5.0
骨太の「ざまぁ」物語見参!
「芋くさ」というから、どれだけ垢抜けない田舎娘なのかなと思って見てみれば、ヒロインアニエス、家の?親の?方針で、1世紀前の服装と風習を強いられて苦労している、完全な被害者。だから、悪役その1は、アニエスの両親。どうして、こんなアホなつるっ禿げ三角メガネ両親から、アニエスやポールみたいなめんこい子たちが生まれたのか、不思議不思議。
悪役その2は、ヒーローナゼルバートを陥れた、元婚約者の王女ミーアとその浮気相手のロビン。元々性格があまりよろしくない上に、劣等感に苛まれた二人が行った、ナゼルへの逆恨み断罪イベント。ワガママお姫様に、王様たちも打つ手なしってところが残念です。
他の「ざまぁ」作品と比べて、主役の二人がトントン拍子に上手くはいかない!という点が、この作品の骨太なところ。左遷された辺境の地スートレナでも、初めはなかなか受け入れられないし、その後も、王都からいろいろ横槍が入ります。でも、その都度二人で解決しながら、心を通わせ、絆を深めていく様子が、とてもよいのです。
さて、悪役1の両親はまだしも、問題は、悪役2でありラスボス的存在のミーアとロビン。何てったって、身分が上の王女とその配偶者だもんね。ただ、第一王子のベルトラン様が姿を現したので、少し突破口が見えてきたかも…。
ご都合主義ではなく、一つ一つ丁寧に足場を固めながらの、「ざまぁ」へのカウントダウン。見事成就の暁には、この上なくスッキリしそうです!
-
0
芋くさ令嬢ですが悪役令息を助けたら気に入られました