ヤマトよ永遠に REBEL3199:森谷里美インタビュー “努力の人”西条未来 イメチェン、成長も「いい意味で変わらない」
配信日:2025/10/12 7:01

人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」。全七章で、4月11日に公開された第三章「群青のアステロイド」では、宇宙戦艦ヤマトの新装備・全天球レーダー室のオペレーターを務めた西条未来の活躍も話題になった。西条未来は、リメークシリーズから登場した新キャラクターで、全てのヤマトの航海に乗艦し、多岐にわたる船務科の任務を黙々とこなし続けた“努力の人”だ。10月10日公開の第四章「水色の乙女(サーシャ)」での活躍も注目される。西条未来役の森谷里美さんに、「宇宙戦艦ヤマト」、西条への思いを聞いた。
◇ヤマトが両親に認められるきっかけに
「宇宙戦艦ヤマト」は1974年にテレビアニメ第1作が放送され、昨年に50周年を迎えた大人気アニメだ。森谷さんは“ヤマト世代”ではないが、子供の頃にある思い出があった。
「私のヤマトの最初の思い出は幼稚園の頃です。主題歌を演奏することになって、どんな作品か分からないままではありますが、木琴を一生懸命に練習したんです。だから、子供の頃から曲が刻み込まれています。私の親世代の作品ですが、両親はアニメにそんなに詳しくなかった……。ただ、私が出演させていただくことをどこかで知ったようで、私が声優という仕事をすることを親に認めてもらえるきっかけになりました。誰もが知っている作品ですしね」
リメークシリーズは「宇宙戦艦ヤマト2199」が2012年にスタートし、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」が制作されてきた。森谷さんは10年以上にわたって西条を演じている。
「たくさんの方に深く長く愛され続けている作品ですが、本当に緊張の連続でその重みを実感する心のゆとりがなかったんです。西条の役割はもちろん分かっていますが、物語が進まないと分からないこともあって、監督も意図的に全てを説明するわけでもないので、あのヤマトに参加させていただいている……という実感がなかなか持てないまま進んでいきました。『2199』の頃は、そうそうたる皆さんと一緒に収録していて、なんとか必死に食らいついていかなくては……!と思っていました。宝のような幸せな時間を過ごさせていただいてきました」
◇西条らしく一生懸命に
「3199」は、福井晴敏さんが総監督を務め、シリーズ構成、脚本も担当する。福井さんは、リメークシリーズの「2202」「2205」でシリーズ構成、脚本を担当しており、最新作では総監督も務めることになった。第三章で西条未来は、第一艦橋でレーダー手を務める傍ら、全天球レーダー室の稼働時にはオペレーターを兼務。オペレーター自身が“ヤマトの目”となり、拡張現実を利用した情報集中管理システムを見事に使いこなし、デザリアムのステルス戦艦・グロデーズの探知に成功するなど大活躍した。
「こんなに活躍するとは知らされていたわけではないので、台本をいただいて、これは!?とびっくりしました。『2205』が終わった後、福井さんにあいさつした時、『ちょっと頑張ってもらいますから』と言われていたのですが、もしかしてこのことだったのかな? まさかこんな展開が待っているとは思っていませんでした」
「3199」で西条は、ロングヘアからボブになるなどイメチェンしたことも話題になった。長く美しい黒髪が印象的なキャラクターだったこともあり、驚いた人も多いはず。これまでの航海を経て、成長しているのかもしれないが……。
「まさか髪を切ってしまうとは!? 彼女も年を重ね、土門さんたちも入ってきましたし、成長しているんだと思います。演技で成長をどれくらい意識するべきか?と考えたりもします。これまでさまざまな戦場をくぐり抜け、全天球レーダーを任されるようになったので、第三章のテストで、少ししっかりした部分、成長したところを加味して演じてみたのですが、『もうちょっと情けない方がいいかな』というディレクションがありまして(笑)。まるで宇宙空間に投げ出されたようで、これまで経験したことのないような大きな出来事ですし、しっかりしないといけないけど、西条らしく一生懸命『3199』もいい意味で変わらないんです」
“努力の人”西条は「3199」でこれまで以上の活躍を見せている。
「役割をしっかりこなしながら、西条という人間を感じられるように演じたいと思っています。これまでの航海を経て、この場に立っています。これまでの後悔を経て、この場に立っていますし、彼女の魅力を見つけていきたいと思いながら進んできました。ただ、意識しすぎてもいけないですしね。いろいろな人との関係性からくみ取りながら演じています」
◇安心感と緊張感
リメークシリーズが始まってから約14年がたった。森谷さんは収録に参加する中で“ヤマトらしさ”を感じてきた。
「『3199』では少人数の分散収録になって、先輩方もすごく緊張感を持って、集中して作品に向き合い、全力で臨んでいることがより見えてきました。皆さんがそれぞれ背負っているものがあって、ヤマトへの敬意があります。古代さん役の小野大輔さんは、特にビシッとした気持ちを持ち続けたまま収録に臨んでいて、土門竜介役の畠中祐さんたち新しいクルーに対しては、艦長らしく優しく包み込んでいるようなんです。小野さんと一緒に収録させていただいた時、『久しぶりに西条と一緒に収録できてよかった』と言っていただいたことがあって、すごくうれしくなりました。ヤマトの収録は、安心感がありつつ、緊張感を保ち続け、それぞれの役割を必死に全うしようとしています。私も必死に食らいつこうとしています」
森谷さんは先日、全七章の「3199」の収録を終えた。
「何も言えないくらい、え!?となることがたくさんありました。それぞれに思いがあり、抗っていく姿に、私も胸が熱くなりました。最後までご覧になった時、皆さんがどんな感想を持たれるのかが楽しみです。私も完成がとても楽しみです」
「3199」にはどんな驚きが待っているのだろうか? 全七章に込められた熱い物語。西条未来の奮闘と共に、最後まで見届けたい。
提供元:MANTANWEB