雨宮天:「よふかしのうた」インタビュー 3年ぶり続編 「やっぱりナズナが好き」
配信日:2025/06/29 11:01

コトヤマさんの人気マンガが原作のテレビアニメ「よふかしのうた」の続編「よふかしのうた Season2」が、フジテレビのアニメ枠「ノイタミナ」で7月4日から毎週金曜午後11時半に放送される。2022年7~9月に放送されたSeason1以来、約3年ぶりの続編となる。七草ナズナ役の声優の雨宮天さんに同作への思い、収録の裏側を聞いた。
◇難しくもあり面白い
「よふかしのうた」は、「週刊少年サンデー」(小学館)で2019年8月~2024年1月に連載されたマンガ。不眠が続く中学2年生・夜守コウが、美しい吸血鬼・七草ナズナと出会い、夜の楽しさを教えてくれるナズナに魅了されていく……というストーリー。
雨宮さんは、妖しい美しさ、カリスマ性があるナズナを「これまで演じてきたどのキャラクターとも似ていない」「難しくもあり、面白くもあり」と語る。
「ナズナは普段はクールだけど、少し可愛いところもあります。格好いい時は格好よく、可愛い時は可愛くと相反する面があって、このキャラクターの中でしっかり両極端なところを出していくことが難しくもあり、面白いところなんです。ナズナの声は少しガサガサしています。それがなくなりすぎると、可愛くならないですし、ガサガサ感を保ち、キャラクター感を守りながら、こう、彼女の持つ両極端な魅力を表現するところにやりがいを感じています。ナズナに、自分の演技の幅を広げてもらいました」
雨宮さんにとってナズナ役は挑戦だった。
「すごく演じたかったのですが、オーディションでは自信がなかったんです。私よりも声がハスキーな役者さんはたくさんいらっしゃいますし……とも思っていました。だから、決まった時はすごくうれしかったです。これまでやったことのない声の作り方、お芝居だったので、挑戦は多かったのですが、性格はナズナと似ていることがあるから、挑戦しながらもすごく楽しく演じられてます」
ちょっとバカなところもナズナの魅力になっている。格好よさ、可愛さだけでなく、ギャグシーンでも雨宮さんの演技が光る。
「叫びまくるシーンも楽しいですね。Season2は、ギャグの幅も広がっていて、叫びも多くなっています。シュールにツッコんだり、真顔でツッコんでボケたりするシーンもあって、すごく楽しいんです。声の大小、高低を使って、切り替えていくので、喉を酷使するので大変なのですが、やっぱり面白いんです。表情がコロコロ変わるところが、楽しいし、どんどん好きになります。まだこんな魅力あったんだ!となるシーンもあって、やっぱりナズナが好きなんです」
Season1では「吸血音」の収録も印象に残っているという。
「下唇に歯を合わせて、唇と歯のすき間で息を吸うと出るのですが、やってみたら結構いい音が出ました(笑)。初めてのことですし、最初はこれでいいのか分からなかったのですが、スタッフの方にすごく褒めていただいたんです。普段やってないことなので、すごく緊張しましたし、いまだに緊張します。収録では、すごく小さな音なのですが、音量を調整していただき、オンエアではすごくキレイな音になっています」
◇餡子に飲まれないように
佐藤元さんが演じるコウとの掛け合いも「よふかしのうた」の大きな魅力になっている。佐藤さんとのコンビネーションも抜群だ。
「元君とはSeason1が終わった後も仲良くしていたので、人見知りせずにできたところがあります。元君も私もSeason1から間が空いて。キャラクターに戻れるのか?という不安がお互いにあったと思います。でも、お互いの声を聞き、掛け合っているとキャラクターに戻っていく感覚がありました。私が収録に参加できなかった時、元君が『ナズナがいるからコウになれる』と感じたという話を聞いて、お互いそうなんだなと思いました」
「よふかしのうた」は、会話の面白さもポイントだ。朝井アキラ役の花守ゆみりさん、桔梗セリ役の戸松遥さん、平田ニコ役の喜多村英梨さん、本田カブラ役の伊藤静さん……と豪華声優による演技合戦を楽しめる。
「皆さん、すごいんです! お芝居が本当に素敵すぎて、テンションが上がります。どのキャラクターも普通じゃなくて、こうなるんだ!となるキャストの方ばかりなんです。ただ者じゃない雰囲気を出しながら、それぞれのキャラクターの感情的な部分をにじませる。完成した映像を一視聴者として最高!と楽しんでいます。Season2は皆さんと一緒に収録できて、ストーリー的にもいろいろな方と掛け合いさせていただく機会が増えました。掛け合いでしか生まれない空気感があるんです。Season2では、アフタートークもあって、収録後に皆さんとお話をする機会をいただけたのもうれしかったです。チームワークがより強くなりました。よくなったと思います。Season2は、内容的にも、各キャラクターが掘り下げられるので、ナズナとコウ以外のキャストの皆さんも、ご自身が演じるキャラをより深く知ることができたはずですし、仲間感が増したのかなと思います」
Season2では、沢城みゆきさんが演じる鶯餡子との掛け合いも大きな見どころになるという。
「餡子は、自分の世界を持っているキャラクターで、ナズナとは全然タイプが違います。テンポ感やしゃべり方が全く似ていなくて。餡子のペースに飲まれちゃいけないと思っていました。それぞれの個性がしっかりあって、どちらにも混ざらないからいい。その空間に存在している二人だけの空気があって、日常会話なのですが、油断するとペースに飲まれそうなので、すごく集中しました。餡子は、ナズナにとって大きな存在で、ナズナはこれまで以上に気持ちが揺れ、苦しくなるところもあります。映像でどうなっているのかすごく楽しみです」
Season2では、七草ナズナとうり二つの看護師・七草ハルが登場することも話題になっている。内田真礼さんがハルを演じる。
「実は私もハルさんのオーディションを受けたんです。すごく困ったんですよね。ナズナと全然違う方がいいのか? 見た目がこれだけ似ているから寄せた方がいいのか? 寄せるとナズナになってしまいます。真礼さんが演じられたハルさんを見て、こういうことだったんだ!となりました。私が想像していたよりも似てなかったんです。でも、しゃべり方、言葉の使い方、表情など共通しているところもあって、そのバランスが絶妙なんです。私には想像できなかったハルさんだったから、すごい!と思ったんです」
◇“よふかし”はしないが…
タイトルにちなみ“よふかし”について聞いてみると、雨宮さんは“よふかし”はあまりしないようにしているという。
「睡眠時間が短い日が続くと、風邪を引いてしまうので、睡眠を大事にしています。どんなに忙しくなっても、絶対に睡眠だけはしっかりとることをモットーにしています。7時間くらい眠りますし、お昼寝もします。寝不足だと高い声や低い声が出なくなりますし、感覚がズレてしまって、作品のテンポ感とズレてしまうことがあるんです」
一方で「仕事の飲み会は参加します」とも語る。
「普段は一人では飲みませんが、皆さんとは結構飲みますね。普段は人見知りなのですが、飲むと、スーパーハッピー! 世界はみんな友達!って感じになります(笑)。日常で、ギャー!とか叫んでる方だと思っているのですが、酔っ払っても叫びます。そこはナズナとの共通点かもしれません。
Season2では叫ぶナズナの姿もたくさん見られるようだ。
「叫ぶセリフが多いんですよ。特に前半はギャグシーンで叫びまくります。後半の方は繊細な感情の動きもあって、Season1では知らなかった面も知ることができるはずです。新しい表情が皆さんに見ていただけると思います。Season2は見どころばかりなんです。よくこれだけのいろいろな話をこの話数の中でやっているな!となるくらい、毎回毎回がサビみたいです。少し日常に疲れてるけど、熱くなりたい人にすごく刺さるんじゃないかと思います。『よふかしのうた』は、無理してなくて自然体なんですよね。気負わずに、ダメな自分も受け入れてくれる。無理しなくて、スッと入ってくる物語で、しっかり人間のドラマや熱さがあるから、いつでも触れられるんです」
Season2では、ナズナは一体どんな表情を見せてくれるのだろうか? 雨宮さんの演技にぜひ注目してほしい。
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