rokaさんの投稿一覧

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91 - 100件目/全151件
  1. 評価:3.000 3.0

    今となっては

    子どもの頃は、夢中でアニメを観ていた。
    ウォーズマンが一番好きで、でも子どもだから、ストーリーに流されて、やっぱり心のどこかでは主人公を応援しちゃうじゃんか。
    だから、キン肉マンvsウォーズマンとか、もうどういう気持ちでいたらいいかわからなくて、マジでハラハラドキドキできた。

    が、原作の方は未読で、この度、初めて読んだ。
    正直なところ、読まなくてもよかったし、読まない方がよかったかもしれない、とすら思った。
    残念だ。

    いくら子ども向けとはいえ、さすがにバトル漫画としては破綻しすぎている。
    こういう比較はフェアでないかもしれないが、例えば、ついこの前読み返した「幽遊白書」のバトルシーンと比べると、雲泥の差である。
    「子どもの頃だけ面白かった」漫画と、「今でも面白い」漫画の差異が、果たして「レベルの差」なのか、それとも「種類の違い」なのか、私にはイマイチ判断できない。
    ただ、いずれにせよ「キン肉マン」は、私にとっては、今となっては「残念な漫画」という以上の何物でもなかった。

    まあ、このあたりは、時代、という問題もあるのだろう。
    かつて少年漫画は、今よりもずっとずっと、「少年」だけのものだったわけだから。

    ただまあ、これだけたくさんの魅力的なキャラクターを生み出したことは、確かにすごいと思う。
    思うけど、思い出の補正をもってしても、これ以上の評価は出来ない。

    • 2
  2. 評価:3.000 3.0

    出発点と着地点

    「童貞あるある」みたいなネタを軸にした下らないトーンのギャグ漫画なのだが、作品の出発点としては、結構、志の高い漫画だったんじゃないかと思う。
    それは例えば、時代性をとらえたブラックユーモアとか、固定観念に対するアンチテーゼとか、社会の風潮に対して一石を投じるとか、そういうことだ。

    ただ、志を持って飛んではみたものの、作品としての着地点を上手く見つけられなかったような気がする。
    全く別のジャンルだが、「多重人格探偵サイコ」という漫画が陥った事態に似ていると思った。
    その志や、よし。
    だが、行く先は、と。

    別の道もあり得たと思うのだが、どうにも平凡なラブコメに帰着してしまった印象が拭えず、残念であった。

    • 2
  3. 評価:3.000 3.0

    作品と背景と

    鬼に魂を売って生き延びることを選んだ少年の物語。
    「幽★遊★白書」+「寄生獣」、というと、まあまあわかりやすいかと思う。

    決して退屈したわけではないが、登場人物の感情表現はいささか紋切り型で、特にモノローグについては、稚拙、という印象が拭えなかった。

    巻末の文章で、作者の親友が集団暴行によって命を落としたことが、本作の着想のきっかけになったことを知った。
    作者がこの作品にどんな思いを込めたのかも知った。
    だが、この点に関しては、私は作品の評価からは完全に除外した。

    作品とその背景というのは難しい問題だが、その背景でもって作品に対する評価を極端に変えることを、私は自分に許可していない。
    例えば、ミュージシャンがクスリをやっていることが判明してその曲を聴かなくなるとか、そういうのが私は嫌いだ。
    作品は、作品だ。
    どんな聖人君子が崇高な決意のもとに描いた漫画だろうが、どんなクズ野郎が適当に描いた漫画だろうが、作品は作品として純粋に評価すべきだ、というのが私の考え方である。

    この漫画が生まれたバックグラウンドには、なるほど、悲劇的なドラマや悲壮な決意があったのかもしれない。
    しかし、突き詰めればそれは、どんな作品にだって、あり得る。
    私たちがそれを知らないだけで。
    例えば、とことん下らないギャグ漫画を描いている作者の秘めた決意など、私たちが知る機会は基本的にない。

    作者が作品の背景を語ることを、否定はしない。
    仮に私がこの作者と同じ立場だったなら、やはり、書いたのではないかとも思う。
    しかし、思うのだ。
    本当に語りたいことは、作品の中で語るのが、作者の本分ではなかろうか。
    その意味で、この漫画がそれほど雄弁なものになり得ているとは、私には思えなかった。

    • 29
  4. 評価:3.000 3.0

    読み物として

    都市伝説や心霊現象などの怪異を、編集部が調査する、という設定の漫画。

    レポート形式で、実際の怪異の題材となった(真偽はともかく)写真が作中に添付されていたりする。
    漫画として面白かったかと言われれば、正直、そうではないのだが、読み物の表現の形としては、アリかな、とは思った。

    まあ、眉唾ものの話が多く、胡散臭いことこの上ないけれど。

    • 2
  5. 評価:3.000 3.0

    松原タニシの生き方

    私は、松原タニシという芸人が全く好きではないし、申し訳ないが、面白いと思ったこともない。
    怪談の語り手としても、例えば同じ芸人の中山功太なんかと比べると、というか、比べる気にもならない。

    しかし、「事故物件住みます芸人」というポジションは、すごいと思う。
    そんなこと、なかなか出来るものではない。
    繰り返し、こういう言い方は申し訳ないけれど、自分が芸人として、大して面白くもなく、売りもないことを自覚して、それでも、「売れない芸人」から何とか抜け出すための必死の試みとして今のポジションを築いたのかと思うと、ちょっと胸が熱くなる。

    だから私は、松原タニシが語る怪談が本当だろうが嘘だろうが、どうでもいい。
    事故物件に住み続けている時点で、どんなほら話だって吹いていいくらいの権利はあると思うのだ。

    ただまあ、これが漫画として面白いかとなると、それはまた、別の話である。

    • 4
  6. 評価:3.000 3.0

    漫画と年齢

    輪廻転生モノの異世界ファンタジー。

    決して魅力のない漫画だとは思わなかったけれど、絵も、ストーリーも、信じられないくらい頭に入ってこなかった。
    ちょっと申し訳なくなるくらいに。
    例えば三島由紀夫を読んで脱落する中学生のような感じで、私は早々にリタイアしてしまった。

    二十年前なら、違っていたかもしれない。
    残念ながら、この漫画を楽しむには、私は歳をとりすぎたのかもしれない。

    • 5
  7. 評価:3.000 3.0

    ぬ~べ~の必然性

    最近の個人的な「ぬ~べ~」ブームにより、オリジナル、「いずな」、「NEO」、そして本作、と読んできたけれど、この「S」は、ちょっときつかった。

    オリジナルへの思い入れがあるせいか、「NEO」まではともかく、本作は正直、「これってぬ~べ~である必要あるのか?」と感じてしまった。
    そろそろネタ切れの感もある。

    まあ、私が「ぬ~べ~」を連続して読みすぎたせいかもしれない。

    • 2
  8. 評価:3.000 3.0

    シリアルキラーの都合

    社会的に裁かれない悪人に、残忍な方法で私刑を加えるサイコ警察官を主人公にしたサスペンス。

    グロテスクな表現が多いが、作画は綺麗で、安定感がある。

    ただ、悪人を始末するサイコキラーという設定は、どうにも都合がよすぎる気がして、イマイチ入り込めなかった。

    あとは、スピンオフと知らずに、元の作品を読む前に読んでしまったので、主人公のキャラクターが余計にわかりにくかったことはあるかもしれない。

    • 7
  9. 評価:3.000 3.0

    都市伝説の賞味期限

    漫画を単独で見れば、なかなかスリリングなサスペンスだとは思った。
    しかし、どうにも乗り切れなかったのは、やはり、本作が実際の都市伝説「This Man」をモチーフにしている、ということに尽きる。

    もともとの都市伝説「This Man」は、ざっくり言うと、ニューヨークの精神科医のところに「知らない男が何度も夢に出る」ということを相談した患者がいて、その人相を絵に描いたのだが、精神科医が同業者などから情報を得て調査すると、何と世界中にその男を夢に見ている人がいた、という話だ。
    それだけの話だ。
    この「それだけ」というのが、「This Man」という都市伝説の肝だったんじゃないかと思う。
    見ず知らずのはずの同じ男を世界中の人が夢に見ている、「それだけ」だからこそ、微妙に可能性がありそうというか、まさしく「信じるか信じないかはあなた次第」的なポジションとなって、都市伝説たり得たのだと思う。

    それが、この漫画のように「見た者に死を」とかなってくると、いやいや、そんなもんあるかいな、という話になってきてしまう。
    つまりこの漫画は、実際の都市伝説を題材にしながら、そこから話を広げたことによって、都市伝説が本来持っていた魅力を台無しにしてしまった、というふうにしか、私には思えなかった。

    おまけに、都市伝説「This Man」は、実はイタリアのマーケティングの専門家による一種のゲリラ・マーケティングだった、という「種明かし」がされており、正直、ネタとしても賞味期限切れである、という感は否めない。

    • 3
  10. 評価:3.000 3.0

    雰囲気と違和感

    同じ作者の「蔵のある家」という漫画を読んだときは、「情緒がある」という感想を持った。
    特別にひねりがあるわけではないが、独特の雰囲気があって、しみじみとした味わいがあった。

    ただ、本作については、いささか首をひねった。
    この作者独特の空気感みたいなものが、十九世紀末イギリスのブルジョワ家庭、という舞台設定に、イマイチ合致していないような気がしたのだ。
    そういう意味では、ちょっともったいない、という印象を抱いた。

    • 2

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