楠木ともり×田辺留依:「劇場版プロジェクトセカイ」インタビュー 寄り添う「ニーゴ」の魅力

配信日:2025/01/18 8:01

「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」に出演する楠木ともりさん(左)と田辺留依さん
「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」に出演する楠木ともりさん(左)と田辺留依さん

 人気スマートフォン向けゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(プロセカ)」の初の劇場版アニメ「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」が1月17日に公開された。劇場版は、完全オリジナルストーリーで、ゲームでは描かれていない“新しい初音ミク”が「プロセカ」のキャラクターたちと出会い、成長していく姿が描かれる。ボイスチャットツール「ナイトコード」を通して楽曲制作をしている音楽サークル「25時、ナイトコードで。(ニーゴ)」のメンバーの宵崎奏役の楠木ともりさん、朝比奈まふゆ役の田辺留依さんに、「プロセカ」や劇場版アニメについて聞いた。

 ◇学生時代からボカロ楽曲が好き!

 ーーボカロ楽曲は好きだった?

 田辺さん 学生時代からずっと好きです。

 楠木さん 私も! 高校の時、バンドでカバーしていました。同じ趣味の人たちが集まると、大体みんな教えるから、ボカロ楽曲縛りでカラオケを歌ったりしていました。

 田辺さん 私は「メルト」をきっかけにボカロ楽曲が好きになったので、ゲームでプレイできるのがうれしかったです。「プロセカ」は、書き下ろしの楽曲もすごく好きです。

 楠木さん 書き下ろしいいですよね!

 田辺さん ニーゴが歌わせていただく曲のちょっとダークな世界観が好きです。

 楠木さん 書き下ろし以外だと、私は「東京テディベア」が好きで、高校時代にカバーしていました。難しい楽曲なのですが、「プロセカ」では「Leo/need」が歌唱していて格好いいんです。私は闇系の曲が大好きなので、「ニーゴ」の楽曲も大好きです。憧れのPさんに書き下ろしていただき、それを歌えるなんて、こんな幸せなことあるんだ!と感じています。「プロセカ」は、今まで楽しんできた楽曲だけでなく、ストーリーにリンクした新たな楽曲もありますし、ボカロとの新たな出会いの場になっているようにも感じています。キャラクターたちが歌うことによって、元々ある楽曲のイメージとはまた違うようにも聴こえてくることもあって、歌う人によっても印象が変わるのも「プロセカ」の魅力だと感じています。

 田辺さん ボカロPさんの書き下ろし曲が歌えることもうれしいし、「ハロ/ハワユ」のようにずっと聴いていた楽曲をキャラクターとして歌えることもうれしかったです。

 楠木さん 自分が好きだった楽曲以外にも出会えることがあって、こんな名曲あったの!となることもあります。そんな出会いの場にもなっていて、新しい楽曲が楽しみになるんです。

 ◇助けること、音楽の重要性を描く

 ーー「ニーゴ」の魅力は?

 田辺さん ネットから発信していくっていうのがすごく現代的ですよね。自分たちが抱えている悩みがあって、それを発信することによって共感が得られ、つながりができてくるところが魅力だと感じています。

 楠木さん ユニットとして抱えている問題がすごく大きく、刺さる楽曲が多いんですよね。夢を追いかけているユニットが多く、自分たちが夢をかなえていくために歌っていますが、「ニーゴ」に関しては、誰かのために歌うことが多く、楽曲の資料を見ると、自分が救われる側か? 救う側か?というのが主な論点になっています。寄り添う、温める、照らす……などと苦しさ、悩みの部分に光を当ててくれるのが「ニーゴ」の魅力だと思っています。特に10代の多感な時期の人たちに、より一層刺さる楽曲が多いんです。

 ーー劇場版アニメは完全オリジナルストーリーになります。

 田辺さん どうやって物語を展開していくんだろう?と思っていたのですが、誰かを助ける、ミクを助けるということがテーマになっていることが印象的でした。これまでミクに助けられていたけど、今度は私たちが助けようとします。新鮮な気持ちで楽しく収録に臨みました。

 楠木さん 「プロセカ」は何を描いているのか?とゲームのいろいろな要素を因数分解していったようにも感じました。助けること、音楽の重要性が描かれています。

 ーー収録の様子は?

 楠木さん 「ニーゴ」のみんなで収録できました。ゲームは一人で収録するので、しっかり掛け合いができたことがうれしかったです。キャストが感じていることを柔軟に拾っていただける現場でした。

 田辺さん ショートアニメでも4人で収録したことはありましたが、ここまでじっくり収録するのは初めてでした。4人の空気感や熱量を感じながら、収録できたことが大きかったです。

 楠木さん 奏とまふゆは元々、声のボリュームが小さいので、一緒にリアクションを取った時、あれ?私たち、声がちっちゃいね……となったり、距離感が少し難しいところもありました。ただ、何年も演じてきているので、ブレずにできました。

 田辺さん 安心感がすごくありましたよね。

 ◇音楽の持つ力、音楽がもたらす影響を表現

 ーー演じる中で意識していることは?

 田辺さん 学校の友人や、先生やお母さんとしゃべる時は、ハキハキと明るくしゃべっています。セカイでのまふゆは、自分の中で話を完結させてつぶやくようなイメージで演じています。

 楠木さん 奏は、口数が少ないけど、一つ一つの言葉を大切に届けようとする子です。声は小さいのですが、微妙なニュアンスで伝えようとします。分かりやすく記号化するのではなく、そのニュアンスを表現しようとしています。

 田辺さん 4人の性格はそれぞれ違うんですよね。絵名は軸がしっかりしているので、気持ちをはっきり伝えてくれて言葉の中に優しさもあります。瑞希はムードメーカーのようにその場を明るくしてくれて、行動の中に優しさがあります。

 ーー劇場版を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

 田辺さん みんなで一つになってミクを救いたいという思いの強さを感じることができるはずです。曲も大きな魅力です。それぞれのユニットによって楽曲の伝え方、届け方が全然違います。「ニーゴ」はこれまで、寄り添うことを前面に出しています。自分も苦しいからこそ分かることがあって、寄り添うことができる。そういうところにも注目していただきたいです。

 楠木さん 自分たちのそばにある音楽とはどういうものなのか?と音楽の持つ力、音楽がもたらす影響をストーリーに絡ませながら表現しています。ボカロや「プロセカ」のことをよく知らなくても、音楽を好きな気持ちがあれば、楽しめる作品にもなっています。ぜひ、注目してください!

提供元:MANTANWEB

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