4.0
母なら誰もが願うこと…
勝手な想像ですが、読者が母親かそうではないかによって、この物語の印象や感想は、ずいぶん違ってくると思います。そして、ほとんどの母親が、2度目のチャンスを与えられたエリサの動向を、固唾をのんで見守っていることでしょう。なぜなら、どの母親も我が子との接し方、向き合い方を、多かれ少なかれ後悔しているはずですから…。
「1度目」のエリサに、子供たちに対する愛情がなかったとは言いません。エリサなりに、子供たちの幸せを考えていた、ただ、その幸せの源を、権力に見出そうとしたところが、彼女の過ちでした。「2度目」のエリサは、言葉でも愛情が伝わるように子供たちに接し、自信をもたせ、生きのびる力を自分自身で身に付けさせようとしています。皇妃さまならずとも、子育てをしている母親として、大切な姿勢だと、個人的に思いました。
実際の世界では、転生してのリセットは無理だけれども、そして、精霊の力は借りられないけれども、自分の意思で「修正」はできます。2度目の生で、思惑どおりに事を進めるエリサを横目で見ながら、現実世界で足掻いていこうと思います。
-
2
皇妃さまの育児論~2度目は失敗いたしません!~