着せ恋:直田姫奈×石毛翔弥インタビュー 待望のSeason 2にプレッシャー 澄んだ目で五条君を演じる 海夢は鮮度を大切に
配信日:2025/07/05 12:31

「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載された福田晋一さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする(着せ恋)」のSeason(シーズン)2が、7月5日からTOKYO MX、BS11ほかで順次放送される。ひな人形の顔を作る頭師(かしらし)を目指して修業中の男子高校生・五条新菜と、アニメやゲームが好きなギャルでコスプレに興味を持つ喜多川海夢の恋を描いたラブコメディーで、2022年1~3月に放送されたSeason 1以来、約3年ぶりの新作テレビアニメとなる。ファンにとって待望となったSeason 2について、喜多川海夢役の直田姫奈さん、五条新菜役の石毛翔弥さんに聞いた。
◇世界中の大反響にびっくり!
--Season 1は大きな反響がありました。
直田さん Season 1の収録の時、まさかここまでの反響をいただけるとは想像していなかったので、こんなにも大きな反響をいただいて、私、大丈夫だったかな?とびっくりしながら、ビビっていました。この3年間、海外に行く機会が増え、海外の方々からの反響を直に感じることも多く、どこに行っても「海夢ちゃんが大好き」「Season 2をやってください!」と言っていただいたり、海夢ちゃんと五条君のコスプレをして、私に会いに来てくださったり、日本だけでなく全世界での大きな反響にうれしく、驚いています。こんなところまで自分の声が届くんだ!とうれしかったです。
石毛さん 同業者の方から「見ています!」という声をいただくことも多いんです。連動企画「その主人公声優は服を縫う」を見てくださっている方も多く、「着せ恋」はいろいろな方に好きになっていただけた作品だと感じていました。
--約3年ぶりの新作になります。
石毛さん いつやるんだ?となっている中で、いよいよ7月から放送されることになり、喜びと共に、ちょっとプレッシャーもありました。もちろんうれしさ、楽しさが大きいのですが、ここまで待っていただいたから、Season 1以上に楽しんでいただけるのか……というプレッシャーがあったんです。
直田さん ヒロインを演じさせていただくのは初めての経験だったのですが、Season 1のアフレコ時はプレッシャーはそんなに感じていませんでした。温かい現場でしたし、自分が今できることをがむしゃらにやるターンだったんです。続編決定が発表された時は、手放しに喜んでいたのですが、その後から一人でプレッシャーを積み重ねていました。Season 2の収録が始まると、Season 1の時とは全然違う重みを感じました。3年たちましたし、それだけ年を重ねたこともあり、まだいけるのか?みたいな緊張と不安もあったのですが、スタッフさんがみんな優しくて、少しホッとしました。私たち自身が3年間、いつやるの?と思っていましたし、ようやくアフレコを迎えられた時は、プレッシャーが90%ありましたが、ようやくきた!という喜びもありました。
◇二人の恋が加速するシーン
--Season 1で印象的だったシーンは?
直田さん どのシーンも印象的だったのですが、第5話の電車の中で海夢ちゃんが、五条君に対する思いを自覚するシーンは、大事なポイントになっていると思います。電車の車輪が回り、二人の恋が加速することをそれとなく表現していて、それを見せられるのはアニメならではですし、印象深いシーンでした。
石毛さん 確かにどのシーンも印象的ですよね。個人的には、第4話の雫たんの衣装を作ることになった後、じいちゃんが入院して、身の回りのことを全部自分でやることになって、夜通し作業をして、涙を流し、喜多川さんも涙を流して……というシーンが印象に残っています。第8話の海のシーンも印象的です。少しパステル調になっていて、ドラマチックなシーンでしたし、印象深いです。
--お互いが演じるキャラクターの魅力は?
直田さん 五条君は、なんでこれまでクラスになじめず一人で生きてきたんだろうというくらいいい子じゃないですか。こんなにピュアピュアで、真っすぐな高校1年生男子がいるのだろうか?と思うくらいいい子です。おじいちゃんの背中を見て育ってきたからこその職人気質なところがあったり、自分が心から奇麗だと思わないと、奇麗という言葉を使わないところなど一貫して自分を持っています。強さもあって、そこが、五条君の魅力だと思います。Season 1では海夢以外の学校の友達と関わっているシーンが少なかったですが、これからどんどん五条君の魅力が伝わっていくと思うと、ドキドキしますね。 こんな子いたら、モテモテじゃん!って。海夢としては、その魅力に気付いてほしいけど、気付かれるのがちょっと怖かったり。このまま素敵なまま、真っすぐ大人になってほしいという保護者目線もあります。
石毛さん 喜多川さんは圧倒的にポジティブで、自分の意見や信念をしっかり相手に伝えるところが素敵です。自分が好きなものを否定する人に対して、厳しい言葉を発することもありますが、基本的には人のことを否定しない。そういった部分も含めてすごく素敵です。第1話の被服準備室での、おひな様の頭を見るシーン。喜多川さんは触らないんです。見るだけなんです。そこにとても気遣いを感じて。あのシーンが、喜多川さんの人間性を物語っているのかなと。物言いはギャルですけど、がさつではなく、繊細で、そういうところが素敵だと思います。
--Season 2で変化は? 二人の距離感も変わる?
直田さん Season 1では、二人でいる時間が楽しい、コスプレが楽しいというところにフォーカスしていましたが、Season 2は海夢が恋心を前面に出す描写が多くなります。キャラクターの変化もありつつ、ラブコメ感が増しているかもしれません。
石毛さん 五条君も表現が大きくなるシーンが多かったかな?と思っています。五条新菜というキャラクターの範囲で、そこを最大限表現しようとしました。我々演者、見てくださっている方々からすれば3年たっていますが、アニメで描かれるのはSeason 1と地続きの世界です。遠すぎず、近すぎずの距離感が続いていることを意識して演じさせていただきました。
◇思いっきり海夢を演じる
--海夢を演じる際に意識していることは?
直田さん セリフはもちろん決まっていますが、言葉に重みを持たせる性格ではないですし、考え過ぎずに出てきたものをフレッシュに乗せることを意識しています。考えたくもなりますが、深く考えずに、五条君とおしゃべりして感じたものを素直、鮮度高めにポン!と乗せることが必要だと思っています。
--独特のリズムやイントネーションなどギャルっぽいしゃべり方が印象的です。
直田さん 結構早口なのですが「思いっきりいってみよう!」「いけー!」という気持ちで演じていますね。
--新菜は真っすぐなところが魅力です。
石毛さん 僕は邪念を持たないようにしています。彼にも思春期特有のものがあるのですが、反応が純粋なんです。演じる僕は、年を重ねていますし、邪念をなくして、澄んだ目をして現場に行こうとしています。僕自身、五条君と近いところもありますが、五条君よりも悩みやすいタイプなので、ある種の爽やかさ、目の奥がパッと光るような気持ち、清らかで青い心を持とうとしています。
直田さん そうだったんですね!
石毛さん 稀に見る純朴な好青年です。僕自身もそこに近しい思いを持たないといけません。絶対に嫌みのあるキャラにはなってはいけませんし、純粋な心を持って現場に行くことを心掛けています。
--「着せ恋」で久しぶりに共演する中で感じたことは?
直田さん いい意味で変わらずです。自然な感じですね。
石毛さん お芝居を一緒にするのは久しぶりですが、Season 1の放送が終わってから半年に一回くらいはラジオなどで何かしらご一緒させていただいていたので、Season 1の時のように7、8話までお互い全然しゃべらない……ということはありませんでした。お互い人見知りだし、Season 1では緊張していましたしね。
直田さん そうですね。静かな空気が流れているんですよね。それが「着せ恋」の現場ですし。
石毛さん 3年間、全く一緒になっていなかったら、こうはなっていないと思うのですが。
直田さん そうですね。めっちゃ人見知りをしていたと思います(笑)。
--Season 1では、石毛さんがコスプレの衣装制作に挑戦する企画「その主人公声優は服を縫う」も話題になりました。Season 2で復活するようですが……。
石毛さん 「またあの企画をやるんですか?」と聞かれることも多く、僕としては本編と同じようにプレッシャーを感じています。前回は未経験で、先生に教えてもらいながらやりましたが、前回と同じできばえではダメだと思いますし、 いいものをお見せできるように頑張りたいと思います。2回目ですが、余裕はないですね。
直田さん プレッシャーがあるとおっしゃっていますが、ご本人は前のめりですよね。楽しみにしていたじゃないですか!
石毛さん そうですね。Season 1は本当に大変でした。でも終わったら、寂しいって気持ちの方が大きかったんです。僕の性分に合っているのか、ああいう作業が好きですしね。前回の反省点もあるので、しっかりやっていきたいです。楽しみにしています。
提供元:MANTANWEB