ガメラ:60周年プロジェクト「昭和ガメラ映画祭」 名作が4Kデジタル修復版でよみがえる 樋口真嗣監督&小椋俊一監修
配信日:2025/08/01 9:00

怪獣映画「ガメラ」シリーズの60周年プロジェクトが本格始動することになり、第1弾として「昭和ガメラ映画祭」が12月5日から角川シネマ有楽町(東京都千代田区)ほかで開催されることが分かった。シリーズ第1作「大怪獣ガメラ」(1965年)、第2作「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」(1966年)、第3作「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967年)の4Kデジタル修復版が制作され、上映される。「ガメラ 大怪獣空中決戦」「ガメラ2 レギオン襲来」「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」の特技監督を務めた樋口真嗣監督と、多くの名作の4Kデジタル修復監修を手掛ける小椋俊一さんが、3作品の4Kデジタル修復版を監修する。
樋口監督は「私が生まれた年に作られた映画ですから、かれこれ60年前の映画です。本来なら制作に携わった方が監修すべきなのですが、見渡した限りどなたもいらっしゃいませんでした。残念なことです。そしてこの度、私たちの世代にとってはレジェンド級のタイミングマンである、小椋俊一さんとデジタルグレーディングの第一線を切り拓いているイマジカのカラリスト、阿部悦明さんのお力添えで不肖樋口、いちファンの代表として、この大任を慎んでお引き受けさせていただきました」とコメント。
「暗部に埋もれ、グレインに隠されていた怪獣たちの皮膚感を洗い出し、当時の低感度ネガフィルムに記録されていた現場の空気感を発掘するのは、試行錯誤を重ねて素晴らしい作品を作り出した先輩たちの偉業を追体験するようで、素晴らしく幸せな作業でした。とりわけ、タイミングデータから明らかになる、オプチカルプリンターを介さずにオリジナルネガを巻き戻して二重露光をしたダブルロール合成カットの多さは衝撃です。ブルーバック合成という選択肢を当たり前のように選ぶことが難しい時代に怪獣映画を撮っていた先輩たちの労苦には感服するばかりです。誰も見たことのないガメラの誕生を、刮目してご覧ください」と話している。
小椋さんは「この企画のお話をいただいた時、まさか自分の子供のころ劇場で見た『昭和ガメラ』の4K修復に関われるとは思ってもみなかったので、うれしく思いました。『平成ガメラ三部作』には、タイミングとして関わりました。劇場で皆さんがご覧になったのは、プリントフィルム(ポジ)です。今回の4K修復はネガからの修復です。ポジを通さない分、当然劇場での見え方と変わります。ネガはポジでは表現できなかった明部、暗部のディテール等、豊富な情報を持っています。その情報を損なわないように、なおかつ当時見たような質感を求めて修復しました。ご期待ください」と語っている。
「昭和ガメラ映画祭」では、4Kデジタル修復版3作品をはじめとした昭和ガメラ全8作品のほか、昭和ガメラへのリスペクトが詰まった名作「小さき勇者たち~ガメラ~」が特別上映される。
4Kデジタル修復版3作品のUltra HD ブルーレイディスクが11月21日に発売されることも発表された。BS12では、4Kデジタル修復版の「ガメラ」シリーズが11、12月に順次放送される。11月2日に「大怪獣ガメラ」、9日に「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」、16日に「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」、23日に「ガメラ 大怪獣空中決戦」、30日に「ガメラ 2 レギオン襲来」、12月7日に「ガメラ 3 邪神<イリス>覚醒」が放送される。
ガメラは大映が1965年に公開した特撮映画「大怪獣ガメラ」に登場する怪獣で、カメがモデル。地球の危機から人々を守る子供や正義の味方で、円盤状になって回転飛行をする。「大怪獣ガメラ」以降、「宇宙怪獣ガメラ」など「昭和ガメラ」シリーズとして全8作品が制作された。「平成ガメラ」シリーズや「小さき勇者たち~ガメラ~」などもシリーズ展開された。2023年には、アニメ「GAMERA -Rebirth-」がNetflixで配信をスタートした。同作はNHK総合でも放送された。
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