ステつよ:大塚剛央×水野朔インタビュー 羽原信義監督は褒めて伸ばす 収録の裏側
配信日:2025/10/04 10:01

オーバーラップ文庫の赤井まつりさんのライトノベルが原作のテレビアニメ「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが(ステつよ)」がテレビ東京ほかで10月6日から順次放送される。クラスメートと共に異世界に召喚された高校生・織田晶が、存在感が薄いがゆえ平凡な暗殺者の力を手に入れたはずだったが、そのステータス値は最強の職業である勇者を軽々と上回るものだった……というストーリー。晶は、冤罪をかけられて逃げ込んだ迷宮深層で、エルフの美少女アメリアと出会い、真の暗殺者になっていくことになる。蒼穹のファフナー」「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」などで知られる羽原信義さんが監督を務めたことも話題になっている。晶役の大塚剛央さん、アメリア役の水野朔さんに収録について聞いた。
◇晶とアメリアは似ている?
--作品の印象は?
大塚さん タイトルだけ見ると、無双するのかな?と思ったのですが、序盤からさまざまな陰謀が渦巻き、晶は最強というわけではないですし、つらい経験を含めていろいろな経験を経て、段々強くなり、立ち向かっていく様子が描かれています。タイトルから想像していたよりも広がりのある作品です。ちょっとタイトル詐欺なのかな(笑)。
水野さん 異世界転移ものは、勇者が主人公の作品も多いですし、暗殺者は敵側という作品もあるので、暗殺者なんだ!?と驚きました。晶はクールで闇を持ってそうな雰囲気ですし、最初はあまり主人公っぽくないのかな?とも思ったのですが、読めば読むほど優しさが見えて、晶に惹かれていきました。今まであまり見たことがない設定ですし、すごく面白いです。
--水野さんは異世界ものが好きと聞いたのですが。
水野さん そうですね。私は異世界で復讐する作品が好きでよく読んでいます。シリアスな作品も好きで、「ステつよ」は感情移入する部分も多いと感じていました。
大塚さん 「ステつよ」がどういう分類なのか分析するほど詳しくはないのですが、原作もコミカライズも素敵で、アニメはまた違った雰囲気もあって、メディアミックスの面白いところだなと思っています。
--キャラクターの印象は?
大塚さん 晶は同年代よりも少し達観しているところもありますが、異世界に転移してステータスや役職が与えられ、高揚してるところもあって、こういう世界への憧れる男の子であるところも見えてきます。基本的に積極的に人と関わろうとしないので、近寄りがたいところもあるけど、優しいところもあります。感情表現が苦手だけど、真っすぐなところもあって、落ち着いた雰囲気の中で時折それを感じられる表現ができたらと思っていました。他者とあまり関わらない生活をしていたからこそ、違う自分になれるかもしれないと無意識に感じていたのかもしれません。考えてみれば、異世界に飛ばされるのは怖いけど、少しワクワクしますよね。そういう気持ちも分かります。それにしてもすぐに順応するんです。冷静なんですよね。客観視できるのも彼の特徴だと思います。
水野さん アメリアの第一印象としてミステリアスでクール、なおかつ可憐といういろいろな要素を感じました。クールめな印象も強いですが、ストーリーが進むにつれて全然クールではなくて、 どちらかというと子供っぽいことが分かってきます。晶に対しての感情が、ほかの人への感情と違いすぎるのもポイントです。晶とそこは似ているのかな? 晶はクラスメートの名前を覚えてなかったりするけど、大切な人は本当に大切にしていますし。
--初登場は、つかみづらいキャラクターにも見えます。
水野さん どうしてそこにいるのかも分からない状態ですしね。何か闇を抱えているんだろうと感じていただきたくて、そこを大事にしながら演じさせていただきました。
◇アメリアは懐きそうで懐かない
--晶を演じる中で大切にしたことは?
大塚さん 距離感を意識しました。晶が召喚されたレイティス王国騎士団のサラン団長に対しても最初は警戒心がありますが、心を通わせ、移り変わっていきます。同級生たちに対しては、晶は自分を背負うところもあるので、危険な目に遭わせたくないという思いもあって、距離感があります。感情表現がはっきりしないところもありますが、そこが雑にならないように演じようとしました。
--クールなキャラクターですがモノローグを含めたセリフが多いようにも感じました。
大塚さん モノローグで彼の思考が分かりますが、説明的になりすぎないようにしたところもあります。なおかつ、見ている方に伝わりやすいようにしようとしました。
--アメリアは?
水野さん 晶に対する思いが特別なので、そこを一番大切にしていました。アメリアは晶に惹かれ、変化します。そこからさらに変化していくので、晶への愛をどのレベルで表現するかを悩みながら演じました。猫みたいな子なんです。懐きそうで懐かない(笑)。
--共演する中で感じたことは?
大塚さん これまでも共演させていただいたことがありますが、メインでこうやって掛け合いをさせていただくことは初めてでした。
水野さん 晶はぴったりですよね! 少し暗い感じを出しつつ、優しい部分も見えて、戦闘シーンは迫力がありますし。技術がすごい!と、 いつも後ろ姿を眺めさせていただいていました。
大塚さん ありがとうございます。アメリアの無垢で、少し隙があって、放っておけないところを感じていました。アメリアが段々と変わっていくグラデーションが素敵なんですよね、愛情も感じながら掛け合いをしていて、すごく気持ちよかったです。スムーズにできて、楽しかったです。
水野さん ありがとうございます。うれしいですね! もっとください(笑)。
大塚さん コメディーシーンも好きですよ(笑)。面白いし、可愛いんですよね。
水野さん 最初、アメリアは妹気質な子だと思っていたけど、段々と母性みたいなところが見えてくるんですよね。
◇みんなが同じ方向を向いて
--羽原監督とはどんな話をしましたか?
大塚さん 収録の合間や食事の際にお話させていただく機会があって、音響監督の森下広人さん、シリーズ構成の岡田邦彦さんらもそうなんですけどすごくいいチームなんです。みんなで作ってる感じがすごくしました。羽原監督には「ばっちりなんで!」と言っていただき、伸び伸びと演じさせていただきました。
水野さん 褒めて伸ばしていただきました(笑)。第2話でアメリアが登場するシーンは、オーディションの台本にもあって、羽原監督はそのセリフを聞いて「ぴったりだ」と思っていただいたそうなんです。本番でもオーディションの時の雰囲気を出したくて、何度か録り直しをさせていただきました。
大塚さん みんなで収録していたけど、すごくスムーズなんですよね。
水野さん 早かったですよね。
大塚さん それくらいみんなが同じ方向を向いて作っていたんだと思います。
--最後に放送を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。
大塚さん アバンから見どころで、これはどういうことなの?と始まります。第1、2話は怒涛の展開で、驚きもあると思います。第1、2話はその後の展開にも関わってくる大事なシーンもあるので、ここでの伏線を覚えておくと、その後をさらに面白く見られると思います。
水野さん 映像がすごくリアルなんですよね。建物や空間もすごくこだわっていて、演技もリアル感が求められました。リアルだからこそ、見ている方が作品の世界に入り込むように没頭できると思います。そこを注目していただけるとうれしいです。
提供元:MANTANWEB