4.0
気が滅入る
忠実に、よく描かれた作品だと思います。だからこそ気が滅入る。
知識がないと軽度知的障がいや境界知能、軽度の発達障がいって少し勉強が苦手なだけ?少し集団生活苦手なだけ?って、見分けにくいですよね。
幼児期は療育が受けやすくても学童期に入ると一気に支援が減る。療育を受けたからといって特性がなくなるわけではない。特性を受け入れ支援級、障がい者枠での就労が幸せなのか、支援の手を借りずに生きていくのが幸せなのか、正解が分からないから本人も家族も悩む。
軽度知的障がいや高機能自閉症の子の学習支援をしていた事があるので、ケーキを平等分ける問題が解けない子がいるというのもよく分かります。他にも、高度な計算問題はよく出来るのに、非常に簡単な問題で躓いてしまう凸凹などもよくあります。
非行や犯罪に走る人が全て障がいを持っているわけでは決してありません。知能が平均に届かない人が全て障がいがあるわけでもありません。しかし生き方に困っている、生きにくい人達が犯罪に手を染めない社会が実現したら…と思います。
犯罪を起こした人が実は障がいをもっていた。だからその犯罪が許されるわけでも被害者が諦めなきゃいけないわけではなく、障がいを早期に認知してその人にとって最適な環境作りをしていかなければならないなぁと思いました。
-
1
ケーキの切れない非行少年たち