果てしなきスカーレット:細田守監督最新作が11月21日公開 米国でも公開 テーマは「復讐」 ビジュアルに血に染まる王女
配信日:2025/04/29 8:00

劇場版アニメ「時をかける少女」「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」などで知られる細田守監督の約4年ぶりとなる新作劇場版アニメ「果てしなきスカーレット」が、11月21日に日本で公開されることが明らかになった。東宝、ソニー・ピクチャーズによる全世界配給となり、日本での公開に続き、米国で12月12日に公開されることも発表された。新作のテーマが「復讐(ふくしゅう)」となることも明かされ、血に染まった純白のドレスをまとった主人公の王女・スカーレットが描かれたティザービジュアルが公開された。スカーレットは、手には鋭い剣を持ち、たくさんの死体の上から鋭い表情でこちらを見据えており、「生きるべきか。」というコピーが添えられている。
新作は、細田監督が原作、脚本を手掛ける。主人公・スカーレットは、とある国の国王である父を殺された王女。父の復讐に失敗したスカーレットは、狂気にあふれた“死者の国”で目を覚ます。“死者の国”は、宿敵に復讐を果たし、“見果てぬ場所”にたどりつかなければ虚無となり存在が消えてしまうという場所で、スカーレットは果てしない復讐の旅をすることになる。
特報映像もYouTubeで公開された。宿敵への復讐を果たすべく旅に出る王女・スカーレット、砂漠に覆われた“死者の国”が描かれた映像で、竜も登場した。スカーレットが「ここは……?」と話すシーンも描かれ、“声”がお披露目された。
細田監督は「この作品を考え出したのは2022年3月頃です。2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。日常だと思っていたものが崩れていく様子を毎日ニュースで僕らは知ることになる。自分自身が生きていること、過ごしている世の中、そして今のこの平和というものは非常に危ういものだと、ショックを受けました」とコメント。
「平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。答えがあるのかないのか分からないけれども、みんなどうしたら争いが解決するのか、どうしたら僕らは安心して生きていけるのか、という答えをみんな必死に探している。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです」と説明している。
「世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。『復讐』すれば『報復』がある。その連鎖は延々終わらない。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で『復讐』せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、ないしはもし僕らが追い詰められたとしたら、どのような行動をとるべきなのか? 頭では『復讐』のループを断ち切らないといけないと分かっていても、感情的にそんなことが可能なのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです」と語っている。
提供元:MANTANWEB