SPY×FAMILY:江口拓也&種崎敦美&早見沙織&松田健一郎 フォージャー家インタビュー(2) 4年目で感じる互いの「すごい!」ところ
配信日:2025/09/30 12:02

インタビュー(1)の続き。 集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」のSeason(シーズン)3が、テレビ東京系ほかで10月4日午後11時から放送される。2023年10~12月に放送されたSeason 2から約2年ぶりとなるテレビシリーズで、<黄昏>の過去やバスジャック編が描かれることも話題になっている。約4年前、2022年4月にスタートしたSeason 1からフォージャー家の面々を演じるロイド役の江口拓也さん、アーニャ役の種崎敦美さん、ヨル役の早見沙織さん、ボンド役の松田健一郎さんにお互いの印象や、「すごい!」と感じる魅力を聞いた。
◇さりげなく救いの手を差し伸べる“ロイド”江口拓也
--ロイド役の江口さんの魅力を教えてください。
早見さん みんなの魅力を語るって、照れ臭いターンですね(笑)。江口さんは、圧倒的にみんなを引っ張っていってくれる存在。「ついてこい!」みたいな感じじゃなくて、常にそこにどっしりと居てくださって、何かあった時には絶対に助けてくれる、頼れる存在感がある気がします。
種崎さん 「SPY×FAMILY」で取材やイベント、配信番組とか、これまでいろいろなことがあったんですけど、私がそういう場で緊張しないって、まあないんですけど、「SPY×FAMILY」は緊張しないんです。それは多分、「何かあってもきっと江口さんがなんとかしてくれる」って心のどこかで思ってるからだと思うんです。
江口さん (笑)。
種崎さん 誰かが、何かがどうかなったとしても、「この人がいてくれたらなんとかなる」と思えるって、すごいことだと思っています。
松田さん 江口くんは、スッと隙間(すきま)に入ってフォローを入れてくれる感じがすごいなと。それを自然にやってくれる感じがあって。僕が初めて「SPY×FAMILY」のポッドキャストに出演した時も、すごい助けられてたんだなって身にしみて。さりげなく救いの手を差し伸べてくれる存在です。
種崎さん 分かります。私も、収録現場で音響監督さんに「これ質問したいけど……あとでもいいか、いやでも、どうしよう今じゃないか……」みたいな瞬間があって。音響監督が去っていこうとした時に、江口さんが「あ、質問、●カットでしたっけ?」と音響監督さんを呼び止めつつ私に促してくださったことがあって。
早見さん すごい!
種崎さん 私が質問したくて「●カット」とぽろっと言ったけど声が小さすぎて音響監督に届かなかったやつを「江口さん、さっきの聞こえてたんや!?」と思って、びっくりしました。
江口さん 絶対聞きたいんだろうなと思ったので(笑)。でも、タイミング的に聞くか、聞かないか、みたいな時だったので。
松田さん さすが見えているなぁ。
◇“ボンド”松田健一郎は職人! だだ盛れるオーラ
--松田さんの「すごい!」ところを教えてください。
江口さん 松田さんは、ナレーションとボンド役という重要な二つの柱を担っていただいていますけれども、本当に職人だなって思うんですよね。一緒にものを作っている時に、すごく頼もしいというか。
早見さん 松田さんと会話をしたり、お見かけした方は、もうその魅力に引き込まれてしまうんだなと感じます。例えば、動画のコメント撮りなどでメークさん、スタイリストさんが入ってくださることがあるんですけれど、私の担当の2人が松田さんのことが大好きなんです。もう松田さんのファン化していて。「あれ、そんなにしゃべる機会ありましたっけ?」と思うんですけど、だだ漏れるオーラというか、人を引きつけるようなものがある方なんだと思います。
松田さん あるのかな(笑)。
種崎さん 一番年上で先輩なのに、そういう感じにならずに、本当にこのままの自然体でいてくださって「ボンドか!」というオーラがあります。
早見さん ぬくもりも。
種崎さん そう、ぬくもりわかる! あと江口さんも言っていた通り、職人さんというか、お芝居が好きなんだなと。人のお芝居もすごくよく聞いているし、作品を見ている時も「その視点で見てるんだ!」と感じることも多いですし、きっと割とオタク……。
松田さん あ、オタクですね。
種崎さん 作品を見る目線がオタクだな、職人さんだって思います。
松田さん どうしよう、もう汗が出る……。ありがとうございます。
◇“アーニャ”種崎敦美は努力の人 先を考える力
--種崎さんの魅力はいかがでしょうか。
江口さん 種崎さんは、いろいろな現場でお会いするのですが、心の中に一体何人のアプローチが存在するんだろうっていう。ガラっと変わる時に中身が変わるから、すごいなって思うんですよね。それでいてずっと謙虚だから。
松田さん すごく真面目だし、ストイックだなって。感覚的で天才に見える部分もあるけど、すごく悩んで、努力して、追求して、作り上げて、台本に対する理解度を増して、キャラクターに対する理解度を増して、深く深く探っていく。勉強家だし、努力の人なんだなと感じて、見習わなきゃならんところがいっぱいあるなという。
早見さん 年々思うのが、すごく気遣いの方なんだろうなと。多分先のことをすごくいろいろ考えられる方。「Aだったらこうなる、Bだったらこうなる、Cだったらこうなる」という選択肢から未来をものすごく考えられるからこそ、逆に動けなくなったり、迷ったり、悩んだりする方なのかなと感じます。だからこそ、お芝居以外でもなんでも「これを任せられた」となった時、すごく用意周到にちゃんと全部をやってくださるというか。その生き方をずっとされてきたのではないかと。いろいろなことを思考されて、自分の中でいろいろなバリエーションの感情を豊かに持ちながら生きてこられている方なのかな、と年々感じるんですけど、違っていたらすいません……(苦笑)。
種崎さん どうやったらそこまで……うわ……。今、自分の中を全部言語化されたようで「正解!」と思いました。でも、それが苦しかったりすることもあって、そこも含めて全部見透かされているような気がして。なんでそんなふうに人を見ることができるんだろう、すごいです。逆に、早見さんに対しては、どうやって生きてきたら、このような方が出来上がるのだろうって、出会った頃から思っているんですけど。
早見さん とてもすてきなところだと思って言ったのですが、苦しませてしまったらすみません……!
種崎さん いやいやいや! 出会った頃から尊敬しかないんですけど、年々それも増していってるんですけど。
◇“ヨル”早見沙織は「宇宙」なのか
種崎さん 次は早見さんについてですよね。例えば、「この人の直してほしい部分をどこかあげてください」みたいに言われたら、早見沙織さん以外の方に対しては多分何かしら見つけられるんですけど、彼女のそこを私は見つけられない。
早見さん いやいや、いっぱいありますよ!
種崎さん ちょっと絵が残念っていうことくらいなんですけど。いや、絵が残念でもないですね。あの絵も天才的すぎる。でも、人間なのできっとあるはずなんですけど、それを見せずに早見沙織でいてくれるのが本当にすごくて。
松田さん 今、早見さんの絵の話がありましたけど、早見さんのあの絵を見ていると、なんかこう、子供の頃に見た夢というか……。
一同笑
松田さん すごくファンタジックで、子供に「昨日見た夢を絵に描いて」と言ったら、あんな絵を描くんじゃないか、みたいな。どこか純粋さを持っておられて、純度が高い水というか、緑の中を流れる清流のような、何て言ったらいいんでしょう。お芝居を聞いていると、本当にすごいなと思うんです。全てのキャラクターが早見さんに引き寄せられていくというか。役者さんって、憑依(ひょうい)型もいれば、自分に役を寄せる人もいて、早見さんは役を寄せてしまう。ただそれは、なんでもかんでも早見さんになるという意味ではなくて、ちゃんとその作品の中で成立させる。役者としてすごい方だなと、昔から思っています。たまに僕は神々しささえ感じて、でもちゃんと人として存在しているのが不思議です。
江口さん 早見さんは、変な人ですね、はい。この「変」という部分は、本当に魅力のところなんです。ちゃんとしてそうと思えば、たまにフラっとどっかに消えていきそうな旅人の感じもあるし(笑)。だから、不思議な存在なんですよね。それがやっぱり魅力というか。
--以前、種崎さんと早見さんの対談を取材した際に、種崎さんに早見さんの印象を伺ったら「宇宙」と語られていました。
江口さん なるほど。海よりもさらに上をいっちゃった。
松田さん 全てを内包している。
種崎さん 「宇宙」は変わらないんですけど、みなさんが言ってくれたように、神々しいんですけど、やっぱり変で。神々しいのに、めちゃくちゃ人間で、なんか宇宙……という(笑)。語彙(ごい)が欲しい……。「宇宙」以上のしっくりくる言葉がほしい……おりてこい……。
松田さん 早見さんを表現する言葉がほしい。
江口さん (笑)。
早見さん 私は、みなさんからどう思われてるんでしょう……気になっちゃいます。全然自覚がないですけど(笑)。
「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。すご腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠して生活することになる。テレビアニメのSeason 1の第1クールが2022年4~6月、第2クールが同10~12月、Season 2が2023年10~12月に放送された。「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」が2023年12月に公開され、興行収入が63億2000万円を突破するなど大ヒットした。コミックスのシリーズ累計発行部数は3800万部以上。
※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」
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