瀬戸麻沙美×加藤渉×富田美憂:アニメ「さいひと」インタビュー “武闘派令嬢”の魅力 「スカッとしましたわ」に込めた思い
配信日:2025/10/19 7:01

レジーナブックス(アルファポリス)で大人気の鳳ナナさんのファンタジー小説が原作のテレビアニメ「最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか(さいひと)」がTOKYO MX、BS11ほかで放送されている。いきなり理不尽な婚約破棄を告げられ、ありもしない罪まで着せられてしまった“武闘派令嬢”スカーレット・エル・ヴァンディミオンによる痛快ファンタジー。スカーレット役の瀬戸麻沙美さん、パリスタン王国第一王子のジュリアス・フォン・パリスタン役の加藤渉さん、獣人族の少年・ナナカ役の富田美憂さんに収録の裏側を聞いた。
◇格好いい女性を具現化
ーー“武闘派令嬢”スカーレットの魅力は?
富田さん いろいろな魅力がありますが、殴ることにきっちり理由があって、むやみやたらと殴っているわけではないんです。自分の正義を持って戦っているところが魅力だと思います。収録前に、瀬戸さんがスカーレットを演じることを知って、すごく楽しみになりました。
加藤さん 他人の言葉に揺らがず、自分を曲げないところは、本編中でもジュリアスが言っているように、おもしれー女に見えるでしょうし、自分としても魅力的だと感じています。
瀬戸さん 拳を解放する前のスカーレットは長い期間、我慢していたので、忍耐力が高いんです。学力や運動、魔法なども才能だけではなくて、努力で積み上げているところが現実的ですし、そこも魅力だと思いました。
ーー演じる際に大切にしていることは?
瀬戸さん 1話で殴り終わった後に「スカッとしましたわ」という一言があるのですが、私は人を殴ったことはないため、イメージを膨らませて、程よい疲労感と心地よさが声に乗ったらいいなと意識していました。表情も豊かなところもあって、映像をイメージしながら演じたので、皆さんと一緒にスカーレットを作り上げました。
富田さん 女性から見て格好いい女性を具現化したようなキャラクターですよね。
加藤さん ジュリアスの心理的には、ちょっかいを出したくなるところもあります。自分的には、素っ気ない人には興味を引かれますし、気になるキャラクターです。
◇ジュリアスの“品”
ーー加藤さんが演じるジュリアスからは“品”を感じます。
加藤さん そこを意識しているかは少し分からないところもあるのですが、「品を大事にしてほしい」というディレクションをいただいていました。品よく演じられたかは分かりませんが、下品にはならないようにしました。例えば、息を抜きすぎると、口説いているように聞こえてしまいます。品の塩梅を考えていました。
富田さん 距離が近めのセリフでも、下心を感じないんですよね。
加藤さん ジュリアスとしては、下心があるのか分からないところがありますし。
瀬戸さん 下心があるように見えるシーンにしてもわざとそうしているのかもしれないという意図がありますしね。
加藤さん 自分から見た自分、自分から見た他人、他人から見た自分……と入り組んでいて、無自覚に出てくる言葉もありますし、複雑です。
ーーナナカは?
富田さん ナナカは「何をやってるんだ」と引きで二人を見ている役割だと思っています。ナナカの初登場回がすごく印象的で、この3人でそろって収録できたこともあって、現場がすごく楽しくて、とっても仲良しだなと私は思っています。すごく自然体でいられてやりやすかったです。
加藤さん 収録が終わってからもインタビューなどでコミュニケーションの機会が増えて、さらに親しくなったと感じています。石毛さん(レオナルド・エル・ヴァンディミオン役の石毛翔弥さん)の話もしていいですか?
富田さん しようしよう!
加藤さん 石毛さんとは、これまでもほかの現場でも何度かお会いしたことはありましたが、ガッツリお話させていただくのはこの現場が初めてでした。すごく素敵で、いい人なんです。ガヤの収録では、ずっと僕と掛け合いをしてくださったりと、優しいですし、石毛さんは、僕のことを好きでいてくれたみたいで。ある時、「渉さんって呼んでいいですか?」と声をかけていただいてすごくうれしかったです。「渉さんは品がある」ともおっしゃってくれて、僕ものせられたところがあり、すごく好きになりました。
瀬戸さん みんなで高め合っている現場でしたよね。
◇富田美憂は初の少年役
ーースカーレットとジュリアスの会話も魅力的です。
瀬戸さん 第1話で、スカーレットがジュリアスと出会った時、最初はあまりいい印象ではなかったですし、探り合っているような空気感がそのまま生きたと思っていました。ジュリアスは一見、格好いい王子様ですが、育ってきた環境の影響もあって、少し難しいところもあって、ムカつく感じもあります(笑)。そこも声のお芝居に感じていました。
加藤さん スカーレットが割と天然なので、少しとぼけていたり、面白いことを言っていたりするのですが、スカーレット自身は「え、何がですか?」みたいに気付いていない発言が多く、ジュリアスはそれに対してよくツッコミを入れました。そのツッコミの塩梅は難しいところがありました。僕はコメディーが好きですし、こう返したらより面白くなるんじゃないか?とトライしたところもありました。
瀬戸さん 笑いに貪欲なところを感じていて、テストでツッコミにトライされていましたよね。ジュリアス像を調整されていて、クスッと笑えるシーンもあって、あのジュリアスが!?というリアクションもあって、面白かったです。
ーー富田さんは意外にも少年役は初めてということですが?
富田さん 少年役はやったことがなかったので未知なところもあり、なんで私を選んでいただけたのかを考えつつ演じさせていただきました。すごく楽しかったです。今後もどんどんやっていきたいです。ナナカでいうと、獣化したシーンは「ワン」「ワフ」と台本の文字通りに。というディレクションをいただいていましたが、獣化した姿のままでも喋るシーンもあるので、しゃべりたい感じも残しておきたいという指示をいただきました。
瀬戸さん 私も少年役も初めて演じると知って、とても意外に思いました。ナナカは本当に愛くるしくて、みんな大好きなキャラクターだと思います。富田ちゃんの声が大好きですし、本当に素敵でした。獣化した時のリアクションも、富田ちゃんがワンちゃんを飼っているのを知っていたから、どんな風なのかな?とワクワクして見ていました。テストの時、ワンちゃんのアドリブがすごくリアルで、アフレコもすごく楽しかったです。
◇スカッとしたことは?
ーー美しい映像も魅力です。
加藤さん キャラクターの衣装も細かく描かれているんですよね。アニメーションになった時、これを動かすのは大変そうですし、そういう意味でもアニメ化のハードルが高い作品なんだろうなと感じました。
瀬戸さん しかも衣装がかなり種類があるんですよね。
富田さん キャラクターたちがアップになった時の瞳も印象的でした。すごくキレイなんです!
瀬戸さん キャラクターの表情にも注目してほしいですね。スカーレットはモノローグも多くて、その時はジト目になったり、表情で語るシーンも多いです。アニメですと、特にキャラクターの動きの面でも、考えてることや立ち位置も見てきますし、そこも面白いです。
ーー痛快でスカッとする作品なんですね。演じられた皆さんが最近、スカッとしたことは?
富田さん 最近だと、衣替えを終えてスカッとしました。
瀬戸さん オンラインゲームをやっていて、チャットなどで暴言を吐く人がいるじゃないですか。私はまだオンラインゲームに慣れてなくて、ちょっとひるんじゃうんです。でもゲームを一緒にやっている友達がスマートな対応をしてくれて。どんな暴言に対しても「ありがとう」しか返さなくて、最後は向こうも黙っちゃいまして、スカッとしました。
加藤さん 劇場版アニメを友人と見に行って、本編がすごくよくて、エンドロールで流れた主題歌の歌詞が刺さって、スーッとキレイに涙が流れたんです。こんなにキレイに涙が流れるんだ……とスカッとしました。いいデトックスになりました。
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