牙狼<GARO> TAIGA:北田祥一郎×雨宮慶太監督 冴島大河は“揺るぎなさ”を大切に 故・渡辺裕之さんへの思いも
配信日:2025/10/26 8:31
今年生誕20周年を迎えた特撮ドラマ「牙狼<GARO>」シリーズの最新作、劇場版「牙狼<GARO> TAIGA」が10月17日に公開された。原作者の雨宮慶太さんが監督・脚本を務めた今作は、「牙狼<GARO>」の主人公である冴島鋼牙の父・冴島大河の若き日の活躍を描く。若き大河役に抜てきされた主演の北田祥一郎さんと雨宮監督の2人に、製作の経緯や、テレビシリーズで大河を演じてきた故・渡辺裕之さんへの思いなどを聞いた。
◇北田祥一郎さん抜てきの決め手は?
--20周年の節目に、冴島大河が主人公の作品を製作した理由を教えてください。
雨宮監督:身も蓋(ふた)もないのですが、昨年「20周年に向けて冴島大河の若い頃の話の映画を脚本・監督してほしい」と依頼されたんです。
--提案を受けた時どう思いましたか?
雨宮監督:昨年の6月末に話があったのですが、4カ月間で脚本とデザインを仕上げてほしい、しかも主演も決まっていないという全くのゼロスタートの状態だったので、ちょっと無理だなと(笑)。ただ無理だと思うと逆に燃えるタイプなので、挑戦して完成したら面白くなりそうと思い引き受けました。
--北田さんが主役に選ばれた経緯を教えてください。
雨宮監督:最初はキャリアがそれなりにある俳優さんをキャスティングする方向で進んでいたのですが、難航しました。そこで新人でもいいかなとシフトチェンジしたところ、たまたま机の上に置かれていた北田君の資料が目に入ってきて。最初に描いた大河のデザイン画があるのですが、それに北田君が似ている!と思ったのが決め手です。
--デザイン画が北田さんと本当にそっくりなのですが、北田さんのことを知る前に描いたのですよね?
雨宮監督:そうです。その時見た写真が、デザイン画とたたずまいも似ているなと思いました。
北田さん:今初めて聞きました……(笑)!
--そうなんですね! 出演が決まった際の心境は?
北田さん:うれしいというよりも、驚きが勝りました。
--大河の印象やキャラクターへの思いを聞かせてください。
雨宮監督:僕が想像したキャラクターですが、形にしたのは演者であった渡辺裕之さんと当時のスタッフの頑張り。「牙狼<GARO>」を象徴するキャラクターなので、大事に大切に表現しました。
北田さん:(渡辺さんが演じていた)テレビシリーズを見た時に強くて、優しくて、カッコいい印象を受けたので、僕も今作で表現できればと思いながら演じました。監督からは「揺るぎなく」という言葉を何度も掛けられたので、“揺るぎなさ”を意識しました。
--監督の中では「揺るぎない」という表現が、大河を表すのに最もしっくりくる言葉なのでしょうか。
雨宮監督:そうですね。揺るぎないキャラクターを表現するのはなかなか難しいですが、撮りながら探っていきました。
◇狙うは「国宝」超え? 自信の出来に
--大河を語る上で渡辺さんの存在は欠かせませんが、北田さんはどのような思いで演じましたか。
北田さん:テレビシリーズで、大河がメインで描かれている第12話「大河」というエピソードがあるのですが、撮影中は寝る前やロケバスでの移動中などにもその話を見て撮影に挑んでいました。渡辺さん演じる大河を、自分がどうやったら表現できるのか毎日考えていました。ただ渡辺さんと同じことをそのままやろうとしてもできないので、渡辺さん演じる大河の強さ、優しさ、カッコ良さを自分なりに考えて、演じました。
--演出面で渡辺さん演じる大河と共通点を持たせたことはありますか。
雨宮監督:(渡辺さん演じる大河と)うまく地続きになるような工夫を、髪型やメークで狙ってやった部分はあります。ただそれはスタッフに伝えたことであって、北田君には「渡辺さん演じる大河を意識してほしい」とは伝えていません。彼は彼であまりそういうのを考えずに自由にやってくれればいいなと。彼以外のスタッフとは話し合って、どう寄せていくかを工夫しました。
--若かりし大河の物語ということもあり、今後への期待も高まります。
雨宮監督:まずは今作がヒットしないと次に進めないのでね(笑)。びっくりするぐらいの大ヒットに、『カメラを止めるな!』や『国宝』は超えたいですね(笑)。そうしたらシリーズ化が決まるかな。
--最後に本作の見どころをお願いします。
雨宮監督:これまで「牙狼<GARO>」を見たことない人でも、楽しめる「牙狼<GARO>」ができたというのは、20年やってきた中で一番自信をもって言えます。今作を見て、他のシリーズを見てもらえたら、一番うれしいですね。
北田さん:大きいスクリーンで見てほしい作品です。自分が出ている作品だとプチ反省会をしながら見ちゃう癖があるのですが、今作ではそれも忘れちゃうくらい没頭できる作品に仕上がりました。アクションも派手ですし、いろいろな要素が詰まっているので、ぜひ劇場で見てほしいです。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
提供元:MANTANWEB











