ソムタム田井のコスプレリポート:「バイオRE:4」チャイナドレスのエイダのレイヤー 艶やかに魅せる
配信日:2025/01/11 21:01
コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿で紹介するのは、2024年9月26~29日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」で見つけた、「バイオハザード RE:4」のエイダ・ウォンに扮(ふん)するつやぴかゆっけさん。
「バイオハザード」シリーズのように長い歴史を誇るゲーム作品はコスプレ界隈でも人気が高く、イベントでも扮するレイヤーを見かける機会は多い。2025年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催予定で、それらの会場にも同作のキャラクターやクリーチャーに扮したコスプレーヤーが続々集結することが予想される。
ちなみに「バイオハザード」のコスプレといえば、衣装はもちろん、ハンドガンやナイフといったさまざまな武器を用意して、作中の名シーンを再現する……というのも取り組む上での醍醐味だが、TGSでは持ち込める小道具の大きさや形状に規制がある。そのため、つやぴかゆっけさんは持参するアイテム選びにこだわったという。
「TGSでは持ち込める小道具の大きさは50センチまでなので、エイダを象徴する武器であるクロスボウが使えなくて……。それに代わる小道具としてランタンを用意したんですけど、これがなかなかいい仕事をしてくれました。ポーズのバリエーションも増えたので、持ってきてよかったです」
衣装は自作で用意したもので、制作時にはフィット感や色味のバランスなどにも気をつけたと話す。
「衣装は細部までこだわり、型紙から柄入れまですべて手作りで制作したものになります。実際に作ってみて感じたことですが、こちらの衣装はエイダの体を美しく艶やかに見せるよう考え抜かれた、本当に素晴らしいデザインですね。たとえば、陰陽のマークのように赤い布と黒い布が交わっていますが、胸から始まったカーブがちょうどへその真上あたりを通ることで脚がとても長く見えますし、その線が腰の脇ではなく右ももの前にくることで、歩く際に脚線美が強調されるようになっているんです。こんなに素敵な衣装を身に纏うからには、妥協は許されない……と思い、自分の体にぴったりフィットさせて。そのうえで赤と黒の布の面積がゲーム画面と同じ比率になるように、仮縫いを何度も行って、理想の型紙を制作しました」
アクセントとなる刺繍には、独自のアレンジを加えたという。
「ゲーム本編では、衣装の柄は金の刺繍になっていますが、今回は見た目の華やかさを優先してステンシルで表現しました。花々をつなぐ蔦や、黒い布の腰あたりから脚まで伸びる流紋は、自分で型を作ってデザインしたものになります。かなり手間暇がかかりましたが、こうして多くの方に見ていただけて本当にうれしいです」
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB