モンスト:異色の音楽プロジェクト「モンソニ!」 ストーリーなき原点が生む無限の可能性 新フェーズへ
配信日:2026/07/18 8:01
人気スマホゲーム「モンスターストライク(モンスト)」の音楽をテーマとしたスピンオフプロジェクト「モンソニ!」。「モンスト」から生まれたキャラクターが音楽ユニットを結成し、楽曲の発表やライブなど多角的な展開を続けている。2024年に配信を開始したリズムゲームが9月15日をもってサービスを終了することから、存続を不安視するファンもいるようだが、実は、次なるフェーズに確実に歩みを進めているという。「モンソニ!」のプロデューサーを務めるMIXIの比奈本真さんに、紆余曲折あったという現在に至るまでの軌跡、未来について聞いた。
◇ゲーム以外でキャラクターの魅力を厚くする
「モンスト」は2013年10月にサービスを開始し、2025年12月時点では世界累計利用者数が6500万人を突破した大人気ゲームだ。「モンソニ!」は2017年に誕生し、「モンスト」でおなじみのキャラクターがバンドやアイドルユニットを結成し、オリジナル楽曲を発表してきた。3Dモデルによるバーチャルライブやリアルライブも人気で、ファンがペンライトを振るなどアーティストやアイドルのライブのような熱狂を生み出している。豪華声優陣がキャラクターを演じていることも話題になっている。7月11、12日には毎年夏恒例のイベント「DREAMDAZE IV(ドリームデイズフォー)」がTOYOTA ARENA TOKYOで開催され、多くのファンを魅了した。こうした「モンソニ!」の展開には、誕生以前の2016年に一つの原点となる動きがあった。
「2016年に『モンスト』のイベントで、白雪姫リボンというキャラクターのライブステージを行いました。当時はYouTubeでアニメを展開していて、ゲーム、アニメ、リアルイベントの3つを連動していく試みでした。その反響を受けて、生まれたのが『モンソニ!』です。新たな展開として音楽を掛け合わせることで起こる化学反応に可能性を感じました」
キャラクターを扱った音楽プロジェクトは数多くあり、オリジナルキャラクターを起点として、音楽、アニメなどメディアミックスを展開していくのが一般的だ。ほかの音楽プロジェクトでは、音楽展開を前提にしたキャラクターが起点になることが多いが、「モンスト」の既存のキャラクターは、そもそも音楽展開を前提としていない。「モンソニ!」は異質なのかもしれない。
「元々、『モンスト』には、いわゆる固定されたストーリーがありません。ストーリーがないからこそ、いかにゲーム以外の場所でキャラクターの魅力を厚くしていくか、というアプローチができます。その手段が音楽であり、アニメであり、そこで描かれるストーリーなんです。もちろん、『ストーリーの有無は関係ない』というユーザーの方も当然いらっしゃいます。とはいえ、そうした物語や音楽という要素があった方が、よりキャラクターを好きになってもらえますし、楽しんでもらえる土壌が広がる。原点にストーリーがないからこそ、無限に可能性を広げられる。そこは強みでもあります」
◇順風満帆だったわけではない
「モンソニ!」によってキャラクターにストーリーが生まれ、ユーザーはより愛着を抱く。2017年のスタートから約9年、「モンソニ!」は深化と進化を遂げてきたが、順風満帆だったわけではない。
「何一つ順調ではなかったと言えるかもしれません。コロナ禍という決定的な逆風もありました。音楽、ライブを展開したいのに満足にできないフェーズに突入してしまった。イベントができないと分かった瞬間、オンラインでファンの方々といかにコミュニケーションを取り、楽しんでいただける環境を作るかという課題にゼロベースで取り組まなければなりませんでした。それまで積み上げてきた“現地ならではの楽しさ”が一切使えなくなった瞬間は、一番つらかったです」
リアルイベントが封じられてしまったからこそ、オンラインならではの展開に注力できた。荒波に巻き込まれた経験が「モンソニ!」をより強くした。
「コロナ禍の2年間の経験は間違いなくその後に生きています。“オンラインならではの見せ方”の知見が蓄積されました。例えば、画面という共通のフレームがあるからこそ、ARなどの技術を使ってリアルと合成した3Dライブを効果的に見せることができる。オンラインで実現できる価値と、オフラインで実現できる価値、それぞれが違うものだと深く学べたのは大きかったです」
◇アプリ終了は“次のフェーズ”への布石
「モンソニ!」は2027年、10周年を迎える。10年にわたり継続することは、並大抵のことではない。なぜ、「モンソニ!」は継続できたのだろうか?
「一言でいうなら“音楽もの”という絶対にブレない一線を守り続けてきたからです。『モンスト』自体にはストーリーがないからこそ、本来は自由度が高い。そこにルールを設けるからこそ、独自の面白さが生まれる。『モンソニ!』における最大のルールは“音楽ものであること”です。もし、音楽と全く関係のないことをやり始めたら、存在意義そのものがブレてしまいます。マーケティングの考え方や方針が時代によって変わることはあっても、音楽を作らないということは絶対にない。今に至るまで、全員で貫き通せてきたことが、10年近く続けられた理由だと思っています」
6月8日、「モンソニ!」のリズムゲームが9月15日をもってサービスを終了することが発表されると、ファンの間に動揺が広がった。今後の展開を心配する声も上がっている。
「アプリの終了によって、終わってしまうんじゃないかと心配されている方もいるかと思いますが、そこは今後も変わらず続いていくので、安心していただければ。元々、アプリが始まる前からも『モンソニ!』は長らく存在していました。ある意味では、もう一度その段階に戻ったということです。ただ、当時と違うのは、この数年間で蓄積してきた知見や、新しく作り出してきたコンテンツという財産があること。これを生かして、さらに新しいことをどう仕掛けていけるか、という次のフェーズに入ったと考えています」
「モンソニ!」が終わってしまうわけではないということで、ファンは一安心してほしい。終わらないとなれば、“次のフェーズ”が気になるところだ。
「まだ何も言えないのですが(笑)。中長期的な目線で、仕込みをしています。我々の中に“ユーザーサプライズファースト”が染み付いています。基本的にこれまでと同じことはしたくないんです。こういう料理もあるんだと、常に新鮮な驚きを味わっていただきたい。いい意味で皆様の想像がつかない展開をこれからも届けていこうとしています」
アプリの終了を「一つの段階に戻っただけ」と前向きに捉え、蓄積されたパワーを武器に「次なるサプライズ」を画策する。ブレずに新鮮な驚きを届けようとする姿勢こそが、10年近くファンに愛され続けている最大の秘訣なのかもしれない。どんな“想像がつかない展開”を見せてくれるのか。期待が高まる。(阿仁間満/MANTANWEB)
提供元:MANTANWEB




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