5.0
とっっっても良い
「嘘が聴こえる」という特殊能力を持ち、そのため周囲に嫌われ、異分子として生き辛さを抱えていた鹿乃子ちゃんと、そんな彼女をまるのまま受け入れ、助手として雇う左右馬先生の探偵物語。
古きよき昭和初期を舞台に生きる登場人物たち、その繋がりがとても温かいです。
かしましかったり頼りなかったり、融通がきかなかったりケンカっぱやかったりかったり、それぞれに困った側面を持ちつつも、「嫌」と思う人がいない、人物描写の丁寧さや優しさも良ければ、綺麗で心地よく、説得力のある絵柄もとても好き。
何より真っ直ぐで一生懸命な鹿乃子ちゃんと、甲斐性なしで飄々としているものの、鋭い観察眼と優しい心を持つ左右馬先生のキャラクターがとても素敵です。
「嘘が聴こえる」鹿乃子ちゃんを通して、嘘の見分けのつかない普通の人々の方が特別に見えてしまったりして。作者様の目の付け所もすごいな、と思うのです。
無料に気付くのが遅れて、まだ半分も読めていませんが、毎日楽しく読ませていただいています。
こんなに温かくて優しくて、心地よい物語があったのだなぁ...。今、一番大好きです。
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嘘解きレトリック