子安武人×井上喜久子:「猫と竜」インタビュー 初の“親子”役 ずっと変わらない二人の安心感
配信日:2026/07/04 9:01
小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた人気のライトノベルが原作のテレビアニメ「猫と竜」が7月4日からTOKYO MX、BS日テレ、読売テレビ、AT-X、長崎文化放送で放送される。猫に育てられた竜、猫たちや人間たちが織りなす不思議な絆の物語で、心が温かくなり、少し切なくもなる人気ファンタジー。猫に育てられた竜の猫竜役の子安武人さん、猫竜を育てた母猫のママにゃん役の井上喜久子さんら豪華声優が出演することも話題になっている。子安さん、井上さんに「癒やされた」という収録について聞いた。
◇ぴったり!な猫竜とママにゃん
--作品の印象は?
子安さん バトルものとは違って、ほのぼのしていますよね。
--ほのぼのしている作品は好き?
子安さん そうですね。元々、「ムーミン」のスナフキンもしていましたし、僕の原点はそっちなので、童話っぽい作品は好きです。
井上さん 子安君はちょっとファンタジー感あるよね。
子安さん いやいや(笑)。
--井上さんは?
井上さん 原作を読んで、ファンタジーの中でも優しさがいっぱいあって、光に満ちていますが、まったりなりすぎないですし、バランスの取れた素晴らしい作品だと思いました。
--井上さんもほのぼのしている作品は好き?
井上さん 現実的なところもありますかね……。
子安さん (笑)。
井上さん 生活していく中で、あたたかくて優しい世界が自分のそばにあるのは、本当に幸せなことだと思います。自分自身は、ふと気がつくとぼんやりして、風と話してたりするのですが。共感しやすい世界でした。
ー-風ですか?
井上さん 「今日もいい天気だね、ありがとう」とかですね(笑)。人生についてなどは特には話さないんですけど。
--子安さんが猫竜、井上さんがママにゃんを演じると聞いた際の感想は?
子安さん 喜久子さんは本当にぴったりだと思っていました。「ママにゃん役は井上喜久子さん」と聞いて「そうだよね」とうなずくしかなかった。皆さんからすると、僕の方が、違和感があるのかな? 僕の中では全然普通なのですが、おそらく世間一般的な僕のイメージとは一致していないかもしれません。喜久子さんだと「夫婦じゃないの?」と思うかもしれませんし、喜久子さんから見れば、「息子なの?」と感じるかもしれませんね。とにかくうれしかったですね。やっぱりママにゃんを誰が演じるかは、非常に気になるじゃないですか。僕よりご年配の方なのかな?と思ったら……。
井上さん 17歳……年下でしたね(笑)。
子安さん まさか女子高生とは(笑)。サプライズでした。
井上さん 私はオーディションを受ける段階で、猫竜さんの声を聞いてたんです。子安君! 格好いい!!と思っていました。猫竜はただ格好いいだけじゃないんです。もちろん強さもあるけど、とっても優しいんですね。そして、大きくて、怖くもあります。大きな竜であったり、小さくなったり、その両方を演じるということで、子安君にぴったり!と思っていました。ある種の親子のような関係を演じられるのはうれしいですし、幸せです。
子安さん 夫婦役はあったけどね。
井上さん 何回かありましたね。親子は初めてですよね。
--長年の共演経験がありますが、お互いの役者としての印象は?
子安さん ほぼ同期なんです。僕は音響監督の斯波重治さんにお世話になっていて、新人時代に現場でよくご一緒させていただいていたんです。「らんま1/2」などもそうですね。ずっと変わらないですよね。ママにゃんにしてもご本人からにじみ出る優しさを感じます。
井上さん お互い、変わらないですよね。子安君は、休憩時間に私がふざけてお話しても、いつも聞いてくれますし。演技でもすごく安心感があります。
子安さん そうなんですよね。掛け合いをしていて安心感があるんです。
◇自然に「お母ちゃん」と呼んでいた
--収録の様子は?
子安さん 物語が進んできて「お母ちゃん」と言うシーンがあるんです。「お母ちゃん」って言っている自分がどうなんだろうと(笑)。その抵抗と、喜久子さんを「お母ちゃん」と呼ばなければならないダブルの抵抗があって、この壁を乗り越えて、お芝居をするのは大変かと思ったのですが、アフレコ自体はとても楽しくて、特にそんなことを感じる間もなく、「お母ちゃん」と言っている自分がいました。
井上さん そうそう。全然、自然だったよね。「ママ」や「お母さん」と呼ばれる役はありますが「お母ちゃん」と呼ばれてキュンとしたり(笑)。ママにゃんは肝っ玉母さんみたいなところもありますし、「お母ちゃん」と呼ばれるくらい愛嬌のあるお母さんなので、演じていて楽しかったです。子安君から「お母ちゃん」と呼ばれるのは、不思議な感じもありましたが、映像が素晴らしいので、気持ちを乗せていたら自然にできました。子どもの頃の竜は娘(声優の井上ほの花さん)が演じていまして、自分の子育てを思い出すようなシーンもたくさんありました。
--子安さんも息子(声優の子安光樹さん)がご出演されています。
井上さん 格好いいんですよ。
子安さん ただ、僕は出ていないシーンなんです。
井上さん 何の役だったの?
子安さん エルフなんです。(息子が)家に帰ってきてから話をしました。
--アドバイスをすることもある?
子安さん お芝居の方向性などを聞かれたときは話しますよ。家でお芝居の話は禁止ではないので、全然します。家族みんなで僕の出ている作品を見たり、ゲームも一緒に遊んだりしますしね。だから日常なんです。
井上さん 素敵ですね。
子安さん 今回のオンエアも多分一緒に見ると思います。
◇子安武人の「にゃにゃ」
--演じる中で意識したことは?
子安さん 作中で「おじいちゃん」や「おじさん」とも言われるので、少し渋いイメージがあるかもしれません。オーディションのときに、小さい子どもが大人を見て「おじさん」と思うレベルなんじゃないかなと思っていました。ママにゃんに育てられている兄弟の中では末っ子に近く、弟気質なところもあるので、渋い声にしてしまうと、ほかの方のバランスが取りづらいかもしれないと勝手に思っていて、おじさんであることはあまり意識せずに、そのままやれば、普通に「おじさん」と言われるものになると考えていました。
井上さん ママにゃんは見た目はピンクでもふもふの可愛らしい姿なんですが、実は内面は肝っ玉母ちゃんで、子供をしっかりとしつけます。いろいろな要素が含まれたお母さんであることを意識しました。子供の成長を強く考えながら生活をしていて、優しくするときは優しく、厳しいときは厳しく、怒るときは怒るし、ふざけるときはふざける。一般的なお母さんはみんなそうなんだろうなと思いつつ、豊かな感情を持ったママにゃんであろうとしました。
--魔法を唱える際は「にゃんにゃん」と猫語になる?
井上さん 猫語ですね。ママにゃんも魔法を唱えるシーンがあるんです。私、魔法を唱えるのって大好きなんです(笑)。「ぷりりん はるるん ぽわぽわりーん」という自分の魔法を持ってるぐらいでして。魔法じゃなくて、人を笑顔にする呪文ですね。
子安さん 笑顔にできていますよ(笑)。
井上さん ありがとうございます(笑)。魔法の言葉が大好きなので、ママにゃんとして言えたとき、すごくうれしくて。すごく楽しくやらせていただいてます。それに次回予告は猫語なんですよね。
子安さん 「にゃにゃ」とやっていて、毎回違うんですよ。日本語の台本があって、それを好きなように猫語でやっています。
井上さん 楽しくて仕方がないんです。人生半分を猫語でやりたいくらい(笑)。
子安さん 猫竜の猫語は、本人は猫じゃないので、猫とお話をする時は、まあ、僕が英語でしゃべるように、竜が猫語でしゃべるようなものなので、少し猫っぽくなくて、猫をまねているんです。一応、そこは考えていました。猫語に関しては視聴者の皆さんへのサービスだと思っていて(笑)。そう思わないと恥ずかしいから。言い終わった後の恥ずかしさったら。
井上さん ちょっと恥ずかしそうな子安君の「にゃにゃ」をみんな、うれしそうに聞いていましたよ(笑)。
子安さん 喜久子さんがやればご褒美じゃないですか。でも、僕は……。
井上さん いやいや、そんなことないですよ。
--最後にこの作品で“癒やされた”ところを教えてください。
子安さん 僕にバトルものの敵役のイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、「猫と竜」のように癒やされて、心が温かくなる時間が僕には特に必要だなと思いながら演じていました。毎回、フルカラーで映像ができている状態でアフレコをしていて、ありがたいですし、やりやすいし、スタッフさんたちの熱量や愛情も感じて、それに乗っかっていこうとしました。ほのぼのと、癒やされる時間をいただき、ありがとうございました。これでまた、敵役ができます(笑)。
井上さん 子安君も「この時間が長く続けばいいな」と言っていて、私も同じ気持ちで、毎回癒やされていました。永遠にここにいたいと思うくらいですし、気付きもある作品なんです。「十猫十色」という言葉が出てきますが、人でも猫でもいい人がいれば、悪い人もいる。みんなそれぞれ考え方も違うんですよね。いろいろなことを学んで、しっかりと生きていく。そんな教えも感じさせてくれるところが、素敵だと思います。
インタビュー中、子安さんと井上さんは終始、笑顔で、長年共演してきたからこその“安心感”や“優しさ”を感じた。アニメ「猫と竜」でもそんな“優しさ”や“癒やし”を感じるはずだ。(阿仁間満/MANTANWEB)
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