内山昂輝:「ひゃくえむ。」は「新しい、すごい、とてつもない」 “絶対王者”財津役の難しさ 染谷将太との収録秘話も

配信日:2025/08/28 18:31

「ひゃくえむ。」の完成披露試写会の舞台あいさつに登場した染谷将太さん(左)と内山昂輝さん
「ひゃくえむ。」の完成披露試写会の舞台あいさつに登場した染谷将太さん(左)と内山昂輝さん

 テレビアニメ化もされた「チ。 -地球の運動について-」で知られる魚豊さんのマンガが原作の劇場版アニメ「ひゃくえむ。」の完成披露試写会が8月27日、日経ホール(東京都千代田区)で実施され、舞台あいさつに声優を務める松坂桃李さん、染谷将太さん、内山昂輝さん、津田健次郎さん、岩井澤健治監督が登壇した。陸上競技の100メートル走を題材とした作品で、陸上界の絶対王者である財津を演じる内山さんは、演じる難しさや、トガシ役の染谷さんとの収録の様子を明かした。

 内山さんは「僕は声優としていろいろなスポーツアニメに関わらせていただいてきたんですけど、そのどれとも違う。見たことのない映像表現がいろいろなシーンにちりばめられていて。新しい、すごい、とてつもない作品が誕生したなと感動しました」と作品の魅力を語った。

 財津に王者の座を阻まれ続けている海棠を演じる津田さんは「スポーツアニメの王道の良さもたっぷりありつつ、本当に個性的な独自の映像表現もあって、どっちの要素も入っている。王道のカタルシスとは違うカタルシスを生んでいて。皆さん、今日はお越しになってよかったんじゃないかと思いますよ」と笑顔で話した。

 トガシ役の松坂さんは「原作を読んだ時、マンガなのに登場人物の息遣いや走っている足音、風を切る空気感をすごく感じました。この走っている描写をアニメにしたらどうなるんだろうとすごく気になっていましたが、完成した作品を見た時、僕が原作を読んだ時、そのままの衝撃があって。これはすごい。よくぞアニメーションでこんなすごいものができあがったなと思いました」と驚きを隠せない様子。染谷さんは「マンガで感じた“たった10秒間”という100メートル走の短さ、はかなさ、そこに詰まっている人生。マンガを読んでいた時に感じたその感覚が、映画ならでは新たな形の10秒間になって。それが生々しくもあり、臨場感がある映像にもなっていました」と感激していた。

 内山さんと一緒に収録したという染谷さんは「財津はものすごく好きなキャラクター。始まった瞬間に『あ、財津だ!』と思って。しかもそのシーンが僕がものすごく食らったシーンだったので。実際に一緒に隣でやらせていただいて、すごく刺激を受けました」とコメント。それに対し内山さんは「僕はアフレコは全然失敗していいものだと思っていて。探り探りでやるんですけど、染谷さんは表現に迷いがない。最初から答えを出す感じでやってらして。『ちゃんとしてるな、やっぱり』と思いました」と語った。

 財津は独特なセリフ回しが印象的なキャラクターだが、内山さんは「文字でセリフを読んでいる時は『ふむふむ』と読めるんですけど、実際に声で表現するとなると、どうすれば財津らしさが出るのか悩みました」と役作りの苦労を語った。岩井澤監督によると、原作者の魚豊さんからも細かいところの修正案を出してくれたとのことで、「セリフの語尾とかも、読む文字としては成立するけど、しゃべり言葉として発すると逆に変かもしれませんと言っていただいて。逆に先生からセリフを変えていただいたりもしました」と明かした。財津のセリフについても「魚豊先生からは、丁寧な言葉に変えた方がいいですと言っていただいて。こちらとしては『それでいいんだ』と思ったんですけど、実際に内山さんにセリフを言ってもらうと、すごくハマっていましたね」と感心した様子だった。

 一方、津田さんと一緒に収録をしたという松坂さんは「津田さんが声を入れている姿を無料で間近で見られて、めちゃくちゃラッキーだなと。津田さんのしゃべっているのを後ろから聞きながら『うわ、こうやってやるんだ! すげえ!』と内心思いながら、ずっと見学モードみたいな感じで受け取っていました」と興奮した様子でコメント。津田さんも「掛け合いのシーンで、すごく生っぽい言葉をもらえて。そこに返していくみたいな感じだったので。本当に一緒に録(と)れてよかったし、僕もすごくうれしかった」と笑顔で返した。

 最後のあいさつで、染谷さんは「スポーツをやる方でも、もちろんスポーツをやられない方でも、本当に誰が見ても、絶対に胸に響いてくる音と描写描写が待っています。ぜひ劇場のスクリーンで、そして劇場のスピーカーで、この映画を体感して。何かを持って帰っていただけたら」と語った。松坂さんは「トガシのセリフにもあるんですが、『100m(メートル)を誰よりも速く走れば、全部解決する』と。本当にシンプルだけれどディープなこの世界に人生をかけた登場人物たちの感情の動きだったり、美しさみたいなものが、本当に胸を打つと思うので。臨場感とともにそれを受け取っていただけたら幸いです。どうか最後まで楽しんでいってください」と呼びかけた。

 「ひゃくえむ。」は、魚豊さんの連載デビュー作で、講談社のウェブマンガアプリ「マガジンポケット(マガポケ)」で2018~19年に連載された。陸上競技の世界で「100m(メートル)」という10秒に満たない一瞬の輝きに魅せられた者たちの狂気と情熱が描かれた。生まれつき足が速く、友達も居場所も手に入れてきたトガシと、つらい現実を忘れるためにただがむしゃらに走っていた転校生の小宮が出会い、次第に2人は100メートル走を通して、ライバルとも親友とも言える関係になっていった。数年後、天才ランナーとして名をはせるも、勝ち続けなければいけない恐怖におびえるトガシの前にトップランナーの一人となった小宮が現れる……というストーリー。

 アニメは、「音楽」で、米アニー賞にノミネートされた岩井澤さんが監督を務め、「音楽」を手がけたロックンロール・マウンテンが制作する。9月19日公開。10月に北米でも公開される。

提供元:MANTANWEB

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