さよならララ:キャラクターデザイン・谷紫織インタビュー 一筋縄じゃいかないキャラ 多面的であることが伝わるように
配信日:2026/07/25 10:01
キネマシトラスの15周年記念作品となるオリジナルアニメ「さよならララ」。童話「人魚姫」を題材としたアニメで、人魚姫ララが200年の時を経て、現代の琵琶湖によみがえる。キャラクターデザインの谷紫織さんに制作の裏側を聞いた。
◇一見すると意外に感じる要素も
--今作で担当したことは?
キャラクターデザインと、キャラの衣装や茉里の家の中のデザインなどのキャラクター関連のプロップも担当したりしてます。
--企画の立ち上げから参加していたそうですが、どのような経緯で今の形になった?
さまざまな人に見てもらうにはどういうテーマがいいか? 主人公や時代、テーマなどいろいろ試行錯誤したのち、ある日突然人魚姫モノになりました。私は企画の立ち上げ時、バディーものが良いとアピールしていましたが、そういった要素も自然に入ってきました。琵琶湖を駆け抜けて過去とか未来に行く話とか、そういう今作に微塵も残っていないような話などもあり、企画の最初期は少し混沌としていた印象です。オリジナルアニメであるゆえに、何だって形にできる一方で、枠が広すぎて監督は迷っているのかな?と感じていました。しかし、今思えば最初期から、軸には琵琶湖がありました。
--キャラクターデザインで表現しようとしたことは?
ララが200年前から蘇ってきた人魚姫であることが絵からも伝われば良いなと思い、ちょっと昔の作風を意識しました。一方で、舞台が現代の滋賀・琵琶湖である意味もデザインから伝わるようにしたくて、茉里は現代の普通の女子高生に見えるようにしてみてます。絵柄のテーマとしては、現代の視聴者にとって見やすいデザインのラインを探したいと思っていました。私たちがアニメの絵を見るとき、なぜある作品では昔っぽく見えるのか、逆になぜ今っぽく見える作品があるのか。そういったことを考えつつ、今作にとってちょうどいいバランスを見つけるために、昔の絵と現在の絵をたくさん研究しました。
--少し懐かしく感じる映像も魅力です。キャラクターデザインで表現しようとしたことは? デザインで「これだけは外せない」と考えていたことは?
キャラクターが多面的であることがデザインからも伝わったら良いなと思い、一見すると意外に感じる要素を一つ入れてみてます。ララはお姫様なので上品で可愛いビジュアルでまとめつつ舌に縫い目を入れることで、見た目だけでは分からない一面がある子に見えたらいいなとか、茉里にはボクシンググローブと十字架という力強さを感じさせるものと、愛の象徴みたいなものを共存させてみたり。一筋縄じゃいかなそうな感じが伝わってればうれしいです!
◇「このキャラクターならどうするか」を大事に
--逆に「これはやらない」と決めていたことは?
以前、脚本の川原(杏奈)さんもこちらのインタビューでお話しされていましたが、安易な決めつけを描かないということです。自分自身、男の子だからこう、女の子だからこう、といった固定的なイメージでキャラクターをデザインすることが苦手です。例えばすごく極端な話ですが「女の子だからスカートを履かせる」という発想だけで考えてしまうと、そのキャラクターが持っているはずのほかの可能性を狭めてしまう気がします。なのでまずは「このキャラクターならどうするか」ということを大事にして、すでに出来上がっている脚本やコンテからヒントをもらいながらデザインしていました。
今作に登場するキャラクターは私より年下の子が多いですが、描いている側は大人なので、子どもの未熟さを描く時にもそれがただ「子どもを馬鹿にしている表現」になっていないかは意識していました。ギャグ顔一つをとってもキャラクターへの敬意が失われていないか、見る人にどう伝わるかを考えています。そういう部分は、言葉にしなくても絵から伝わるものだと思うので、描くもの全てを尊重して向き合うようにしていました。
--この作品ならではの挑戦になったことは?
何度かキャラクターデザインのお仕事をさせていただいてますが、いつも「この作品でしか見ることができない表現」を生み出すことを意識して挑戦しています。さよならララはテレビシリーズですが、パイロット映像を出したときに映画じゃないか?と言ってもらえることが多かったです。そういった一般的なテレビシリーズのデザインラインから少し離れた表現を、テレビアニメという枠の中でどう成立させるかということは、今回ならではの挑戦だったように思います。実際に放送されてどのように受け取っていただけているのか今でもドキドキしています。
--キネマシトラスの設立15周年記念作品です。キネマシトラスの魅力をどのように考えている?
一言では難しいですね(笑)。たまにこういう謎のアニメを作ってるのはいいところだなと思います。
--最後にメッセージをお願いします。
いちアニメーターとして、どうしたら今作を知ってもらえるのか、そのためになにを頑張ればいいのかをいつも考えてました。最近は見てくださった方々の感想や描いてくださったファンアートをきっかけに興味を持ってくださる方もいて、本当にありがたいです。以降の話数もララたちは変化し続けます。これからもさよならララを楽しんでいただけたらうれしいです。
「さよならララ」は、毎週日曜深夜0時半にTOKYO MXほかで放送中。(阿仁間満/MANTANWEB)
提供元:MANTANWEB









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