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「アデリエンの詩」が示唆するもの
実の父親から虐げられて育ってきた公爵令嬢マクシミリアン。彼女が吃音であることは、決して本人の努力不足のせいではありません。現代日本の基準なら、確実に断罪されるであろう父クロイソ公爵も、この世界では強き権力者なのだから、どうにも手に負えない…⤵️
物語の大きな柱は二つ。リフタンとマクシーのどうにもむず痒い拗らせ両片想いの行方と、自己肯定感・自己有用感皆無のマクシーの、自立と成長の軌跡というところでしょうか。無骨ながらも真っ直ぐに向けられるリフタンからの愛で、美しく花開いていくマクシーの姿には、目を奪われっ放しとなります。また、アナトールの役に立ちたいと必死で魔法を勉強する様に、彼女の人間としての成長を感じます。まさに愛と成長の物語。
ところで、タイトルを「オークの樹の下」とした理由が気になっています。はじめは、カリプス城にあるオークの木のことかと思っていましたが、実はもっと深い意味がありそう…。「アデリエンの詩」に登場する英雄ウィグルとオークの樹の精の伝説が、リフタンとマクシーに重なって仕方ありません。二人が幸せになる結末しか受け入れたくないけれど、「アデリエンの詩」が二人の未来を示唆しているとすれば…この先、まだまだ試練の日々が続きそうです。どうぞ甦ったオークの樹の下で、幸せな二人の姿を見られますように。
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オークの樹の下