東島丹三郎は仮面ライダーになりたい:藤岡弘、が本郷猛役でテレビアニメ出演 「体中の血が当時の青春に戻って騒ぎ始めた」 小西克幸との対談も
配信日:2025/09/26 21:30

「ハチワンダイバー」などで知られる柴田ヨクサルさんのマンガが原作のテレビアニメ「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」に声優として藤岡弘、さんが出演することが分かった。藤岡さんは、第1話「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」のワンシーンに登場する本郷猛を演じる。同作は、40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた東島丹三郎が主人公。特撮ドラマ「仮面ライダー」(1971~73年)で仮面ライダー1号/本郷猛を演じた藤岡さんが、テレビアニメで特別に本郷猛の声を担当することになった。
藤岡さんと主人公・東島丹三郎役の小西克幸さんのコメント映像もYouTubeで公開された。「ライダーキック!」と勢いよくアフレコブースで叫ぶ藤岡さんの姿が収められている。藤岡さんはアニメで本郷猛を演じたことに「体中の血が当時の青春に戻って騒ぎ始めた。熱くきょうは燃えました」と語っている。藤岡さんと小西さんの対談も実現した。
同作は、「月刊ヒーローズ」(ヒーローズ、現在は休刊)で2018年に連載を開始し、現在はマンガ配信サイト「コミプレ-Comiplex-」(同)で連載中。40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた東島丹三郎だったが、その夢を諦めかけた時、世間を騒がす偽ショッカー強盗事件に巻き込まれる……というストーリー。石森プロ、東映が協力している。
アニメは、池添隆博さんが監督を務め、待田堂子さんがシリーズ構成を担当。ライデンフィルムが制作する。東島丹三郎役の小西克幸さんに加え、岡田ユリコ役の茅野愛衣さん、島村一葉役の鈴村健一さん、島村三葉役の斉藤壮馬さん、ユカリス役のファイルーズあいさん、中尾八郎役の津田健次郎さんらが出演する。TOKYO MXほかで10月4日から放送される。
藤岡さんと小西さんの対談の内容は以下の通り。
--アフレコを終えた今の感想は?
藤岡さん 当時を思い出しながら演じるというのは、うれしかったですし、熱くもなりました。「とぅっ!」「キーック!」といった掛け声を出すと、当時に一瞬で戻ってしまうんです。自分の中に眠っているものが呼び起こされるような、血が騒いで体の細胞が喜ぶような感覚でした。改めて、「ライダーキック」という言葉は、僕や当時の子供たちの心にかなり深く食い込んでいるものなんだなと思いました。
小西さん 僕も子供の頃、「仮面ライダーごっこ」を弟と一緒によくやっていました。一度、家の中でライダーキックのまねをした時に、夢中になりすぎて家のふすまを破ってしまって。親も笑っていましたが、その後ちゃんと怒られました(笑)。
藤岡さん そういう気持ち、分かります。子供の素直で純粋な感性というか、感動したものに自分を投影して、入り込んでしまいますよね。そんな作品に出会えたことが奇跡ですし、俳優として、とてつもない出発だったと思います。いやあ、50年以上もたっているとは思えませんね。本当にあっという間に感じます。
--小西さんは、藤岡さんのアフレコを聞かれていかがでしたか?
小西さん (食い気味に)最高です! 最高ですね、本当に。僕も見ていた当時に気持ちが戻りました。藤岡さんがアフレコされているときに、スタッフブースにスタッフが並んで座っていたんですが、皆、子供の顔になって、「ライダーキーック!」というセリフを聞いていて。今回は素晴らしい機会を与えていただき、本当にありがとうございます。
--藤岡さんはこの作品を知ったとき、どのような印象を抱かれましたか?
藤岡さん 読む前は内容の想像がつかず、読み進めていくうちに、夢中になりましたし、東島の気持ちにすごく共感できました。「強くなりたい、仮面ライダーみたいになりたい」という気持ちがどんどん高まって、それを40年間追い求めている姿を見て、自分が仮面ライダーを演じたというのもあって、すごくうれしかったです。また、今の世の中に対してのメッセージがたくさん込められているなと。(作中の)さまざまな出来事が現実世界と重なることが多く、フィクションとは思えないほどのリアリティーを感じました。
小西さん もしこんなことが実際に起きたら、やっぱり少し怖いですが、でもこんな世界があったら面白いだろうなと思います。藤岡さんも仰っていましたが、とてもリアルに描かれているので。例えば明日、隣でアフレコしている人が急に「イーッ!」ってショッカーになってもおかしくないだろうなと、そんなふうに感じさせる世界観だと思いました。
--放送に向けて、メッセージを。
小西さん 僕自身も小さい頃に仮面ライダーやアニメ、マンガなどからいろいろな力をもらい、そのエネルギーでここまで突っ走ってこられたと思っています。いい年したおじさんが「俺は仮面ライダーだ」と言って活動している姿は、見る人によってはこっけいに見えるかもしれませんが、そこにある思い、魂を感じていただけるとうれしいです。いくつになっても、できることだったり、続けていると何かにつながることが絶対にあると思います。自分の身近で、どんなことでも良いと思うので、そういうものがあったら、これからも続けていただけるとうれしいなと思います。まずは、このアニメを見ていただけるとうれしいです。
藤岡さん 国や民族を問わず、世界中の子供たちには「ヒーローを求めてやまない心」が奥底にあると思っています。ヒーローは子供たちの希望の星です。未来に希望と夢と感動と生きる勇気、幸せを与えてくれる存在を、発信し続け、多くの子どもたちに届けることは、絶対になくしてはいけないことです。子供たちの心に火をともし、愛とは何かを教え、考えさせてくれるヒーローを、マンガ、アニメ、特撮など、さまざまな形で届け続ける。子供たちに何を託し、何を委ね、何を残すかを真剣に考えていく、そんな心ある大人たちがこれから先もいてほしいというのが私の願いですね。
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