5.0
「嫌いになります」の本当の意味は?
「僕のことを嫌いになってくれたら なりますよ 恋人」と言われたら、普通は諦める。でも、若菜はそうせずに、佐山郁のことをよく見て、自分の意思で「嫌いなところ」を探そうとする…この時点で、このヒロインに軍配!好きな相手と真剣に向き合おうとする若菜を、彼女の友達になったつもりで、大々的に応援したくなってしまいます。
とにかく、ブレない二人がいい!若菜には、津田くんというイイ感じの同級生が近寄ってきますが、やっぱり佐山くん一択。そして、訳あって無理難題を課した佐山くんのほうも、何だかんだ言って、若菜に誠実に向き合っている…この二人がくっつかなくて、どーするんだ?少女漫画。
登場人物は必要最低限に抑えられており、この手の作品にありがちな横槍ライバル女子が、珍しく出てこないので、イライラもやもやがほとんどありません。その分だけ、若菜がますます佐山くんを好きになっていく様子や、若菜によって、佐山くんが自分を肯定できるようになっていく姿が鮮明になり、作品を深いものにしています。
若菜の「嫌いになります」の本当の意味は、「嫌いになるくらい、もっとよく佐山くんのことを知ろうとします」でした。知れば知るほど、好きになっちゃったんだけどねー。久しぶりに気持ちよく読めるピュア恋物語、星5で絶賛おすすめします。
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嫌いになります、佐山くん!