花江夏樹:「鬼滅の刃」無限城編インタビュー 炭治郎に向き合い「より解像度を上げるために」
配信日:2025/09/27 7:01

吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作劇場版アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が7月18日に公開された。「無限城編」では、竈門炭治郎ら鬼殺隊と、鬼舞辻無惨率いる鬼たちとの決戦が描かれる。2019年4月に放送を開始した「竈門炭治郎 立志編」から主人公・竈門炭治郎を演じ続ける声優の花江夏樹さんは、「第一章 猗窩座再来」では「今までにないようなセリフや表情がある」と感じているという。「かなり緊張感があった」という収録の裏側を聞いた。
◇石田彰、櫻井孝宏との収録 「負けないように食らいついていかなきゃ」
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの全世界累計発行部数は2億2000万部以上。テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」は国内来場者数が2897万人を突破し、国内歴代興行収入1位となる約404億円を記録した。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月、「刀鍛冶の里編」が2023年4~6月、「柱稽古編」が2024年5~6月に放送された。「無限城編」は三部作。
「第一章 猗窩座再来」では、炭治郎と冨岡義勇が、十二鬼月・上弦の参の猗窩座と対峙(たいじ)する。猗窩座は、「無限列車編」で炎柱の煉獄杏寿郎を倒した敵でもある。花江さんは猗窩座について「まず、登場シーンがすごかったですね。迫力満点の映像でした。炭治郎にとっては敵なんですけど、カッコ良すぎて、出てきた時になぜかうれしくなってしまいました」と語る。
義勇役の櫻井孝宏さん、猗窩座役の石田彰さんと共に収録し、「尊敬をしている、本当に素晴らしい役者さんなので、今回ご一緒できてすごくうれしかったです」と振り返る。
「一人で『どうしようかな』と考えるよりも、その場で対峙する石田さんの声のお芝居を聞いて、それに反応していくと自然と気持ちが出てくるので。石田さんと櫻井さんも、テスト収録の段階から、すごく雰囲気の良いトーンでお芝居されるので、それに負けないように食らいついていかなきゃという気持ちで収録ができました」
◇炭治郎の寄り添う慈悲
今回は猗窩座の過去も描かれ、「原作を読んでいると、やっぱり感情移入しちゃうんですけど、炭治郎は知らないので、僕も心を鬼にして真っ向から挑みました」と語る。
「炭治郎は、鬼に悲しい過去があったとしても、今の彼がやっていることが間違っているのであれば、ちゃんと否定する人間だと思います。それはそれだけど、過去にあったことには寄り添ってあげたいという気持ちの人。鬼だから悪いだとか、人間だからいいとか、そういうところで考えないところが炭治郎のずっと好きなところです」
炭治郎の怒りと慈悲のバランスが演じていて難しいところでもあるという。
「炭治郎の静かな怒りというか、腹の底から湧いて出る気持ちがありましたし、その一方で、彼は猗窩座に対して『違うよ』とちゃんと正してあげられる慈悲も持っているので、そこの表現のバランスが難しいなという発見が今回はありました。炭治郎はそのまま素直な気持ちがセリフに出てくるので、演じていてすごく大変という感じではないんですけど、どうその解像度をより上げようか、というところの大変さを感じました」
「第一章 猗窩座再来」で花江さんが表現した新たな炭治郎の姿、激闘を目に焼き付けたい。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。 ※鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記となる。 ※煉獄杏寿郎の「煉」は「火+東」が正しい表記となる。
提供元:MANTANWEB