機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女:スタッフが明かす制作の裏側 村瀬修功監督のこだわり “暗さ”や“爆炎ドーム”秘話も

配信日:2026/04/23 7:57

アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」のスタッフトークショー(C)創通・サンライズ
アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」のスタッフトークショー(C)創通・サンライズ

 人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)の第2章「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」のスタッフトークショーが4月21日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、撮影監督の大山佳久さん、美術監督の大久保錦一さん、設定制作の秋山李助さん、笠井圭介プロデューサーが登場し、制作の裏側を語った。

 ◇撮影監督、美術監督、設定制作の仕事

 大久保さんは「人物とモビルスーツ以外の背景、美術を任せていただいています」と説明し、「美術は、普通に描く人だけでも100人くらいの(スタッフが)いて、プラスCGを作る人もいるというかなり大人数のセクションで、皆さんに助けられて完成しました」とスタッフに感謝。「(ファンの皆様には)背景も気にしていただいているのかなと思うと、めちゃくちゃうれしいです」と喜んだ。

 大山さんは「撮影の仕事は皆さんよくご存知かとは思いますが……。作画、3D、モニターなどの素材を合わせて一つの画面にしていく行程を、全てのカットに対して行っていく仕事」と説明。「とにかくモニターや3Dなどの種類が多く、難解な作品」としながら「普通の作品ではありえない、100人くらいのスタッフが撮影に参加していました」と明かした。

 秋山さんは自らの仕事を「特殊な仕事」と表現し「(村瀬修功)監督と一緒に、メカ、キャラクター、美術設定など、いろいろな設定を作っていく仕事です。さらに商品関係のチェックや監修、本や記事の校閲なども担当しています」と説明。笠井プロデューサーは、秋山さんが同作に登場するキャラクターのウェーブのモデルであることが補足すると、秋山さんは「作中で、村瀬監督に生かしてもらっています」と笑顔を見せた。

 ◇タンスの中に服を入れておけ!

 それぞれのこだわりが話題になると、大久保さんは「こだわった点というか、こだわっているのは村瀬監督。僕たちは“こだわらせられた”(笑)。僕の意思ではなく、村瀬監督の意思だと思ってください。CGのルックだったり、写真っぽくなりすぎるのはダメと言われて……。人間の手を加えて、CGでも絵でもないような、絶妙な表現にしたいというオーダーでした。描き込みすぎると、『なんか絵に見えちゃうな……』ってコメントをもらっちゃって。実際に絵を描いているんですけれどね」と苦労を明かした。

 大久保さんは「CGももちろん使っているけれど、CGのままではダメ。非常につかむのが難しかったです。CGモデルのレンダリングをした後に、家具などの使い込んだ感じはカットごとに手描きでエイジング加工を加えています。いい感じに質感が出るように、毎カット、いろいろな人の手を介して描いています。村瀬監督は『一回CGでライティングして!』『一回やってみて』って気軽に言うんですよね……。そこから手描きに入る。でも、手描き作業に入る前までにもモデリングしたり、ライティングしたりとめちゃくちゃ行程を踏んでいるんで」と緻密な作業の裏側を語った。

 「“暗さ”も一つの特徴だ」と切り出した大山さんは「暗いところから明るいところにきた時の明るさの変化を感じる場面が多くある。ほとんどのカットでDepth Mapを使っています。ほかの作品でも使うものですが、限定的にしか使用しないことが多い。(潜水艦内の)モニターにディスプレーデザインを全部貼った状態の3Dシーンが存在します。実写では当たり前の作り方ですが、アニメ的には不思議な作り方です」とこだわったという。

 大山さんは「作品としてすごく珍しいのは、美術監督と撮影監督が近い席で仕事をしているということです。普通は部署ごとに会社も違っていて、別のところで作業しているものだけれど、今回は一緒にやっています」と解説。ヴァリアント内のエレベーターのシーンを例に挙げ、「演出の守さんからエレベーターに関して相談された時に、3Dではなく撮影でエレベーターを作ったんです。AfterEffectsの3Dレイヤーで角度を変えて無理やり貼ってムービーにして動くようにしているんです。でも実際に使われたカットはほんの一瞬でした」と話し、大久保さんは「エレベーターは何枚描いたことか……」と振り返った。

 「“ハサウェイあるある”です。タンスの中に服を入れておけ!みたいな……」と笠井プロデューサーが補足すると、大山さんは「見えないけれど、隠れているけれど、そこにある!みたいなところまで作り込んでいて……」と苦笑。スタッフ陣は「みんな“イマジナリー村瀬修功”に取りつかれていて……。『村瀬監督ならこう言うだろう』って考えて自らリテークを出していく」と盛り上がった。

 ◇煙は残り続けて広がる

 村瀬監督のこだわりが話題になると、大久保さんは「(ギギがゲッチンゲン・ハウスのテラスから夕方の海を眺めるカットにおいて)フィリピンのアポ山が見える場面、ここにも村瀬監督のこだわりがあります。美術でなんとなく見栄え良い位置でアポ山を描いたら『位置が違う気がする』『座標合ってる?』って言われて(笑)。結局、ちゃんと正しい座標をとって描きました」としみじみ振り返った。村瀬監督から最初にOKが出たのは「撮影で撮った水滴のカットで、人物やモビルスーツは一切写っていなかった」と笑いながら語った。

 大久保さんのこだわりとして「ヴァリアントの艦長室」が映るシーンを紹介。「見えないところで言うと、艦長室奥が寝室になっていて、そこにキャットタワーと餌が置いてあります。本編では映っておらず、ヴァリアントも沈んでしまったので今後登場する可能性は低いのですが……」と初公開となる設定について説明。「艦長の机に四春が爪でガジガジ刻んでいる跡があったり、細かなこだわりを入れています」と話した。

 大山さんはアリュゼウスの戦闘シーンで登場する“爆炎ドーム”について語り「色味などを撮影で落としてはいますが、赤みも入って結構面白い作りになりました」とコメント。笠井プロデューサーは“爆炎ドーム”について「グスタフ・カール00型が撃ち落とされて地面に落下する瞬間に爆発します。ここで、コンテナミサイルも一緒に爆発したため、すごく大きな爆発(爆炎ドーム)が起きています。よくあるテレビシリーズ作品では、爆発が起きたらいずれは煙が消えるのだから、演出上、煙が消えるまでのカットを端折ってしまいがちです。でも本作では村瀬監督がそれを許してくれず。『(煙は)残り続けるだろう、しかも広がっていくだろう』となり、時間経過で薄くなっていくことを表現したいと言いまして、『大山さんどうしましょう』って相談して……」と解説。秋山さんは「作画で描いた爆発から3Dで作った煙に変化するまでの間をうまいこと、撮影さん、特技(特殊技術)さん含め、各セクションが繋げて完成させたシーンです」と語った。

 イベントが終わりに近付くと、笠井プロデューサーは「撮影チーム、美術チームも含め、クリエーターの皆さんの努力の賜物です!」と改めて感謝した。

 最後に大久保さんは「今日の情報を踏まえて、あと何回か(劇場で)見られる機会があると思います。僕も劇場で見たいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします」、大山っさんは「もっといろいろと話せたらよかったかな。それなりに面白い話ができたかなと思います。またよろしくお願いいたします」、秋山さん「クリエーティブな側面を深掘りした本や記事が今後もいろいろと出ますので、もう少し『閃光のハサウェイ』を楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。

提供元:MANTANWEB

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