4.0
どこに着地するのか…
ヒロインのローズ(本名は違うらしい)に共感出来るかどうかが、ひとつの分かれ道かなぁと思います。
馬鹿な真似をしてしまった両親を救うため、想い人でもあった英雄を手にかけるよう強要されたローズ。結果、与えられた毒薬は飲ませることが出来ず、けれど英雄エゼカエル様の視力を奪ってしまう…
その贖罪として、正体を偽って彼の使用人として誠心誠意尽くす。けれど、当然のことながら彼は彼の視力を奪ったローズを心底憎んでいて。
けれど、視力を失った彼はローズが仇と気付かず、献身的な彼女を愛してしまう…、という…。
エゼカエル様への罪悪感、思慕、いろんな感情を抱えつつ、真実を告げられず、ずるずる関係を続けてしまうローズは不誠実と言えるでしょう。
でも、彼女の立場だったら、他にどうしようもないんじゃないかな…、とも思う…。
私は、ヒロインの過ちは許されざるものだけれど、彼女自身のことはそれほど嫌いになれません。加害者が抱える苦しみを、まるごと抱えて向き合っていると思うからね…。
本来だったら、彼に仕えようなんて戻ってくるべきではなかったね。逃げて、捕まって、仇として処罰されるのが、エゼカエル様にとっては気持ちのいい展開だったのかも。
けれど、「ローズ」の存在が無かったら、人としての尊厳すら、取り戻すことは出来なかったかもしれない…。
ローズのおかした罪があまりにも大きすぎて、けれど「ローズ」へのエゼカエル様の愛情もあまりにも大きすぎて、本当にどこに着地するのかわかりません。
彼女の罪は暴かれるのか、憎まれるのか、愛されるのか、許されるのか処されるのか…
辛いけれど、気になります。
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盲獣の終わらない夜