三瓶由布子×武内駿輔:テレビアニメ「キルアオ」インタビュー 13歳と39歳の十三 “おじさん感”をいかに作るか
配信日:2026/05/17 8:01
「黒子のバスケ」で知られる藤巻忠俊さんのマンガが原作のテレビアニメ「キルアオ」がテレビ東京系で毎週土曜午後11時に放送されている。“伝説の殺し屋”と呼ばれる39歳の大狼十三がある日、謎の蜂に刺されて13歳の姿になってしまい、中学校に通いながらさまざまな事件や殺し屋たちとのバトルに挑む……という“青春やり直し系”アクションコメディーで、原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2023~25年に連載された。13歳の姿になった大狼十三を三瓶由布子さん、39歳の大狼十三(大人)を武内駿輔さんがそれぞれ演じる。二人は13歳と39歳の十三をどのように演じているのだろうか。三瓶さん、武内さんに聞いた。
◇39歳の大人の説得力を
--三瓶さんと武内さんは、13歳と39歳の十三を演じることになりました。二人で一人のキャラクターを演じるというのは珍しい?
三瓶さん “過去と現在”ではなくて、現在進行形で二人が13歳と39歳を演じるというのは、ほかではないような感覚です。
武内さん 子供時代は別の方を演じることはあるけど、それとは違いますからね。
--お互いの演技を意識することは?
武内さん 打ち合わせはしていないのですが、第1話の収録でどういう感じになるんだろう?と当然見ていました。
三瓶さん そうですね。自分が出力するときに、感じたことを乗せられたらいいというのはお互いあったと思います。第1話で、武内くんの第一声は、リアルな大人、殺し屋としてのプロの雰囲気を感じていました。それと、わびしさですね。人生の寂しさみたいなものを受けて、自分の中でも体は子供だけど、決してチャキチャキしている若さとかではなくて、落ち着いていたり、疲れた感じを乗せることを考えました。「おじさんくささをちょっと出してください」「疲れた感じを」というディレクションもあったので、「はぁ……」というため息じゃなくて「ふぅー……」みたいな少し重さを出そうとしました。武内さんが演じる39歳の大人の説得力が子供になっても残すことができればと思いました。
武内さん 虚無感なのかもしれませんね。仕事を完遂するのは実のあることだと思うけど、満たされていない。自分自身も何か分かっていない虚無感がある。それがタバコを吸う頻度にも表れていますよね。そこが大人の十三のポイントになってくると思っていて、三瓶さんがくんでくださっていると感じていました。逆に、中学生になった十三のテンションの加減もくみとれるように、三瓶さんの演技を参考にさせていただきました。
--二人で作っていくキャラクターなんですね。
武内さん そうだと思います。キャラクターに対する解釈にズレがあったら、やっぱりよくないですし、合わせていきたかったんです。ただ、無理に変えずに、いい意味で自然に演じたかったので、その感覚を大事にしています。
--「これは外せない」というポイントもある?
三瓶さん 大人のまま中学生の中に入るエピソードもあるんですけど、中学生にノリノリで付いていってしまうのではなく、少し引いていて、乗り切れていない。面倒くさいからあえて乗らないところもあると思いますが、常に全力ではないという。少し距離を置くところがあると思います。ヒロインのノレンちゃんに対してもラブコメのようなドキドキする距離というよりは、お父さんと娘みたいな距離感ですし、事件が起きても少し冷静に判断しているところもあります。SNSのスピード感などの知らないことに対しては付いていけないけど、少し俯瞰しているような独特の距離感があるんですよね。
武内さん 僕はある専門学校を取材する機会をいただき、10代の子たちが多く、見ているとやっぱり同じテンションになれないんです(笑)。やっぱり一歩引いて見てしまうんですよね。僕自身、十三の気持ちを身をもって感じました。中学生は、十三が本当はおじさんと思って話しかけてこないわけじゃないですか。絶妙なテンションを求められているんです。
◇人生に疲れた感じを
--三瓶さんから見た39歳の十三を演じる武内さんの印象は?
三瓶さん 武内くんはお若いのに、あんなに哀愁のある大狼十三(大人)を演じていて、それがぴったりだし、本当に面白いんです。本当にすごいんです。難しいと思うんです。人生に疲れた感じに説得力がありますし。
武内さん うれしいです。ありがとうございます。
三瓶さん ギャグっぽく「中学生・中学生・おじさん・中学生」みたいになるシーンのテンションの上がり下がりも面白くて(笑)。
武内さん 十三もストレスがたまっていて、それが爆発しているようなシーンですしね。
三瓶さん 武内くんはハードボイルド担当で、職人的な感じがしていたけど、ようやく楽しいシーンがきた!みたいになって(笑)
武内さん 僕の気持ちも乗っちゃったかもしれない(笑)。
--武内さんから見た三瓶さんは?
武内さん 中学生だけどおじさんであって、おじさんっぽい中学生ではないんですよね。おじさんを演じるとなると、性別も年齢も違うわけですし、本当に勉強になります。中学生感とおじさん感の両方がないといけないですし、男性声優では難しいところもあって、三瓶さんの演技はズバッと正解を聞いたようにも感じていました。これこれ!となったんです。
--三瓶さん自身にはおじさん要素がないわけで……。
三瓶さん おじさんは全然分からないんですよね(笑)。これまで、すごい先輩の方々と共演させていただく中で、おじさんの引き出しができていて、今まで使うことがなかった引き出しが開いているのかもしれません。 (阿仁間満/MANTANWEB)
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