雨宮天×伊藤美来:アニメ「がんばっていきまっしょい」インタビュー(2) 「うん」「あはは」に込めた思い
配信日:2024/10/14 8:02
インタビュー(1)の続き。実写映画化、ドラマ化もされた敷村良子さんの青春小説が原作の劇場版アニメ「がんばっていきまっしょい」(櫻木優平監督)が10月25日に公開される。愛媛県松山市を舞台に、ボート部に青春をかける女子高校生の成長や、心のゆらぎが描かれた名作。アニメは、主人公・村上悦子役の雨宮天さん、悦子の幼なじみの佐伯姫役の伊藤美来さんら豪華声優陣が出演することも話題になっている。雨宮さん、伊藤さんに同作への思いや収録の裏側を聞いた。
◇針の穴を通すように演じる
ーー悦ネエは最初、諦めがちで、けだるそうにも見えるのが印象的です。変化していくキャラクターでもあります。演じる中で意識したことは?
雨宮さん いわゆるアニメ的なアプローチみたいなものは少し減らし、喜怒哀楽をしっかり分かりやすく伝えるというよりは、リアルなお芝居を突き詰めていきました。言い方が難しいのですが、音に頼って分かりやすくしすぎると、それは悦ネエ、私がイメージするこの作品から外れる気がします。「うん」というセリフが多いのですが、出汁やスパイスで変えていき、「うん」のリテークを自分から申し出ることもありました。
ーー普段とは違うアプローチだった?
雨宮さん そうですね。準備はするのですが、準備しすぎるのではなく、収録で生まれるものを大事にしたかったので、方向性や演技プランを固めすぎないで、収録に向かいました。すごくやりがいがありました。収録が難航したり、叫ぶセリフがたくさんあったわけではないのですが、小さな針の穴を通すように集中し続けていたから、終わった時はヘトヘトで、疲労感がものすごかったです。
ーー伊藤さんは?
伊藤さん 自然な感じや作品自体の少し実写に近いテンポ感や雰囲気を大事にしようとしました。ヒメには「あはは」という口癖があって、いろいろな「あはは」があるんです。可愛く言っているところもあれば、コミュニケーションの中で自然に可愛く言っていたり、ちょっと引いていたりします。ヒメはコックスなので、掛け声も頑張りました。ボート部のみんなは最初はちゃんとできていなかったけど、後半はいっぱい練習してできるようになり、最初と後半で全然違うものにしようとしました。コックスの掛け声で追加のセリフもありましたし、掛け声に注目していただけるとうれしいです。
◇松山の応援を受けて「頑張らなきゃ!」
ーー映像を見た感想は?
伊藤さん 3Dならではの動きは、キャラクターが本当に生きているような感覚があって、背景もリアルで美しくて、松山に自分がいるような気分になって、没入できる感じがすごいと思いました。皆さんにも体験してもらいたい感覚です。音もすごかったです! 花火の音がすごくて、絶対に劇場で聞いてほしいです。目の動きもすごいんです。みんなの目の中に海があるような輝きが美しくて、ここにみんながいるんだ!と思えるんです。眉からも感情が伝わってくるところもあって、実写に近い感覚の作品です。
雨宮さん 何てキレイなんだろう!と圧倒されました。大きな画面で見ると全然違うんですよね。体験させてくれるみたいな感覚のある作品になっています。臨場感のある作品だなと思いました。
ーー雨宮さんは実際に松山に行ったそうですね。
雨宮さん 私が行った2日間はあいにくの天気ではあったのですが、アニメでは本当にそのまま松山を描いているんです。劇中に出てくる喫茶店もそのままですし、実際に行くと、見た景色がそのままだ!といっぱいなると思います。初めて松山に行ったのですが、アニメを見ると自然だらけかな?と思ったのですが、自然と都会的なところのバランスがいい街でした。個人的に、みかんがすごく好きなので、みかんジュース飲み比べも楽しかったです。種類がいっぱいあって、推しみかんを見つけたりもして、普通に楽しんでいました。また行ってみたいです。
伊藤さん 私は行ったことがないので、この機会に行きたいです。みかん好きですし。
ーー地元でも愛されている作品です。
雨宮さん いろいろなところにポスターが貼られてあって、街全体で応援してくれているので、頑張らなきゃ!と思いました。
伊藤さん 見てみたいですね! 松山の方々とも触れ合いたいですし、名産も食べたいですしやりたいことがいっぱいです。
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