【推しの子】:茅島みずき、つらい記憶を呼び起こして演じた黒川あかね役 映画は「とてもびっくりする結末」
配信日:2024/11/24 7:01
芸能界を題材にした大人気マンガをドラマと映画で映像化する「【推しの子】」で、黒川あかねを演じる茅島みずきさん。あかねは、自身とは「正反対」な部分もあり、「似ている」と感じる部分もある役だったという。ネットの誹謗中傷に悩まされるあかねを演じるにあたり、自身のつらい記憶も呼び起こしたという茅島さんに話を聞いた。
◇監督にお願いして納得いくまで撮影
「【推しの子】」は、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の赤坂アカさんと、「クズの本懐」などで知られる横槍メンゴさんが共同で手がけたマンガで、累計発行部数は1800万部以上(今年8月時点)。昨年と今年放送されたテレビアニメも話題となった。伝説的アイドル・アイがのこした双子の兄妹、アクアとルビーの物語。アクアはアイ殺害の黒幕への復讐を誓い、ルビーは母に憧れアイドルを目指す。
オファーがある前から原作のファンだったという茅島さん。「初めて読んだ時はこんなにも芸能界のリアルを表現する作品があるんだ!と驚きました。出てくる子たちの抱えている悩みとか分かる!とすごく共感できて、赤坂先生すごいなって……。芸能の友達の中でも読んでいる子が多くて、話題になっていたので私も読み始めたら、ドはまりしました(笑)」。
多くのファンがいる作品ゆえに「ドラマ&映画化の責任感はすごくありました」と力を込める。「プレッシャーはもちろんありましたが、原作のいちファンとして、どういう風に映像化されるんだろうっていうワクワクの気持ちが強くて、オファーをいただいて、すぐやりたいです!とお返事しました」。
演じるあかねは、舞台を中心に活躍する役者。役を研究し尽くす憑依型の演技で高い評価を得ており、「天才女優」と称される。あかねが劇中で役を演じることもあり、茅島さんがあかねを演じ、あかねが役を演じ……と複雑な役だ。
「すごく難しかったです……」と苦笑いしつつ、天才女優を演じることについては「あかね自身は、自分のことを天才だと思っていないので、あまり天才女優という部分にはとらわれなくても良いのかなと思って。“自信があまりなくて、お芝居を真摯(しんし)に頑張っている子”ということを意識して演じました」と振り返る。
役作りは、原作と台本のあかねを指針にしながらも「実際に演じてみると、想定していた感情とは違う感情になる時もありました。その際は監督に相談しながら演じていきました」と語る。あかねの見せ場の一つに、アクア(櫻井海音さん)の前で、アクアの母アイを憑依させるシーンがあるが「とても難しかったので、監督にお願いして自分が納得いくまで撮っていただきました」と言い「齋藤(飛鳥)さんが演じたアイを参考にするため、齋藤さんの動画を見せていただきながら撮影しました」と明かした。
◇自身にとってのライバルは
あかねは「性格は自分とは正反対」な人だという。「私は根が明るいタイプなので、内気なタイプのあかねとは性格面では似ていないかなと思います」と述べつつ、一方で「アクアに対しての愛情のような、誰かを大切に思う気持ちは共感できますし、女優として生きていく中での誹謗中傷は自分自身も経験があるので……」と、自身に重なる部分もあったと明かす。
あかねがネットの誹謗中傷に悩むシーンは、自身が誹謗中傷を受けた際の感情を呼び起こして演じたという。つらくはなかったのか?と尋ねると「そうですね……あまり思い出したくないことも思い出して演じました」と吐露した。
あかねは役作りの際にノートをとるが、その姿勢も「似ている!」と思った部分だった。「私も、役作りで絶対ノートが必要なんです。一回紙に書き起こさないと、頭の中が整理できず、うまくできない。今回もノートは作りました。(原作の)あかねの印象的な表情を貼って確認したり、原作と台本を読んだ時の感情をなぐり書きでいっぱい書いたりしていました」。
あかねには、俳優としてのライバル・かな(原菜乃華さん)がいるが、「あかねにとってのかなちゃんみたいな“ライバル”と意識した方はいないです」と述べつつ「ライバルは自分自身」と言い切る。
「演じる前に難しいシーンがあると、できないかもしれないって不安に襲われるんです。そんな自分に打ち勝てた時に良いシーンができるので、そういう自分との葛藤ですね。(今作では)泣くシーンが多かったのですが、泣きのお芝居は得意ではないので、前日は全然寝られなかったですね……(笑)」とにこやかながらも、苦労を明かした。
ドラマ&映画「【推しの子】」はAmazonと東映による共同プロジェクトで、ドラマの第1~6話が11月28日午後9時から、第7~8話が12月5日午後9時からPrime Videoで世界独占配信される。そのドラマの続きを描く映画「【推しの子】-The Final Act-」は12月20日に全国公開。
映画については「言えないことだらけ」の内容だといい「びっくりすると思います。とてもびっくりする結末だったので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」とアピールした。
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