ、というような感じで、初期の「リング」的というか、恐怖の正体を探る展開は、なかなか面白かった。
イマイチ高く評価できなかったのは、ホラー漫画としての「画」のインパクトが薄かったのと、ホラーとしてはちょっと因果関係みたいなものがカッチリし過ぎているように感じたからだ。
ミステリは大いに結構なのだが、そのアプローチは、意外と、ホラーとの相性は難しい。
原因があって、結果があって、つじつまが合う。
それは、ホラーとしては、微妙なのだ。
わけがわからないことほど恐ろしいことは、ないからである。
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