内田雄馬:人気声優が料理にハマった理由 「食事は人と人をつないでくれる」 「とんでもスキルで異世界放浪メシ2」インタビュー
配信日:2025/10/04 19:01

小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた江口連さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「とんでもスキルで異世界放浪メシ」のシーズン2が、10月7日深夜0時からテレビ東京系で放送される。普通のサラリーマン、向田剛志(ムコーダ)が異世界に召喚され、“ネットスーパー”という固有スキルによって、元の世界の商品を取り寄せ、現代の調味料で料理を作って食べる……というストーリー。2023年1~3月に放送されたシーズン1以来、約2年半ぶりに新作テレビアニメが放送されることになった。ムコーダを演じる人気声優の内田雄馬さんのプロフィールの「趣味・特技」には「ドライブ、ゲーム、料理、焼肉」と書かれており、普段から料理を楽しんでいるという。内田さんに料理への思いを聞いた。
◇食がモチベーションに
内田さんは「子供の頃は料理は全然していませんでした。おばあちゃんの誕生日にカレーを作ったことがあるくらいで、料理を好きになったのは、大人になってからです」と話す。
「数年前にお菓子を作るようになってから料理が楽しいと思えるようになりました。お菓子を買ってくると、際限なく食べちゃうじゃないですか。カロリーを考えて、工夫して作ってみようとしたのがきっかけでした。最初に作ったのはチーズケーキかガトーショコラだったと思います。結構、簡単に作れて、成功したんです。お菓子は難しいイメージがあったので、成功したことがうれしくて、それから料理が好きになりました」
元々、凝り性だった内田さんは料理にハマっていった。
「パスタなどはハマる前から作っていたんですけど、突き詰めることもできる料理なので、楽しいですね。シンプルだけど奥が深い。あとはシチュー、煮込み系も楽しいです。例えば、角煮だったら、待つ楽しみがあります。1、2時間と長時間煮込んで、途中で味を確認して……と手間をかけることで、おいしくなります。待つ時間も好きです。いろいろ試したくなりますし」
今後、挑戦してみたい料理について聞いてみると……。
「夢はいっぱいあるんですけど、だしをとるのに凝った時期があって、日本料理に挑戦してみたいです。お椀とかいいですよね。シンプルだけど難しい。だしのとり方を学べば、いろいろなものに応用できるでしょうし、勉強してみたいです。料理の本はいっぱいあるんですよ。形から入るから、読んだだけで満足して、できたような気にもなるし、楽しいです。料理はエンタメだと思うんです。プロがみんなで料理を作っている姿を見ると、僕らの仕事に通じるところがあるとも感じます。プロが連携して料理を作るのを見ていると、お芝居も連携が重要になってくると思いますし。やっぱりプロはすごいです!」
作ることだけでなく、食べることも大好きで、“食”がモチベーションの源にもなっている。
「大人になって、どんどん好きになっています。昔は偏食だったんです。親には苦労をかけたと思います。働くようになって、いろいろなものを食べる機会が増え、世の中にはたくさんおいしいものがあると知りました。今の仕事をさせていただくようになり、自分へのご褒美でワンコインの焼肉を食べたことも忘れられません。ワンコインなら食べられる!と行ってみたら、めちゃくちゃおいしくて、ご褒美のために頑張ろうと思ったり。食がモチベーションになっています。食事は活力にもなるし、心も満たされます。食事は人と人をつないでくれるし、自分にとってすごく大切なものです」
◇お腹がすくアニメ
「とんでもスキルで異世界放浪メシ」シーズン2は約2年半ぶりの新作となる。
「あっという間ですね。癒やし成分の強い作品で、収録している時も心がほっこりしていました。『ほっこりしました』という感想をいただいて、皆さんが温かい気持ちになっていただいたことがうれしかったです。そんな作品をまたお届けできることもうれしいです」
“飯テロ”などという言葉もあるが、同作を見ていると、お腹が減ってしまう。収録中も食欲が刺激されていたという。
「お腹がすきますね。絵ができる前の映像で、料理の映像を見ながら収録することもあって、本当においしそうなんです。ムコーダは料理をする時、工程を説明するので、料理教室のようなんですね。出来上がりまでのワクワク感が高まってきます。休憩に入ると、スタッフさんたちから『うまそうだな……』という声も聞こえてきて、いい現場です(笑)。楽しみながら作品を作っているのですが、やっぱりお腹がすくんですよね。シーズン2も変わらず、すごくいい現場です」
料理が好きな内田さんは気になるメニューがたくさんあるようで……。
「どれもおいしそうなんですよね。特に肉の汁感の表現が本当にすごいんです。どれが一番かは悩みますね……。ロックバードが好きなので、半熟トロトロ親子丼かな? 半熟トロトロの表現は難しいはずなんですけど、美しくて、本当においしそう。お腹がすきますね。配信でもいろいろ料理を作らせてもらいました。最初に生姜焼きを作ったのですが、とにかくおいしかったんです。用意していただいたお肉も素晴らしかったですし、テンションが上がりました。結構久しぶりに食べたんです。生姜焼きのポテンシャルの高さを感じました。食べ物の話って止まらなくなりますね」
シーズン2ではどんな料理が登場するのだろうか?
「シーズン2は、ネットスーパーでこんなものが出てくるんだ!という驚きが前回以上にあると思います。すごいですよ! 定番の家庭料理もあります。シーズン2もお腹がすくはずです。ネットスーパーの威力が増しているはずなので、楽しみにしてほしいです」
◇潤いや癒やしを
内田さんが演じるムコーダは、異世界に召喚されるが、元々は普通のサラリーマンだ。内田さんは“普通”であることを大切にしながらムコーダを演じている。
「ムコーダ役が決まった時、僕と同じ世代だったこともあり、個人的にシンパシーを感じるところがありました。ムコーダは社会人経験がありますし、落ち着いていて、大人の部分があります。そこを表現しようとしています。シーズン2になると、キャラクターも増えますし、各キャラクターとの会話で、人間性が見えてくるところもあります。ムコーダは誰に対しても基本的には対等にしゃべっていて、そこがいいところです。社会人としてしっかり会話するのが肝になってくるので、そこを大事にしています」
シーズン2でムコーダはどんな料理を振る舞い、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。
「仲間と旅をして、おいしいものを食べるという、僕らが日常の中でも感じられるようなことがテーマになっている作品です。毎日の潤いや充実感、人生の豊かさを与えてくれることが描かれています。このアニメを見て、家族や友達と食事をしたくなったり、おいしいものと共に時間を過ごすことの大切さを感じていただきたいです。気軽に見られる作品でもあるので、ちょっと癒やされたい時にも見ていただきたいですね」
内田さんが“食”について話している時の幸せそうな笑顔が印象的だった。シーズン2も日々の生活に潤いや癒やしを与え、自然に笑顔になれるようなアニメになっているようだ。
提供元:MANTANWEB