ソムタム田井のコスプレリポート：「キン肉マン」“女体化”ウォーズマン　水着と自作パーツで衣装を再現

配信日:2025/11/09 19:55

「キン肉マンレディー」のウォーズマン・ジェーブシカのコスプレを披露したいーむさん

　コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。

　本稿では、世界最大規模のコスプレの祭典として知られる大型イベント「世界コスプレサミット2025（WCS、コスサミ）」に参加していた、「キン肉マン」のキャラクターに扮（ふん）するいーむさん、サラポートさんを紹介する。

　会場内の各所で行われていた写真撮影だけでなく、特設ステージでのコスプレパフォーマンスや街中で実施されるパレードなども好評で、今年も大盛り上がりとなった「コスサミ」。8月1～3日の3日間で約24万7000人ものコスプレファンが集結していたが、その中には新旧さまざまな人気アニメのキャラに扮したコスプレーヤーが多く、同じ作品のキャラ同士で集まり、“併せ”を楽しむグループの姿も見られた。

　いーむさんが扮するのは、「キン肉マン」の登場人物を女性に置き換えたパロディー作品「キン肉マンレディー」に登場するウォーズマン・ジェーブシカ。露出度の高い衣装は水着をベースにしつつ、各部位のパーツは自作で用意して、こちらの形に仕上げたという。

　「布面積の少ないキャラクターなので、失敗のないよう、衣装は水着をベースに制作しました。原作の『キン肉マン』に登場するウォーズマンの強くてクールなイメージも取り入れられるよう、肌は褐色に染めて。そのうえでサポーターや肩当ては、サイズバランスであったり素材感にこだわりました」

　サラポートさんが扮するのは、「キン肉マン完璧超人始祖編」に登場するグリムリパー。メークに加え、表情の作り方にもこだわり、不気味な雰囲気の再現に努めたと話す。

　「私が今、一番愛してやまない『キン肉マン』より、グリムリパーのコスプレです。昨年放送されたアニメ『キン肉マン完璧超人始祖編』を見て以来、すっかりキン肉マンのとりこになりました。そのなかでも飄々としたミステリアスな性格のグリムリパーを好きになり、コスプレしたい……と思い、衣装を制作しました。特にこだわったポイントはメークと表情作りです。顔全体をドーランで白塗りにして、さらに紫色のクリーム着色料で模様を描くことで、劇中同様のピエロメークを再現しました。また“死神の化身”の異名の通り、不気味な雰囲気を演出できるよう、口角を上げ、目をカッと見開き、常に不敵な笑みを浮かべることも心がけました」

　衣装も自作で用意したもので、帽子の造形やベルトの装飾など、全身のディテールにこだわりを詰め込んだという。

　「衣装作りに関しても、ほとんど前例のないキャラクターなので試行錯誤しました。特徴的なロングコートは、コスプレ用の修道服を改造して模様を縫い付け、劇中のデザインを完全再現しています。装飾付きの帽子や髑髏マークが付いたベルトなど、ディテールにもこだわっています。ほぼ一から作った、初めての『キン肉マン』のキャラクターの衣装なので、もっとも思い入れの強いコスプレの一つです」

取材・文：ソムタム田井

提供元：MANTANWEB